【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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「ゆくゆくはーーと、考えていらっしゃるんでしょうね?」
「ーー王太子すら定まっていないというのに気の早いこと……」

 ビアンカの言葉にレジアンナは鼻を鳴らし吐き捨てるように言った。
 そんなレジアンナの反応を伺いながらも、友人の一人がおずおずと提案する。

「……もしーーもしもの話になってしまいますが……ミストラル家が許可を出したのであれば、クラリーチェ様たちだけでも先に大通りへお出かけになっていただいては……?」

 それは未だに許可の下りないレジアンナを抜きにしても、心を痛めているであろうクラリーチェに気分転換をさせてあげては? という提案だった。
 その内容がレジアンナの怒りに触れるのでは……と感じた周りの者たちは、言葉では賛同できずにいたが、チラチラと期待のこもった眼差しをレジアンナに向け、同意の言葉を待っているようだった。

(……待って? それさぁ……私はどういう扱いになるの……? ーーえ、一回じゃない? 普通、そんな危険が危ないみたいなイベントって、一回で終わりじゃない⁇ 例えレジアンナが不参加だって一回で終わりにしようよ……!)

 リアーヌのそんな心の葛藤を読み取ったのか、絶妙なタイミングでビアンカがポソリと呟いた。

「ーーそういえばわたくし、まだ許可が……」
「ちょっと……⁉︎ ビアンカこの間、自分は許可なんか簡単に出るって……!」

 リアーヌはレジアンナたちの会話の邪魔にならないよう、小声で苦情を伝えるが、ビアンカは肩をすくめシレッと言い返す。

「勘違いだったみたい」
「ーーじゃあ私も」
「リアーヌは平気よ」
「なんで⁉︎」
「いざとなったら私がご両親やゼクス様に許可をもらって差し上げますわ?」
「このヤロウ……ーー一人だけ逃げるとかズルだからね……! ――私たち親友でしょ? そのキズナはそんなものなのっ」
「ーー家同士に繋がりの無い絆なんて、こんなものよ」
「ぐぬぅ……」

 ジト目で自分を睨みつけてくるリアーヌにクスリと笑ったビアンカは、手で口元を覆いながら、ソッとリアーヌに囁いた。

「ーー残念だけれど、シャルトル家がそんな許可を出すなんてあり得ないわ」
「……そうなの?」
「普通に考えるならね。 クラリーチェ様に嫌疑の瞳を向けられているからこそ、ありえないことだと思うわ」
「……クラリーチェ様はご両親にも疑われていた……?」
「そんなわけないでしょ……ーーつまり、今ならばクラリーチェ様やそのご友人たちが、かの方関連のトラブルに関与できないということを証言する者たちは、派閥も学科も、クラスさえも関係のない生徒たちがほとんどでしょう?」
「……だね?」
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