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教養学科の生徒たちの目がある中で、いきなり教科書を机に叩きつけ、犯人であると糾弾ーーしかも本人が『証拠はない』と認める発言もしてしまった為、多くの者たちがユリアに対して不信感を、そしてリアーヌには同情心を募らせてしまったのだ。
(あとからゼクスに聞いたんだけど、あの時、廊下で聞き耳立ててた他のクラスや学年の生徒たちが結構いて、ユリアが喋るたびに「え……? なに言ってるんだあの子……?」と首を傾げあってたらしい……ーー先生方に噛みついちゃったから学院側も私やクラリーチェ様に同情的だし……)
ーー怪我の功名と言えるのか、ユリアの悪評が広まるのに比例するように、クラリーチェにも同情が集まっていた。
曰くーー
『あのお方……あんな非常識な方の相手を一人でなさっていらっしゃったのね……?』
『証拠がないって公言なさってたらしいけど……ーーまさか公爵家のご令嬢相手にも言いがかりを……?』
などと囁かれているらしい。
(ーーま、それも教養学科の生徒を中心に、なんだけどねー。 専門学科の生徒や一部の騎士科や一般学科の生徒たちはやっぱりユリアに同情的らしいし……ーー一応、オリバーさんたちが調べて来てくれた証拠とか証言とかをまとめて学院側に提出して、ベッティが友人たちが嫌がらせの犯人ですよーって報告して、ユリアにもちゃんと説明するって話になったとは聞いてるんだけど……ーーあの感じだと百パーセント「学院までグルになって犯人を庇ってる! しかも私の友達に濡れ衣を着せた!」ってなってるんだろうなぁ……)
リアーヌは遠い目をしながら窓の外を見つめ、青く広がる空を眺めながら、少しだけささくれだった心を癒した。
(……でもさ? 悪役令嬢にされたのが私ってことはだよ? ーーユリアの攻略対象ってゼクスになるわけだけど……ーーえ、レオンは……? え……もし仮に私が断罪されたとして、ゼクスと婚約破棄するじゃん? そしたら……ユリアはレオンと幸せにーーは、なれないよねぇ……? ーー私が断罪された後ならクラリーチェ様を黒幕ってことに出来る……? ……可能性としては無くはないだろうけどーーそれでレオンとユリアが幸せになる未来なんて想像できないけど……? だってそんなことになったらシャルトル家はレオンの敵になる……ーーもしかしたら第一王子にだって味方するかもしれないし……ーー私だって父さんに土下座してでもレオンを王様になんかしてやらない……ーーあ、その時は私、犯罪者になってる可能性高いんだった……ーーせめて修道院行きとかが良いなぁ)
リアーヌは大きく息を吐き出しながらそっと手元に視線を落とした。
(あとからゼクスに聞いたんだけど、あの時、廊下で聞き耳立ててた他のクラスや学年の生徒たちが結構いて、ユリアが喋るたびに「え……? なに言ってるんだあの子……?」と首を傾げあってたらしい……ーー先生方に噛みついちゃったから学院側も私やクラリーチェ様に同情的だし……)
ーー怪我の功名と言えるのか、ユリアの悪評が広まるのに比例するように、クラリーチェにも同情が集まっていた。
曰くーー
『あのお方……あんな非常識な方の相手を一人でなさっていらっしゃったのね……?』
『証拠がないって公言なさってたらしいけど……ーーまさか公爵家のご令嬢相手にも言いがかりを……?』
などと囁かれているらしい。
(ーーま、それも教養学科の生徒を中心に、なんだけどねー。 専門学科の生徒や一部の騎士科や一般学科の生徒たちはやっぱりユリアに同情的らしいし……ーー一応、オリバーさんたちが調べて来てくれた証拠とか証言とかをまとめて学院側に提出して、ベッティが友人たちが嫌がらせの犯人ですよーって報告して、ユリアにもちゃんと説明するって話になったとは聞いてるんだけど……ーーあの感じだと百パーセント「学院までグルになって犯人を庇ってる! しかも私の友達に濡れ衣を着せた!」ってなってるんだろうなぁ……)
リアーヌは遠い目をしながら窓の外を見つめ、青く広がる空を眺めながら、少しだけささくれだった心を癒した。
(……でもさ? 悪役令嬢にされたのが私ってことはだよ? ーーユリアの攻略対象ってゼクスになるわけだけど……ーーえ、レオンは……? え……もし仮に私が断罪されたとして、ゼクスと婚約破棄するじゃん? そしたら……ユリアはレオンと幸せにーーは、なれないよねぇ……? ーー私が断罪された後ならクラリーチェ様を黒幕ってことに出来る……? ……可能性としては無くはないだろうけどーーそれでレオンとユリアが幸せになる未来なんて想像できないけど……? だってそんなことになったらシャルトル家はレオンの敵になる……ーーもしかしたら第一王子にだって味方するかもしれないし……ーー私だって父さんに土下座してでもレオンを王様になんかしてやらない……ーーあ、その時は私、犯罪者になってる可能性高いんだった……ーーせめて修道院行きとかが良いなぁ)
リアーヌは大きく息を吐き出しながらそっと手元に視線を落とした。
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