【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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(……そうなんだよーー次の国母にだってなれちゃう立場になっちゃってるんだよあの子……まぁ、相手は第一王子なんだけどさ……? だって今、不敬罪でしょっ引かれない理由『ユリアは王妃の庇護下にあるから』しかないもん……ーーあの子着々と、第一王子との結婚に歩みを進め続けてるわけだけどーーでもまだレオン狙って教養学科に来てるんでしょ……? ーーまさか王妃になれるなら相手がどっちでもいい説……? いや、それはーー……でも「私はレオンと結婚して幸せになるの!」って言われるより「権力者と結婚したいの! そしたら人生勝ち組じゃん!」の方が納得感あるんだよなぁ……)

 そんなことを考えながらもそもそとパンを食べ終えたリアーヌ。

 その後二人は、珍しくそのまま中庭を出て、学院内を少し散策をしてから教室に戻ることにした。
 暑い夏も終わり、涼しくなってきた風を感じながら、通路脇に生えた木陰の下を歩いていくーー
 カフェテリアとそれに伴い多くの生徒たちが行き交う通路が見えてきた頃、どちらともなく顔を見合わせ「そろそろ戻る?」「そうね?」と言葉を交わした。
 二人とも意味もなく人混みを散策する気分では無かったようだ。
 くるりと振り返り、今通ってきた道を引き返していくリアーヌたちに、いきなり背後から声がかけられた。

「リアーヌじゃないか! もしかして探しにきてくれた?」

 声の主はゼクスで、小走りでリアーヌに走り寄りながら、わざとらしいほどに明るくおどけた口調で言い放った。

「えっと……?」

 いきなり現れたゼクスに少し離れたところでリアーヌたちを見守っていたカチヤたちが反応しかけたが、すぐにゼクスだと言うことを理解すると元の位置に戻っていった。
 しかし、いつもならばその辺りへの配慮も忘れないゼクスだったので、リアーヌは少しの違和感を感じながら、その顔を見上げた。

「ーーごめん、合わせて」

 耳元で囁かれた冷静な声に、チラリ……視線を合わせるリアーヌとビアンカ。
 先に動いたのはビアンカのほうだった。

「単なる散歩ですわ? ーーけれどリアーヌはさっきからキョロキョロとを探していたようですけれど?」
「え……ーーそ、そんなことないってばぁー!」

 ビアンカの言葉に合わせたリアーヌだったが、その言葉はあまりにも棒読みで、ゼクスとビアンカが思わず無言で見つめあってしまうほどのクオリティだった。

「ーー……そんなに照れなくったっていいでしょー?」
「……相変わらず仲がおよろしいこと」
「……うふふふふ?」

 気を取り直したように会話を続け始めた二人に、空気の読める女リアーヌは口元に手を添え、どうとでも取れるような愛想笑いを浮かべて見せたのだったーー
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