【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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 ーーその日はごくごく普通の、なんの変哲もない朝だった。
 家族で朝食をとり、いつものようにヴァルムが姉弟に釘を刺し、ザームと共に登校し、いつものようにオリバーがカチヤたちに釘を刺すのを待ってから教養学科がある建物まで歩くーー
 そんななんの変哲もない一日が始まったのだったがーー

 ザームと別れてすぐ、パラディール家のメイドと護衛が一人ずつリアーヌに走り寄り、フィリップからの招待状を差し出した。
 戸惑うリアーヌと警戒するメイドたちだったが、リアーヌですら見覚えのある使用人たちに加え紋章付きの正式な招待状を持ってこられては、断る理由など見当たるわけが無くーー
 リアーヌは小声で「授業サボることになるかもですけど、私のせいじゃありませんよね?」「二人とも私は何色を示したってちゃんと証言してくださいね?」と、何度もカチヤたちに懇願しながらパラディール家の使用人たちの後ろを付いていく。

「……お嬢様、分かりましたからキチンと前を向いて歩きましょう?」
「約束ですからね⁉︎」
「……ヴァルム様は確かに厳しいお方ですが、理不尽なことでお叱りになどならなられませんよ?」

 苦笑混じりにコリアンナが言うが、リアーヌは心の中で(どんな理由があろうと、デザート無し刑は理不尽そのものですけれども⁉︎)と憤っていた。

 そんな会話をしながら案内されたパラディール家のサロン。
 リアーヌが恐る恐る中に入ると、レジアンナやビアンカ、そしてレオンにクラリーチェといういつものメンバーが揃っていて、到着したリアーヌを見てホッと胸を撫で下ろしていた。

「……本日はお招きに預かりまして?」

 キョトンと首を傾げながらも到着の挨拶を口にするリアーヌに、フィリップが苦笑を浮かべながら声をかける。

「招待状は出させてもらったけれど、今回は非公式な集まりなんだ。 だからあいさつは省略で構わないよ」

 その言葉にチラリとビアンカに視線を走らせ、その首が縦に揺れたのを見て、満面の笑顔で席に着くリアーヌ。

(あいさつ省略ってことは、他のマナーもそこそこで許される感じかな……? ーーだとしたら授業サボってお菓子食べるのか許されるってこと……? しかも苦情は全部フィリップーー……毎日招待してくんないかな……?)

 そんなことを考えながらお茶を手に取り、唇を湿らせたリアーヌに、フィリップが今回、招待状を出した説明をし始めるーー



「ーーえ、あの子のギフトが無くなった……?」

 フィリップの口から語られたのは、ユリアの持つ『守護』のギフトが何者かによって盗まれ、使えなくなってしまったという驚愕の事実だったーー
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