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「ーー……それを実践するのは、一旦ご両親の許可もらってからにしましょうか……?」
そう答えたリアーヌに友人たちが「あっ……」と気まずげに顔を見合わせるのと、会計を終わらせたレジアンナがシビレを切らすのは同じタイミングだった。
「リアーヌ? 私、先にあの店に行っていましてよ?」
そう言いながら出口に歩いていくレジアンナを止めながら、慌てて声をかける。
「ま、待って待って! まだ聞いてないから! すぐ確認取るからっ!」
「……今日は好きにお買い物をしてもいい日なんですのよ?」
リアーヌには止められたのが面白くないのか、ムッと顔をしかめるレジアンナ。
「それはそうなんだけど、私たちがバラバラに買い物してもいいってことじゃないでしょ?」
「それは……」
「騎士の人にちゃんと事情を話してみんなの買い物が終わったら、きっと行くからもう少しこの店見ててよ」
「ーー早くね? できるだけたくさんのお店に行くんだから!」
「……善処しまーす」
リアーヌは(なんか役人みたいな返事しちゃった……)などと考えながら、騎士たちに事情を説明しに行ってから、クラリーチェたちに「そろそろ次の店に行きませんか……?」とお伺いをたてに行き、レジアンナのご機嫌が斜めになり切る前に、どうにか次の店に足を踏み入れることに成功したのだった。
「ーーねぎりのスキル……」
「今はお忙しいのよ……」
その店を出る際耳にした寂しげな声に、唇を引き締めたリアーヌは、ややヤケクソ気味に笑顔で振り返ると「次のお店でお見せしますね!」と力強く言い放つのだった。
ーーそして一同は、全員笑顔で次の店へと移動していくーー
「ーーねぇ」
喉の渇きを潤すためと、少しの休憩も兼ねて、落ち着いた雰囲気のカフェに入り、束の間の休息していたリアーヌは、隣で涼しい顔をしてお茶を口に含んでいるビアンカに向かい、疲れ切った様子で話しかけていた。
「……なにかしら?」
「あの王子、わざとやってると思わない……?」
思い切り顔をシワを寄せながら、不愉快そうに言ったリアーヌに、ビアンカは軽く咳払いをしながら、声をひそめながら答えた。
「ーー周りにこれだけいらっしゃる騎士の方々が、どなた様からのご命令で派遣されているのか、もう少し理解してもいいんじゃなくて……?」
「……騎士はあくまでも国に使える人なんじゃ……」
「ーー少し前に王族でもなんでもないかたの息がかかった騎士に、なにをされそうになったか忘れましたの?」
「そ、れは……」
そう言ってモゴモゴと言葉を濁し始めるリアーヌに、ビアンカは肩をすくめながらさらに助言を重ねる。
そう答えたリアーヌに友人たちが「あっ……」と気まずげに顔を見合わせるのと、会計を終わらせたレジアンナがシビレを切らすのは同じタイミングだった。
「リアーヌ? 私、先にあの店に行っていましてよ?」
そう言いながら出口に歩いていくレジアンナを止めながら、慌てて声をかける。
「ま、待って待って! まだ聞いてないから! すぐ確認取るからっ!」
「……今日は好きにお買い物をしてもいい日なんですのよ?」
リアーヌには止められたのが面白くないのか、ムッと顔をしかめるレジアンナ。
「それはそうなんだけど、私たちがバラバラに買い物してもいいってことじゃないでしょ?」
「それは……」
「騎士の人にちゃんと事情を話してみんなの買い物が終わったら、きっと行くからもう少しこの店見ててよ」
「ーー早くね? できるだけたくさんのお店に行くんだから!」
「……善処しまーす」
リアーヌは(なんか役人みたいな返事しちゃった……)などと考えながら、騎士たちに事情を説明しに行ってから、クラリーチェたちに「そろそろ次の店に行きませんか……?」とお伺いをたてに行き、レジアンナのご機嫌が斜めになり切る前に、どうにか次の店に足を踏み入れることに成功したのだった。
「ーーねぎりのスキル……」
「今はお忙しいのよ……」
その店を出る際耳にした寂しげな声に、唇を引き締めたリアーヌは、ややヤケクソ気味に笑顔で振り返ると「次のお店でお見せしますね!」と力強く言い放つのだった。
ーーそして一同は、全員笑顔で次の店へと移動していくーー
「ーーねぇ」
喉の渇きを潤すためと、少しの休憩も兼ねて、落ち着いた雰囲気のカフェに入り、束の間の休息していたリアーヌは、隣で涼しい顔をしてお茶を口に含んでいるビアンカに向かい、疲れ切った様子で話しかけていた。
「……なにかしら?」
「あの王子、わざとやってると思わない……?」
思い切り顔をシワを寄せながら、不愉快そうに言ったリアーヌに、ビアンカは軽く咳払いをしながら、声をひそめながら答えた。
「ーー周りにこれだけいらっしゃる騎士の方々が、どなた様からのご命令で派遣されているのか、もう少し理解してもいいんじゃなくて……?」
「……騎士はあくまでも国に使える人なんじゃ……」
「ーー少し前に王族でもなんでもないかたの息がかかった騎士に、なにをされそうになったか忘れましたの?」
「そ、れは……」
そう言ってモゴモゴと言葉を濁し始めるリアーヌに、ビアンカは肩をすくめながらさらに助言を重ねる。
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