ちぐはぐ

稀人

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一章 私立八意学園

恋人

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年上のイケメン彼女、ゲットだぜ!ここから始まる俺の春色学園生活!というテンションにはまるでならず、とりあえずお互い落ち着こうということになり先輩と別れ自宅へと向かう。


正直、あれはないと思う。いや、ない。絶対にない。人としてないと思うし自分的にもない。


とはいえ告白の仕方も内容も最悪だが、あの先輩自体は好意的に見ているのも事実だった。


自分と同じような悩みで自分と同じような立場でもまるっきり正反対の鏡写しのような関係。

男女の中身が逆なら良くある少女漫画の始まりになりそうである。少女漫画読んだことないから偏見だけども。


中身はともあれ男の俺でもかっこいいと思う容姿で話してみるとちょっと残念な女の子。

あれ?俺勝ち組じゃね?実際はお互いに同性からの告白を回避するための契約みたいな関係だが、知っていけばどっち向きにせよ変わっていくだろうし、そしたらまた考えればいい。


深く考えると自分の言動に嫌悪感を抱いて叫びたくなる衝動に駆られるのであまり深くは考えないようにしつつ、明日会ってもっと話してみようという適当な結論をつけて家に帰り気が付いた。


連絡先すら交換してねえよ。
なにが彼女が出来ただ。スタートラインにすら立ってないようなもんじゃないか。


まあ、有名人みたいだし誰かに聞けばすぐクラスぐらい判明するだろう。

どうせあのポンコツっぽい先輩も忘れていたのをあとで思い出して似たようなことを思うだろうし。


翌日。なんとなく寝付きが悪くて(思い出して恥ずかしくなったせいで)睡眠不足気味ながらいつも通りに起床する。


適当に準備をし、学校へ。目指すは自分のクラスではなく二年生のどこかのクラス。適当な先輩を捕まえ聞いてみると、やはり有名人らしくBクラスにいるとのことだった。

ついでに、あんな可愛い子まであいつの餌食に…なんであいつばっかりモテるんだよ!とかいう嘆きを聞き流しBクラスへ。


「すいませーん。白百合先輩いらっしゃいますか?」


先輩のクラスというのはやはり若干緊張し声が裏返ったが本人がすぐに気付いてくれたため、なんとか必要以上の緊張はせずにすんだ。


「蓮ったらまたー?そんな可愛い子にまで手を出しちゃってー」


いつものことなのだろうガヤが飛ぶ。


「残念ながら、私の彼氏だよ」


おいこらポンコツぅ!!このタイミングでこの人数の前で堂々と言ってんじゃねー!


「え?彼氏?マジ?こんな可愛い子が攻めなの!?」


腐ってやがる遅すぎたんだ。


「こら、彼に失礼だよ。れっきとした男の子……だって言ってるけど」


確かめたわけじゃないので、そういうのも仕方ないが同類てめえ。


「俺は男です。そして先輩ちょっとこちらへ」


「ん?わかった」


教室中から悲鳴というか賑やかしというか歓声というかよくわからない叫びが飛び交い、恥ずかしさで火が出そうになる。


もし火が出たら燃やしてやるからなこのポンコツめ。
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