ちぐはぐ

稀人

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一章 私立八意学園

食事会

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類君と別れ教室に戻ると案の定嬉しくない歓迎を受ける。


「あれマジで男なん!?」


「彼氏ってマジ?どうみても美少女だろあれ!」


「俺、あれならついてても行けるわ」


「待って、特に山中お前は待て。なんで人の彼氏に手を出そうとしてんのよ」


類君ならありえなくはない気がして地味に洒落にならない。


「あたし蓮のこと軽蔑しそうだわー、あんな純真そうな子を脅迫して付き合わせるなんて、さいてー」


「ちょっと待って脅迫はおかしい、私告白された側!」


「嘘だ!」


合唱でもなかなか見れないクラス全員のハモりである。泣きたい。


「うぇーんエリーみんながいじめるぅ」


思わず親友に泣きつくも、冷めた目で


「よしよし、とりあえず私にだけ本当のこと言ってみ?怒らないしどんなことしてても私は友達のままだから!」


本気で泣きそうになる。どんな目で私を見てるんだこいつら。


「そこまで言われるようなことしてないもん!」


「思わずキャラが崩れる程の否定、これは無罪なのでは?」


「いや、泣き落としの可能性もある。要注意だ」


「男の娘と付き合ってる時点で有罪だわ」


山中ぁ!もうやだこのクラス!


「いいもん、信じられなくても悪いことしてないもん。何言われても事実無根だもん」


思わず幼児退行しながら不貞腐れるていると、やりすぎたと思ったのか絵里が宥めに来た。


「ごめんごめん、それくらい可愛いからさー。あれで男の子は犯罪レベルだってー」


「だから男の娘の時点で有罪だって」


「山中は少し黙ろうかー。にしたって蓮、どこで知り合ったんよー?あんな子この近所にいたら有名になってるし、引っ越して来たばっかっしょ?」


なんと説明しようか。ありのまま説明すると私がアホすぎるし、かといってお互いに一目惚れとか、まああり得ないし。うーん。


「昨日新入生の女の子に、告白された時たまたま通りかかってなんとなく話してたら話があってーって感じかなぁ。類君も男の子に告白された後って言ってたし」


「そりゃまた難儀なカップルですこと。まあ、どうせ蓮がなんかやらかしてその流れでなんとなくーみたいな感じでしょ?」


「見てたの!?」


「うんにゃ。その反応だと図星かー。相変わらずだねー、ポンコツだねー。蓮ったらかーわいー」


絵里はいつもこうだ。緩いように見せてどこか鋭くて、ぼーっとしてるように見えてこっちをよく見てて。

ずるいと思う、その観察力とかくれたらいいのに。


「エリーはよく見てるねぇ。私そんなにわかりやすいかなぁ」


「うん」


「ズバッと言うね…」


この親友には敵わないなぁって思っていると


「そんなことより、今日お昼どうするの?彼と食べるん?」


「あ、全然決めてなかったや」


「じゃあ、お昼に校舎裏で一緒に食べるよう誘ってー」


「なんでさ」


「蓮に相応しいかこの川澄絵里さまが見届けてやろう。相応しくなかったら蓮はあげないのだ」


「あんたは私の父親かなにかか」


「とにかくいーからいーから。そんじゃ誘っておいてねー」


予鈴がなるのを見計らったかのように言い残して席に戻っていってしまった。


またなんかややこしくなりそうな気がしてきた。まあ、絵里なら大丈夫…かなぁ…?
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