ちぐはぐ

稀人

文字の大きさ
11 / 39
一章 私立八意学園

お見合い

しおりを挟む
休み時間の間に蓮さんから連絡が来た、どうやらお昼のお誘いらしい。彼氏もどきとしては断る理由もないのでわかりましたと返信を入れる。


どうやら先輩の友達も来るらしい。先輩の友達か、ポンコツ仲間なのだろうか。

それとも真逆のしっかりした人なのだろうか。まあ会ってみてのお楽しみということにしておく。


適当に携帯をいじっていると聞いたことのあるような声が話しかけて来た。


「類だっけ?俺、中澤宗介って言うんだけど、昨日はほんっとうにすまん!」


いや、誰だよ。昨日、昨日、昨日?あー、もしかして


「あー、昨日のこくは」


「そこまでにしてくれ」


食い気味に止められる。ということはどうやらあっていたらしい。


「おっけ、んでどしたの」


「いや、あれから考えたんだけどさ」


「ホモはノーサンキュー」


「いや、だからそれはすまんって。じゃなくてさ、なんか話した感じ面白そうな奴だなーって思ったからさ、友達になろーぜ!」


今の時代にこんなアグレッシブな友達のなり方をする奴がいるとは思わなかった。ふむ、友達かー。


「下心は」


「ない。男には興味がない」


「ならばよし」


「よっしゃ、いやー、俺こっち来たばっかで友達いなくてさー」


どうやら俺と同じようなタイミングで引っ越して来たらしい。


「そうなんだ、俺もこっちに越して来たばっかなんだよね」


「お?マジ?」


「マジマジ。親の転勤でね、そっちもそんな感じ?」


「いや、俺は1人。この学校来るために引っ越した」


「そうなんだ、なんでこの学校?」


「類、お前パンフレット見なかったのか!?」


パンフレット?なんかあったっけ?正直通いやすくて学力的にちょうどよかったから選んだだけだしなぁ。


「見てないね、パンフレットになんかあったん?」


「マジか、お前マジか。写真を見たら男なら分かるぞ」


「写真?」


「めっちゃ可愛い子多いんだよこの学校!」


「いや、知らねえよ」


「お前本当に付いてんのか!」


「付いてるし彼女も出来たぜ」


「嘘、だろ?」


「マジマジ。一個上の先輩」


「俺なんて友達すら2人目なのに…なんでなんだ!」


そのぐいぐい行く感じのせいじゃないかね。とは言わず


「顔?」


「自分で言うのもあれだが、イケメンの部類だぞ。服装にも気を使ってるし背丈も高い。少なくても類よりは彼女が出来る可能性高いと思うんだが!」


うるせーやい。好きでこんな顔してねえよ。


「男に告白してるようなやつに言われたくないね。あっ」


ちょうど中澤の言葉でこちらに注目していたクラスがざわめき始める。


「え?中澤くんってホモ?」


「中澤×類。いや、まさかの類×中澤…うへへ、ヨダレが止まりませんなぁ!」


「いや、類なら仕方ない。男だと知ってなかったら俺も告ってる」


「男だと知っても告りたい」


おい待て、特に最後まて。


「俺はホモじゃねー!」


「俺も男は興味ないかなって。彼女いるし」


その言葉で一部のクラスメートが


「彼女の情報はよ、ちょっと消して来るわ」


「合法的に百合百合出来ると思ったのに…」


「寝取られる彼氏、しかも男の娘!これは薄い本が厚くなりますね!」


このクラス大丈夫か?こんなところに一年も?俺発狂するんじゃないかな…。


「おい!類のせいだぞ!」


「それに関しちゃ申し訳ない」


「誠意の見せ方ってのがあるんじゃないかなあ!」


「なんだ、ジュースでも奢ればいいのか」


「ジュースなんかで俺の心は癒されない!女の子を、一心不乱の女の子を!」


多分モテないのはそういうとこだと思う。


「って言ってもなぁ女の子の知り合いなんていないし」


「彼女がいるならその友達とかいるだろ」


「あー、そう言えば昼ごはんの時に先輩の友達来るらしいけど、一緒に食べる?」


「行く」


食い気味である。


「じゃ、先輩に伝えとく」


「よろしく!」


蓮さんに伝えるとすぐにオッケーとこれまた女の子らしい絵文字と共に返事が来た。これでよくあのキャラ通して来れたな。


「オッケーだって。それじゃ昼休みに声掛ける」


「サンキュー!やっぱ類はいいやつだな!さすが親友!」


告白して来た相手が友達になったと思ったら10分足らずで親友にクラスチェンジした。凄いな中澤。


「んじゃまたあとでね」


「おう」


面白いやつだと思ったし本当に親友になれるかもしれないなあなんて考えてしまうあたり、俺もちょろいなって思う。


賑やかな学園生活になりそうだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。 「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

毒姫の婚約騒動

SHIN
恋愛
卒業式を迎え、立食パーティーの懇談会が良い意味でも悪い意味でもどことなくざわめいていた。 「卒業パーティーには一人で行ってくれ。」 「分かりました。」 そう婚約者から言われて一人で来ましたが、あら、その婚約者は何処に? あらあら、えっと私に用ですか? 所で、お名前は? 毒姫と呼ばれる普通?の少女と常に手袋を着けている潔癖症?の男のお話し。

拝啓~私に婚約破棄を宣告した公爵様へ~

岡暁舟
恋愛
公爵様に宣言された婚約破棄……。あなたは正気ですか?そうですか。ならば、私も全力で行きましょう。全力で!!!

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

処理中です...