ちぐはぐ

稀人

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一章 私立八意学園

立場

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今すぐこの場から離れたい。私が何をしたというんだ。少なくてもこんな辱めを受ける謂れはないはずだ!


絵里と中澤君はウマが合ったようでこちらを気にしながらも仲良く話している。
私と類君はそれを眺めながらなんとも言えない空気になっていた。


かっこいいとかは言われ慣れてしまったけど可愛いって慣れてないんだもの。

見てないところで言われたと聞くとこうね、年頃の乙女としては恥ずかしくも嬉しいようなそんな感覚になるわけです。


ちらりと隣を見ると目が合ってしまい慌てて顔を背ける。なぜ背けたかはわからない。


「な、な、なにか言いたかったかなっ!?」


声が裏返る。心拍数も上がる。きっとなにかの病だ。不整脈とか。


「あ、いや、えっと、蓮さん猫好きなんですね。うちで猫飼ってるんで、今度遊びに来ますか?」


「行く!どんなにゃんこなの!?」


「えーっとアメショで、写真あったかな。あ、これですね。みゅうって名前です」


「みゅうちゃんっていうんだ!可愛いなぁいいなぁうちマンションだから飼えないんだよぅ、いいなぁ」


ふと顔を上げると絵里と中澤君がニヤニヤとこちらを見ていた。


気がつくと私は画面を食い入るように見てて類君と密着していた。


「うぁっ!ご、ごめんねくっついちゃって!」


「い、いえ。大丈夫です」


意識すると恥ずかしくなるもので少し距離が開く。


「これだよこれ。これがみたかったのさ私は!わかるかね宗介氏!」


「ばっちりっす!写真も撮ったっすよー!送っとくんでお納めくだせえ」


「うむ。苦しうない」


「君らなんて嫌いだー!」


「中澤、消さないとお前が俺に告白したことを事細かに腐った連中にリークしてやる」


「ちょ、それはやめろって!見ろよこれ!この素晴らしい写真を消せというのか!」


「消せ」


取っ組み合いを始めた2人を尻目に私は絵里を睨みつける。


「エリー?私がなにを言いたいかわかるかな?」


「消さぬ!媚びぬ!省みぬ!この写真は私の家宝にするんじゃー!」


「ふーん。じゃあ私との時間より写真を取るんだ?いいもん。これからは類君と一緒にいるから」


「わ、私から蓮たそ成分をなくすというのかー!」


なんだ蓮たそって。


「友達の嫌がることをする人なんて知りません。川澄さんは中澤くんと仲良くしたらいいんじゃないですか」


「わかったからー!捨てないでー!蓮がいなくなったら生きてけないよぅ!」


抱き着いてくる絵里を引き離しているといつの間にか取っ組み合いをやめた2人が


「いいよな」


「いいね、癒される」


「あの間に挟まりたい」


「わからんでもない」


などと評論していた。


「君らさっきまで取っ組み合ってたんじゃないのか!絵里ははーなーれーろー!」


「蓮ー!私だー!結婚してくれー!」


「おい類、お前の彼女が寝取られるぞ」


「眼福眼福」


「君らは本当にもうー!!」


この4人での私の立ち位置が決まってしまった記念したくない日だと思う。
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