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一章 私立八意学園
戦場
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「あっはっはー、こりゃ宗ちんの考えだね、面白いことを考えるねー」
「面白いっていうかずるいって言うか…」
勝てば官軍とはいえ勝ち方と言うのはあると思う。
そしてなにより、想像の斜め上を行く戦い方に褒めればいいのか笑えばいいのか、はたまた軽蔑でもすればいいのかわからなくなる。
想像していたほど危険ではないのが救いだが。
「あらま、決勝まで残っちゃったよあの子ら」
これで勝ち抜いたら負けていった人たちは納得行かないだろうと思う。
全然実力関係ないし。
終わったらお説教しなきゃなと思っていると、中澤くんが類君に駆け寄りなにかを話していた。またずるい作戦でも思い付いたのだろうか?そういう頭の回転はすごいと思うが体育祭でやるなよと言いたくなる。
「お、なんか喋ってんねー。類君驚いてるみたいだけど、次はなにを思い付いたのやら」
「あんまり褒められたことじゃないよー」
「まあまあ、一応は決勝まで来たんだし、近くで応援したげよー」
「応援する必要あるかなぁ?」
「必要なくてもするのが彼女様の仕事だよん」
うーん、正直これを応援したくないという気持ちが強いが、まあ一応は応援してあげよう。あとでお説教するけど。中澤くんは特に。
「うはー、お相手さんごっついねー」
「こっちと違って実力で上がったんだもんそりゃそうだよ」
「れんたんったら不機嫌ー。かっこいいとこは見れなかったかもしれないけど、もうちょっと応援しなよー」
かっこいいとこか、確かに少し期待してはいた。ところが現実はこれである。怒るというか拍子抜けしたというか、なんだろうこの不完全燃焼感は。
『これより決勝戦を始めます、両チームは整列してください』
決勝が始まった、さて、どんなずるいことを考えついたのだろうか?
思ってることとは裏腹に至って普通に騎馬戦を繰り広げる。
類君は小さな体を精一杯伸ばして相手のハチマキを奪おうとするが、そこは相手チームも甘くない。背丈の違いを生かし類君を往なして反撃に出る。
類君も全力で躱したり手を弾いたりして防戦する。
しかし高さが違いすぎて類君の手は相手に届かず、相手はやりたい放題奪いかかる。
想像とは違いまともな戦いを続けているのを見るとつい応援に熱が入る。
「おやおやー?さっきの宗ちんはなにを話したのかにゃー?」
「普通に戦ってるよねってあっ!危ない!」
相手の腕から逃げようと除け反り騎馬から落ちそうになり間一髪体制を整えなおした。
「なにをいったかわからないけど、こりゃ厳しそうだあね」
諦めたような言葉を出す絵里とは裏腹にいつの間にか本気で応援していた。
「がんばれー!」
応援が届いたのかたまたまタイミングが良かったのか、類君が相手のハチマキに腕を伸ばす。
そして盛り上がりが最高潮に達している中、パンッ!と高い音が鳴り響く。
そして類君の手には相手チームのハチマキが握られていた。
最後の決め手はねこだましだった。
結果は大番狂わせも大番狂わせ。類君のチームが優勝してしまった。
「おー、うまいねー。こんだけ集中してる時にねこだましなんてやられたら確かに反射的に目を閉じちゃうよねー。それでも、れんたんは卑怯だって思っちゃう?」
「ううん、これはしっかりした勝ち方だよ。かっこよかった」
類君の身長的にそれくらいしないと届かなかっただろうし、それに、最後はしっかりと戦っていた。
一礼を終えると類君がチームメイトにおもちゃにされていた。
揉みくちゃにされながらもこちらに気付くと小走りでこちらに向かって来た。
「類君勝利おめでとー、それと、さっき宗介っちになんか言われてたけどなんて言われてたん?」
少しだけ言おうかと悩んだそぶりをみせてから
「最後くらいは普通に戦って先輩達にかっこいいとこ見せようぜって言われました」
「はっはー宗ちんったら憎い演出だねー」
「結局かっこ悪い勝ち方しかできませんでしたけどね」
「いやいや、あれはかっこいいと思うよん。蓮たそもそう思うっしょ?」
「かっこ悪くなんてなかったよ!そりゃまあ決勝まではちょっとかっこ悪いっていうかずるいって思ってたけど」
「返す言葉もないです」
「けど、最後はかっこよかったよ!」
「ありがとうございます、それじゃちょっとあいつら待ってるみたいなので戻りますね」
少し照れたように笑いながらクラスの輪に戻っていった。戻った瞬間に上に放り投げられたりされていたが。
類君が最後頑張ったんだし、私もリレー頑張って勝たないと!
「次はれんたんの番だねー騎馬戦はうちのチーム負けちゃったし、リレーは頑張ってよん」
「任されたよ」
類君がかっこいいところ見せてくれたのだから私がかっこ悪いとこ見せるわけにはいかないもんね。
「面白いっていうかずるいって言うか…」
勝てば官軍とはいえ勝ち方と言うのはあると思う。
そしてなにより、想像の斜め上を行く戦い方に褒めればいいのか笑えばいいのか、はたまた軽蔑でもすればいいのかわからなくなる。
想像していたほど危険ではないのが救いだが。
「あらま、決勝まで残っちゃったよあの子ら」
これで勝ち抜いたら負けていった人たちは納得行かないだろうと思う。
全然実力関係ないし。
終わったらお説教しなきゃなと思っていると、中澤くんが類君に駆け寄りなにかを話していた。またずるい作戦でも思い付いたのだろうか?そういう頭の回転はすごいと思うが体育祭でやるなよと言いたくなる。
「お、なんか喋ってんねー。類君驚いてるみたいだけど、次はなにを思い付いたのやら」
「あんまり褒められたことじゃないよー」
「まあまあ、一応は決勝まで来たんだし、近くで応援したげよー」
「応援する必要あるかなぁ?」
「必要なくてもするのが彼女様の仕事だよん」
うーん、正直これを応援したくないという気持ちが強いが、まあ一応は応援してあげよう。あとでお説教するけど。中澤くんは特に。
「うはー、お相手さんごっついねー」
「こっちと違って実力で上がったんだもんそりゃそうだよ」
「れんたんったら不機嫌ー。かっこいいとこは見れなかったかもしれないけど、もうちょっと応援しなよー」
かっこいいとこか、確かに少し期待してはいた。ところが現実はこれである。怒るというか拍子抜けしたというか、なんだろうこの不完全燃焼感は。
『これより決勝戦を始めます、両チームは整列してください』
決勝が始まった、さて、どんなずるいことを考えついたのだろうか?
思ってることとは裏腹に至って普通に騎馬戦を繰り広げる。
類君は小さな体を精一杯伸ばして相手のハチマキを奪おうとするが、そこは相手チームも甘くない。背丈の違いを生かし類君を往なして反撃に出る。
類君も全力で躱したり手を弾いたりして防戦する。
しかし高さが違いすぎて類君の手は相手に届かず、相手はやりたい放題奪いかかる。
想像とは違いまともな戦いを続けているのを見るとつい応援に熱が入る。
「おやおやー?さっきの宗ちんはなにを話したのかにゃー?」
「普通に戦ってるよねってあっ!危ない!」
相手の腕から逃げようと除け反り騎馬から落ちそうになり間一髪体制を整えなおした。
「なにをいったかわからないけど、こりゃ厳しそうだあね」
諦めたような言葉を出す絵里とは裏腹にいつの間にか本気で応援していた。
「がんばれー!」
応援が届いたのかたまたまタイミングが良かったのか、類君が相手のハチマキに腕を伸ばす。
そして盛り上がりが最高潮に達している中、パンッ!と高い音が鳴り響く。
そして類君の手には相手チームのハチマキが握られていた。
最後の決め手はねこだましだった。
結果は大番狂わせも大番狂わせ。類君のチームが優勝してしまった。
「おー、うまいねー。こんだけ集中してる時にねこだましなんてやられたら確かに反射的に目を閉じちゃうよねー。それでも、れんたんは卑怯だって思っちゃう?」
「ううん、これはしっかりした勝ち方だよ。かっこよかった」
類君の身長的にそれくらいしないと届かなかっただろうし、それに、最後はしっかりと戦っていた。
一礼を終えると類君がチームメイトにおもちゃにされていた。
揉みくちゃにされながらもこちらに気付くと小走りでこちらに向かって来た。
「類君勝利おめでとー、それと、さっき宗介っちになんか言われてたけどなんて言われてたん?」
少しだけ言おうかと悩んだそぶりをみせてから
「最後くらいは普通に戦って先輩達にかっこいいとこ見せようぜって言われました」
「はっはー宗ちんったら憎い演出だねー」
「結局かっこ悪い勝ち方しかできませんでしたけどね」
「いやいや、あれはかっこいいと思うよん。蓮たそもそう思うっしょ?」
「かっこ悪くなんてなかったよ!そりゃまあ決勝まではちょっとかっこ悪いっていうかずるいって思ってたけど」
「返す言葉もないです」
「けど、最後はかっこよかったよ!」
「ありがとうございます、それじゃちょっとあいつら待ってるみたいなので戻りますね」
少し照れたように笑いながらクラスの輪に戻っていった。戻った瞬間に上に放り投げられたりされていたが。
類君が最後頑張ったんだし、私もリレー頑張って勝たないと!
「次はれんたんの番だねー騎馬戦はうちのチーム負けちゃったし、リレーは頑張ってよん」
「任されたよ」
類君がかっこいいところ見せてくれたのだから私がかっこ悪いとこ見せるわけにはいかないもんね。
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