ちぐはぐ

稀人

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一章 私立八意学園

本当の戦場

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残る種目の短距離走とリレーは俺と中澤の出る種目でもあった。

中澤が何かたくらんでいるらしく最後まで先輩達には教えなかったが、忘れてない限りはさすがにもう気付いていると思う。


いや、でも蓮さんなら忘れてるかも。絵里先輩は気付いても教えなさそうだし。
まあ、それはそれでサプライズということにしておこう。


蓮さんはリレーに出ると言っていたし、多分短距離走は見てもらえるだろう。

正直なところ騎馬戦はクラス的にはともかく個人的には割とどうでもよかった(不利なのわかってるしずるいのもわかってるので)短距離走はそれなりに自信があったし、どうせなら蓮さんに少しでも格好つけたいところなので騎馬戦の練習より隠れて一人で練習していた短距離走の方に全力を尽くした。


一朝一夕で速くなったりはしないだろうけど、走り慣れてるのと久しぶりに走るのではそれなりに違いは出るだろうと思う。


中澤はリレーのアンカーに立候補してまでなにかを企んでいた。どうせロクでもないことなのは間違いない。


あとは関わらないようにするだけだ。そんなことより蓮さんの方が気になる。あの人走れるのか?すぐ転びそうだけど。
見た目的には早そうだけど中身的にはズッコケそう。


けど、転ばないでほしいな。怪我をして欲しくないし。


それにかっこいい蓮さんも見てみたい。
その前に、かっこいい早乙女類を見てもらってから。


「類ーそろそろ出番だぞー」


「オッケー今行く」


「蓮先輩まだ気付いてないみたいだな」


「ポンコツだからね、絵里先輩は気付いてそうだけど」


「絵里さんは教えないだろうな!走るときに気付いたふりして教えそう」


「すげえ目に見えるような光景」


「慌てて応援しようとして噛む蓮先輩」


「ありだね」


「絵里さんに茶化されて真っ赤になる蓮先輩」


「大いにありだ」


「最後に不貞腐れて絵里さんがご機嫌を取りにいくシーンとか」


「癒しだ」


「この戦い」


「負けられないね」


男とはアホな生き物なのである。


「ほんともぅ、類ったら本当に蓮先輩のこと好きなんだからぁ」


急にオネエ言葉になるな気持ち悪い。


けど正直な話、この一ヶ月ちょっとの時間に自分でも驚くほど蓮さんを好きになっていると思う。

そしてもっと仲良く、前に進みたいと思ってしまう。


「いじって可愛い怒って可愛い、ポンコツ可愛い自慢の彼女ですから」


「へーへー、ごっそさん」


蓮さんなら真っ赤になりながら反論しようとして失敗するんだろうなぁ。


そう考えて思わずニヤついてしまう顔を必死に抑える。


この浮ついた気持ちで蓮さんが転ぶ転ばないの前に自分が転んでしまっては意味がないので少し気持ちを引き締める。
どうせならちゃんとかっこいいとこ見せたいからね。
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