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一章 私立八意学園
アンカー
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女子生徒のリレーが始まった。
アンカーを任されるくらいなら大丈夫なのだろうが、どうしてもあの蓮さんが足が速いというビジョンが浮かばず転倒しないかどうかの方が心配だった。
こちらの心配をよそにのんびりと準備をしている蓮さんを見てさらに不安が増すのであった。
とはいえ心配をしようがしまいがこちらに出来ることは応援だけなのでどうしようもないが。
応援する前に水でも飲んでおこうとボトルに口をつけるとどこから現れたのか絵里さんがニヤニヤと出てきた。
「心配そうだねー、でも大丈夫よん。蓮はあれでなんでも出来るんだから」
嘘を付けと言いたくなってしまう。
「むむ?疑ってるなーいかんぞ若者のうちに人のことを疑うようではー」
「相手が相手ですしね」
「信頼とはなんだったのか。およよよ、おねいさんは悲しいです」
「わーいここまで日頃の行いって言葉が似合う人もなかなか見当たらないぞー」
「君は蓮以外にも結構そんな感じなんだねー。うむうむ、砕けてきたようでなによりじゃ」
最近よく言われる言葉ではある。砕けてきた、棘がなくなってきた、壁が薄くなってきた。
どうやらこの人たちの前だと警戒心が薄くなっているらしい。
それは嬉しいと素直に思う。
「僕としちゃそんなつもりはないんですけどね」
嘘だ。大有りだった。
「嘘は良くないよん。それと、『僕』かそっちが素なんだね。れんたんにも言ってないみたいだしわたしゃ理由は聞かないけど、完全に信用出来ると思ったら話しちゃってくれていいのよん?」
こんなふざけた人なのに本当によく見ていると思う。
隠し事をしても見透かされてるような、なんともいえない不安感のような感覚と、嬉しさのようなこそばゆい安心感みたいなものを感じる。
なんだろう、母性的な?
「いつか、必ず話します。蓮さんに言ってからですけどね」
「うむ、それでよいのだよ少年。っとうちの姫様の時間が来たみたいだよん」
いつの間にかリレーは始まっていて、蓮さんのクラスは3番手でアンカーの蓮さんに繋がる。
バトンを落とすこともなく綺麗なスタートを切るとグイグイと前のチームとの距離を詰めていく。
「え、はっや!?」
「だーからいったじゃーん?れんたんってば高性能なのよ?ポンコツなのはほんとだけどねー」
蓮さんのことを侮っていた。っていうか僕より速いし。
そのままどんどんと詰めていき最後の直線に入ったと同時に2位のチームを抜き去る。
直線に入ってからも加速していきゴール20m手前ではもうすぐに届くところまで追い詰めていた。
しかしそこから相手も譲らずギリギリの争いになる
「蓮さん!いけぇぇぇえ!」
気が付いた時には声をあげて叫んでいた。
そして決着。
一歩の差すらないほぼ同時のゴール。
ギリギリの戦いを制したのは相手チームだった。
やりきった顔をしながらこちらに向かってくる。
「いやー、負けちゃった。頑張ったけど追いつかなかったよ」
悔しさはなさそうだった。
「れんたんは頑張った。でもひとつ言わせてこれはクラスの総意だと思って」
「嫌な予感しかしないけど聞くよ、なに?エリー」
「この貧乳がぁぁぁあ!!」
「ひ、貧乳じゃないもん!あるもん!それに頑張ったもん!!」
「胸の差で負けた蓮には否定することはできないんだよ!!」
…そう、決着はほんとうにほぼ同時胸が相手の方が早くテープを切った。
一応蓮さんのために釈明するが、決して貧乳ではない。詳しくはわからないがCカップくらいだと思う。「正直大好きなおっぱいです。あれ?」
思わず本音が口からこぼれてしまった。
「類君、そういう目で見てたんだ?」
「えっと。はい」
見るだろ!僕だって男の子だよ!?好きな人のおっぱいに色目使ってなにが悪い!とは、いうことができなかった。
「類君は小さい方が好き?」
おっと、これはずるい質問だ。大きくも小さくもない蓮さんにはどちらを言ってもマイナス効果、ということは正解はこうである。セクハラだと思うけど。
「どちらでもいいです。蓮さんのおっぱいが好きです」
告白して、シリアスなシーン作って飛び出す言葉がこれだった。
素直に怒られよう。
アンカーを任されるくらいなら大丈夫なのだろうが、どうしてもあの蓮さんが足が速いというビジョンが浮かばず転倒しないかどうかの方が心配だった。
こちらの心配をよそにのんびりと準備をしている蓮さんを見てさらに不安が増すのであった。
とはいえ心配をしようがしまいがこちらに出来ることは応援だけなのでどうしようもないが。
応援する前に水でも飲んでおこうとボトルに口をつけるとどこから現れたのか絵里さんがニヤニヤと出てきた。
「心配そうだねー、でも大丈夫よん。蓮はあれでなんでも出来るんだから」
嘘を付けと言いたくなってしまう。
「むむ?疑ってるなーいかんぞ若者のうちに人のことを疑うようではー」
「相手が相手ですしね」
「信頼とはなんだったのか。およよよ、おねいさんは悲しいです」
「わーいここまで日頃の行いって言葉が似合う人もなかなか見当たらないぞー」
「君は蓮以外にも結構そんな感じなんだねー。うむうむ、砕けてきたようでなによりじゃ」
最近よく言われる言葉ではある。砕けてきた、棘がなくなってきた、壁が薄くなってきた。
どうやらこの人たちの前だと警戒心が薄くなっているらしい。
それは嬉しいと素直に思う。
「僕としちゃそんなつもりはないんですけどね」
嘘だ。大有りだった。
「嘘は良くないよん。それと、『僕』かそっちが素なんだね。れんたんにも言ってないみたいだしわたしゃ理由は聞かないけど、完全に信用出来ると思ったら話しちゃってくれていいのよん?」
こんなふざけた人なのに本当によく見ていると思う。
隠し事をしても見透かされてるような、なんともいえない不安感のような感覚と、嬉しさのようなこそばゆい安心感みたいなものを感じる。
なんだろう、母性的な?
「いつか、必ず話します。蓮さんに言ってからですけどね」
「うむ、それでよいのだよ少年。っとうちの姫様の時間が来たみたいだよん」
いつの間にかリレーは始まっていて、蓮さんのクラスは3番手でアンカーの蓮さんに繋がる。
バトンを落とすこともなく綺麗なスタートを切るとグイグイと前のチームとの距離を詰めていく。
「え、はっや!?」
「だーからいったじゃーん?れんたんってば高性能なのよ?ポンコツなのはほんとだけどねー」
蓮さんのことを侮っていた。っていうか僕より速いし。
そのままどんどんと詰めていき最後の直線に入ったと同時に2位のチームを抜き去る。
直線に入ってからも加速していきゴール20m手前ではもうすぐに届くところまで追い詰めていた。
しかしそこから相手も譲らずギリギリの争いになる
「蓮さん!いけぇぇぇえ!」
気が付いた時には声をあげて叫んでいた。
そして決着。
一歩の差すらないほぼ同時のゴール。
ギリギリの戦いを制したのは相手チームだった。
やりきった顔をしながらこちらに向かってくる。
「いやー、負けちゃった。頑張ったけど追いつかなかったよ」
悔しさはなさそうだった。
「れんたんは頑張った。でもひとつ言わせてこれはクラスの総意だと思って」
「嫌な予感しかしないけど聞くよ、なに?エリー」
「この貧乳がぁぁぁあ!!」
「ひ、貧乳じゃないもん!あるもん!それに頑張ったもん!!」
「胸の差で負けた蓮には否定することはできないんだよ!!」
…そう、決着はほんとうにほぼ同時胸が相手の方が早くテープを切った。
一応蓮さんのために釈明するが、決して貧乳ではない。詳しくはわからないがCカップくらいだと思う。「正直大好きなおっぱいです。あれ?」
思わず本音が口からこぼれてしまった。
「類君、そういう目で見てたんだ?」
「えっと。はい」
見るだろ!僕だって男の子だよ!?好きな人のおっぱいに色目使ってなにが悪い!とは、いうことができなかった。
「類君は小さい方が好き?」
おっと、これはずるい質問だ。大きくも小さくもない蓮さんにはどちらを言ってもマイナス効果、ということは正解はこうである。セクハラだと思うけど。
「どちらでもいいです。蓮さんのおっぱいが好きです」
告白して、シリアスなシーン作って飛び出す言葉がこれだった。
素直に怒られよう。
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