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一章 私立八意学園
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この街に来る前の僕は中学生だったこともあり、あまり恋愛の機微だとか見た目が女の子と間違われるだとか気にしていなかった。
それが良くなかったのか、クラスでも幅を利かせているギャルもどき(中学生でギャルにはどうやってもなれないのでもどきである)の女生徒の彼氏が僕に一目惚れをしたらしい。
正直迷惑な話でしかないし、知ったことじゃないんだけど、その女生徒は僕を逆恨みし始めた。
初めの頃は小さないじめ。机に落書きだとかその程度。だんだんとエスカレートしていきものが隠されるようになって、机を外に投げられていたりした。
腹が立ったり悲しくなったりと当然面白いものではなかったが、所詮は精神的なものでなんとでもなっていた。
最後の方になって同じクラスの不良もどき(所詮は中学生なのでもどき)に蹴りを入れられたり殴られたりし始め、どんどんと辛くなっていって不登校にまで追い詰められた。
親に相談しようにも、その当時は親が忙しくあまり顔を合わせられなかったのと親に頼るのは恥ずかしいという思春期ならではの思考で相談も出来ず、心配をかけないように学校に行くふりをして公園で時間を潰したり街をふらついていた。
教師に頼ったこともあったが全く意味を成さなかったからだ。いじめはない、ただのじゃれ合いの延長。
ようするにスキャンダルってやつを出したくなかったらしい。
そんな折、たまたま学校をサボっていた例のギャルもどきに見つかってしまった。
学校外なのをいいことに仲間を集めて街の路地裏に連れ込まれ、囲まれた。
そして言われたことがこれだ。
「やっと見つけたー!いやぁ探したじゃん?がっこにも来ねーしさ?てか被害者ぶってっけど!お前が僕とかナヨナヨしてる言葉つかっから男が勘違いすんだよ!あたしの方が被害者だっての!」
そんな状況なのに本当の馬鹿ってこういうやつなんだなとか、僕がなんて自分を呼ぼうが勝手だろとか変に冷静だったのを覚えている。
「でさぁ、あたしってば考えたわけ?どうしたら一番辛いかって。そこでさぁ、あはっ、あんたそんな見た目なんだし、男辞めてもらおっかなって思ったわけ。あたし天才ぢゃね!?」
心配をしなくても馬鹿だから安心しろ。
「ってわけでぇ、こんな人達に来てもらいました!連れて来てー」
会話を聞かせないようにしたのか、少し離れたところに停めてあった車の中から大人の男が3人現れた。
「へえ、ほんと可愛い子じゃん。ほんと、やっちゃっていいの?」
「おっけおっけ!こいつも興味あるみたいだしぃ?あ、最初はそれっぽく嫌がるように言っておいたから!」
「そっかそっか!そんじゃちょっと車行こうかー?」
この時点でなんとなく察してもらえると思うけど、お察しの通り、俗に言うホモビデオの男優だった。
上手く言いくるめたのか、そもそもどこからそんな繋がりがあったか知らないけど、僕は勝手に売り払われたらしい。
もちろん全力で抵抗したが見栄えを良くするためなのか鍛えられた大人には敵うわけもなく、車に押し込まれそうになり、全力で声を上げて叫んでも誰も助けてはくれなかった。
「ちょっとちょっと!いくら演技でも声あげんのはマズイって!」
そういうと猿轡代わりのタオルを口に巻かれ車に放り込まれる。
この人達にとっては仕事で、騙されてるだけなんだろうが僕としてはたまったものではない。なんとか逃げようと身をよじるもすぐに抑えられ車は発進してしまった。
僕はどうやら強姦される男子生徒という体のビデオに出演する男子生徒を演じているように見られているらしく車内では演技うめえなとか良い撮れ高だとか言って笑っていた。
本気で抵抗してもあちらからは演技だと思われるらしい。恐怖で涙が溢れるが
「あ、今ビデオ回ってないから演技しなくていいよー」
などと筋違いなことが返ってくるだけだった。
半分諦めかけていると廃工場に車は止まった。
そこからは縛られてるシーンからの撮影らしく縛られてマットの上に転がされた。
「んじゃ猿轡外すよー」
あくまで演技だと思っているせいか緩い口調のまま猿轡を外される。
「本気でやめてください!僕はこんなのに出たくない!あの馬鹿女に騙されてるんです!」
「んー、まあぶっちゃけると、どっちでもいいんだわ。俺ら仕事だしね。いっつも汚いおっさんだのとしかヤラないし君みたいな可愛い男の子ってレアなんだわ。結構売り上げ行くと思うし、残念だけど諦めてね」
そう言われて絶望した。そりゃ仕事なんだろうけど、犯罪行為を躊躇いなくやるこの人達に恐怖を覚えた。
なんとか逃げようと足掻いて叫ぶが押さえつけられ服を破り捨てられる。
そして、撮影が始まった。
自分よりも体格のいい男達に囲まれ、体を舐め回されたり弄られたりする。
体全身に鳥肌が立ちひたすらに嫌悪感が体中に広がる。
気持ちの悪さがピークに達した頃、男達が自分の服を脱ぎ始めた。
ああ、これで僕は社会的に終わる。これが明るみに出ようが出まいが出演したという事実は変わらない。
「そこまでだ!動くんじゃない!」
この時、路地裏で叫んでいたのと工場で叫んでいたのが功を奏し、ギリギリのタイミングで警察が見つけてくれなかったらと今でも恐怖を覚える。
「全員そのまま動くなよ、お前らを傷害罪と未成年売春の罪で現行犯逮捕する!」
もしも完全に諦めてここで叫んでいなかったら発見が遅れ間に合わなかったかもしれないと警察官の人に言われた。
安心しきってしまったのかそこからの記憶はあやふやだが、後で聞いた話によると男優達は騙されたという事実があるものの実際に行動を起こしたという理由で懲役3年、ギャルもどきは未成年ということもあり実刑はないものの更生施設に入れられたらしい。
その後僕は人に対する不信感が拭えず不登校のまま中学校生活を終え、気を使った両親がこちらに転勤出来るよう手続きをしてくれて、逃げるように引っ越した。
「それからは蓮さんの知ってる通りですね」
それが良くなかったのか、クラスでも幅を利かせているギャルもどき(中学生でギャルにはどうやってもなれないのでもどきである)の女生徒の彼氏が僕に一目惚れをしたらしい。
正直迷惑な話でしかないし、知ったことじゃないんだけど、その女生徒は僕を逆恨みし始めた。
初めの頃は小さないじめ。机に落書きだとかその程度。だんだんとエスカレートしていきものが隠されるようになって、机を外に投げられていたりした。
腹が立ったり悲しくなったりと当然面白いものではなかったが、所詮は精神的なものでなんとでもなっていた。
最後の方になって同じクラスの不良もどき(所詮は中学生なのでもどき)に蹴りを入れられたり殴られたりし始め、どんどんと辛くなっていって不登校にまで追い詰められた。
親に相談しようにも、その当時は親が忙しくあまり顔を合わせられなかったのと親に頼るのは恥ずかしいという思春期ならではの思考で相談も出来ず、心配をかけないように学校に行くふりをして公園で時間を潰したり街をふらついていた。
教師に頼ったこともあったが全く意味を成さなかったからだ。いじめはない、ただのじゃれ合いの延長。
ようするにスキャンダルってやつを出したくなかったらしい。
そんな折、たまたま学校をサボっていた例のギャルもどきに見つかってしまった。
学校外なのをいいことに仲間を集めて街の路地裏に連れ込まれ、囲まれた。
そして言われたことがこれだ。
「やっと見つけたー!いやぁ探したじゃん?がっこにも来ねーしさ?てか被害者ぶってっけど!お前が僕とかナヨナヨしてる言葉つかっから男が勘違いすんだよ!あたしの方が被害者だっての!」
そんな状況なのに本当の馬鹿ってこういうやつなんだなとか、僕がなんて自分を呼ぼうが勝手だろとか変に冷静だったのを覚えている。
「でさぁ、あたしってば考えたわけ?どうしたら一番辛いかって。そこでさぁ、あはっ、あんたそんな見た目なんだし、男辞めてもらおっかなって思ったわけ。あたし天才ぢゃね!?」
心配をしなくても馬鹿だから安心しろ。
「ってわけでぇ、こんな人達に来てもらいました!連れて来てー」
会話を聞かせないようにしたのか、少し離れたところに停めてあった車の中から大人の男が3人現れた。
「へえ、ほんと可愛い子じゃん。ほんと、やっちゃっていいの?」
「おっけおっけ!こいつも興味あるみたいだしぃ?あ、最初はそれっぽく嫌がるように言っておいたから!」
「そっかそっか!そんじゃちょっと車行こうかー?」
この時点でなんとなく察してもらえると思うけど、お察しの通り、俗に言うホモビデオの男優だった。
上手く言いくるめたのか、そもそもどこからそんな繋がりがあったか知らないけど、僕は勝手に売り払われたらしい。
もちろん全力で抵抗したが見栄えを良くするためなのか鍛えられた大人には敵うわけもなく、車に押し込まれそうになり、全力で声を上げて叫んでも誰も助けてはくれなかった。
「ちょっとちょっと!いくら演技でも声あげんのはマズイって!」
そういうと猿轡代わりのタオルを口に巻かれ車に放り込まれる。
この人達にとっては仕事で、騙されてるだけなんだろうが僕としてはたまったものではない。なんとか逃げようと身をよじるもすぐに抑えられ車は発進してしまった。
僕はどうやら強姦される男子生徒という体のビデオに出演する男子生徒を演じているように見られているらしく車内では演技うめえなとか良い撮れ高だとか言って笑っていた。
本気で抵抗してもあちらからは演技だと思われるらしい。恐怖で涙が溢れるが
「あ、今ビデオ回ってないから演技しなくていいよー」
などと筋違いなことが返ってくるだけだった。
半分諦めかけていると廃工場に車は止まった。
そこからは縛られてるシーンからの撮影らしく縛られてマットの上に転がされた。
「んじゃ猿轡外すよー」
あくまで演技だと思っているせいか緩い口調のまま猿轡を外される。
「本気でやめてください!僕はこんなのに出たくない!あの馬鹿女に騙されてるんです!」
「んー、まあぶっちゃけると、どっちでもいいんだわ。俺ら仕事だしね。いっつも汚いおっさんだのとしかヤラないし君みたいな可愛い男の子ってレアなんだわ。結構売り上げ行くと思うし、残念だけど諦めてね」
そう言われて絶望した。そりゃ仕事なんだろうけど、犯罪行為を躊躇いなくやるこの人達に恐怖を覚えた。
なんとか逃げようと足掻いて叫ぶが押さえつけられ服を破り捨てられる。
そして、撮影が始まった。
自分よりも体格のいい男達に囲まれ、体を舐め回されたり弄られたりする。
体全身に鳥肌が立ちひたすらに嫌悪感が体中に広がる。
気持ちの悪さがピークに達した頃、男達が自分の服を脱ぎ始めた。
ああ、これで僕は社会的に終わる。これが明るみに出ようが出まいが出演したという事実は変わらない。
「そこまでだ!動くんじゃない!」
この時、路地裏で叫んでいたのと工場で叫んでいたのが功を奏し、ギリギリのタイミングで警察が見つけてくれなかったらと今でも恐怖を覚える。
「全員そのまま動くなよ、お前らを傷害罪と未成年売春の罪で現行犯逮捕する!」
もしも完全に諦めてここで叫んでいなかったら発見が遅れ間に合わなかったかもしれないと警察官の人に言われた。
安心しきってしまったのかそこからの記憶はあやふやだが、後で聞いた話によると男優達は騙されたという事実があるものの実際に行動を起こしたという理由で懲役3年、ギャルもどきは未成年ということもあり実刑はないものの更生施設に入れられたらしい。
その後僕は人に対する不信感が拭えず不登校のまま中学校生活を終え、気を使った両親がこちらに転勤出来るよう手続きをしてくれて、逃げるように引っ越した。
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