ちぐはぐ

稀人

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一章 私立八意学園

日常

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蓮さんたちに打ち明けてから2日経って今日は日曜日だった。(ちなみにあの後しっかりお説教された。柔らかいんだもん仕方ない)

日曜だというのに僕は朝から人を待っていた。

「お、類君早いねぇ。おねいさんが一番かと思ってたんだけどなー」


「おはようございます絵里さん、中澤もまだです」


とはいえまだ予定の20分前だから来なくても普通ではある。


「ふーむ、宗ちんはわかるけどれんたんなら早く来てそうなもんだけどねえ」


それから適当に話していると5分前くらいになったところで中澤が現れた


「ういーす、蓮先輩まだなのな」

「ういーす。なんで遅れてるかジュースでも賭けようぜ」

「私は服を選んだけど女の子女の子してて恥ずかしくなって選び直してるに賭けるよん。ちなみに結局決まらなくて最初に着てた服で来ると思う」


凄く限定的だ。


「んじゃあ俺は緊張しすぎて眠れなくて寝坊したに賭けるわ」


「んー、じゃあ道行く老人を助けてたら遅くなったに賭けようかな」


我ながら不利なところにかけたと思うが蓮さんならありえる。

待ち合わせ時間から5分ほど経ってバタバタと蓮さんが合流した。


「ご、ごめん遅くなった」


「遅いよれんたんー。なにしてたのさ?」


お、賭けの正解を引き出す上手い質問方法だ。


「いや、それがその、服を選んでて…どれがいいかわからなくなっちゃって…」


「んで結局最初に着てた服で来た感じ?」


「う、うん。おかしくないかな?」

「可愛いから大丈夫よん。ね、類君」

「ええ。似合ってます」

というわけで絵里さんが大正解だった。この人本当に凄いな、予知能力でもあるんじゃないか?


「さ、それじゃ最初は喫茶店でもいこっかー、二人ともわかってるよね?」


「「はい。わかっております」」


「??なにかあったの?」


「喫茶店代は優しくてかっこいい男の子たちが奢ってくれるって話しよん」


これはずるい。そんな言い方されては断れないじゃないか、この人絶対ロクな死に方しないと思う。


というわけで、人生初のデートは人生初のダブルデートとなった。

なんでも、「類君が心を開いた記念」らしい。正直にいうと蓮さんと二人で来たかったがそう言われては断れない。

なんだかんだこの四人が学校以外で遊ぶのも初だったので色々と初体験だ。


「それじゃそこの喫茶店入りましょうか」

「はーい」


日曜らしくそれなりに混んではいたが座れないというほどでもなくスムーズに席に案内され、とりあえず飲み物を注文する。


「私はアイスミルクティーで」


「んーそれじゃカフェモカー」


「俺はアメリカンコーヒーで、ミルクと砂糖はなしのホットで」


「僕はアールグレイをアイスで」


喫茶店なので一杯300円ほどする。これにデザートでもつけると男子高校生にはなかなか手痛い出費だった。


まあ、蓮さんも絵里さんも美味しそうに食べていたので良しとしよう。


「ところでさ、類、お前に言いたいことがあるんだ」


「なに?」


「蓮さんも絵里さんも名前呼びなのになんで俺だけ苗字?」


「呼びやすいから」

「そんな理由やだやだー!俺だけ仲間はずれみたいじゃん!」


やだやだーってガキかこいつ。とはいえ今更名前呼びとかなんか、こう、恥ずかしい?


「中澤だし」


「男の方が名前で呼びやすいだろー!」


「まあ宗ちんだけ名前じゃないってのもねー」


「んー、でも中澤くんはなぁ」


「中澤ですもんね」


「蓮さんはまだわかるんだよ!でもお前親友じゃん!?名前で呼べよ!」


「いつから親友になった」


「出会った時から親友だろ!」
 
「え?あの告白して来た時から?」


「それは忘れてくれ…。えー、いいじゃんかよー名前呼びくらい」

「あーはいはい、わかったわかった」


「お、じゃあ呼んでみ呼んでみ」


なんでここまで嬉しそうな反応なんだ。ってか意識して呼ぼうとするとなんか気恥ずかしいんだけど。

「えーっと、宗介……でいい?」


「れんたんれんたん、なんか背景にバラの絵を描きたくなるね!」


「エリー…そっちには行ったらダメだよ…気持ちはわかるけど」


「外野うるさいですよ!」


ホモは嫌いなんだって。


「まあなんかまだ硬いけどそのうち慣れるか、それじゃ食べたし飲んだし予定通り行きますか!」


予定通りということで、四人で喫茶店を出て電車に乗り込み隣町の遊園地へ向かう。


絶対蓮さんをお化け屋敷に連行すると心に決めながら移動するのであった。
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