【本編完結】私のツガイが「他の男にも抱かれろ」と言って来るので戸惑ってます(後日談投稿しました)

天狼本舗

文字の大きさ
14 / 28
異世界

14. イルザ(テローク郊外)

しおりを挟む
オウガに腰を抱かれながら連れて行かれたのは、テロークの街の西のはずれ。
色々な種類の花がたくさん咲いている敷地の中に、大きな3階建ての一軒家建っていて、そこがオウガの“師匠“の家だった。

重い木戸を開けて広いエントランスを抜けて奥に進み、広いダイニングスペースへと導かれる。
その部屋には大きなダイニングテーブルとソファがあり、そのソファに、生粋のオーク男性とその膝に抱かれたヒト族女性が座っていた。

「師匠」

「オウガ、遅かったわね」

オウガの『師匠』と言う呼びかけに応じたのは、驚いたことに男性ではなく、非常にグラマスなボディをお持ちの女性の方だった。
え、魔術師の師匠って言うから、白いお髭のおじいちゃんを勝手に想像してたわ。・・・って、えっ、まさか

「・・・オウガに魔力調整の手解きをしたのって、師匠?・・・」

思わずつぶやいていたみたいで、私の言葉にふたりが敏感に反応する。

「げっ。違うから」

「あはは、止めてよ。くくく、笑える・・・。オウガ、説明してないの?」

「ぐぅっ。・・・してなかった。・・・リサ! この人たちは、オレの父方の祖父の祖父母だから」

「・・・は?」

「なんて言うんだっけ?高祖父母? ひいジイちゃんの両親、って言ったら分かる?」

「・・・え? でも、どう見てもふたりとも、私たちとそれほど年が変わらないように見えるけど?」

「あぁ、それはあのふたり、幻術魔法を使って見た目を詐称してる上に、筋肉強化魔法を使って身体を強化してるからね」

「・・・ってことは、オウガの目にはあのふたりは年相応に見えてるの?」

「リサ・・・。想像してみて? あのふたりの、年相応の130歳ぐらいの姿を・・・」

ふたりとも、例によって露出度多めの服装で。師匠はオーク男性の膝に抱かれながら、腕や脚をすりすりと撫でられてる。師匠も師匠で、男性の胸に頬を擦り寄せている。それを130歳の姿で・・・

「・・・ちょっと、・・・露出度がアレだけど。でもまぁ、仲が良いのは、良いことよね」

「良いけどね。でもオレもそんなの見たくはないから、幻惑魔法を解除しない状態で見てるよ。だから、見えてる姿はリサと同じ」


「ちょっと、散々待たせた挙句に、ふたりでこそこそといつまで喋ってんのよ。とにかくそこに、座りなさい」

師匠に怒られて、指定されたソファにふたりで並んで座る。

「はぁ。ところで・・・、初めまして、リサ。話はオウガから聞いてるわ。私はオウガの師匠のイルザよ」

「は、初めまして。私はリサです。オウガには、何から何までお世話になってます」

イルザは、握手の手を差し出さなかった。同性同士では、握手しないのかな?

「ツガイなんだから、そんなの気にしなくて良いのよ。で、こっちは私のパートナーのロッカ」

「初めまして」

「初めまして」

ロッカは手を差し出して来たので、握手する。でも、親指で肌を撫でられたので慌てて手を引く。
緊張しながらロッカの顔を見上げると、ちょっぴり残念そうな顔をした後に微笑んだ。
いや、あなた130歳なんですよね? ・・・なの??

戸惑いつつイルザの顔を伺うと、彼女は遠くを見るような目で私の身体を視ていた。多分、スキャンされてる。

「・・・なるほど、魂はしっかり定着してるみたいね。魔力量が、まだ一人前にも満たされてないけど」

「うん、彼女はだからね」

「でも、、簡単に容量を上げられるわよね?」

「それは、リサの意思次第だと思ってる」

「そう・・・」

私を抜きにして、私についてのなんだか重要なことが語られているみたいなのに、何を話しているのかさっぱり分からない。


「ところでオウガ。あなたこのコの魂を交換する為に、異世界の幾つものタイムラインにサーチをかけたって言ってたわよね」

「うん」

「まぁ、なんともトンデモナイことをやらかすわね、あなたも。でも、そのことは人に言わない方が良いわよ? やり方を教えてくれって頼まれたら面倒でしょ?」

「そうだね。まずツガイの魂じゃないと視えないし、割と行き当たりばったりの呪文を重ねて一発勝負で成し遂げたから、同じことをもう一回して、って例えリサから頼まれたとしても、オレだってもう2度と出来ないだろうね」

「でね、話は、その“異世界のタイムラインを視る魔力の目“のことなのよ。そんなの私だって視たことないのよ」

「へぇ、そうなの?」

「あなた、この前、ゴーストを封印した魔石を送って来たでしょ? あれと同じゴーストが、大陸のあちこちに出現してるって」

「うん、ファルエストのギルドで、原因は“封印の地“なんじゃないかってそこに居た奴らと話した」

「そう、その“封印の地“にね、何度か各地のギルドから調査が入ったんだけど、封印が壊れてて」

「やっぱりか」

「だけど再封印の仕方が分からなくて。・・・オウガのその特殊な“魔力の目“で視たら、何か分かるかもしれないなって思ったのよ」

「なるほど」

「テロークのギルドからも何人かで調査に行くことになったから、オウガも一緒に行って調査して来てくれる? 今すぐ出発よ?
あ、リサちゃんはここで私たちとお留守番ね。“封印の地“は、あなたには危険だから」

「え?」

「・・・分かった」

戸惑う私をよそに、どんどん話が進む。アセってオウガの顔を見ると、

「やっぱり、バタバタしてゆっくり出来なかったな。じゃぁ、サクッと調査してくるよ。まずはギルドだね。
・・・リサ、覚えてるよね? “リサがどうしたいか“が一番大事だって。オレはいつだって、リサの意思を尊重してるからね」

そう言って私を強く抱き寄せ、深くキスしてくる。

「・・・はぁ。リサを抱いてから出発しても良い?」

「バカ言ってないで、とっとと行きな!」

イルザに叱り飛ばされて、仕方なくオウガが立ち上がる。すがるようにオウガのシャツを掴んでいた私の手をそっと放すと、そのまま指に口付けを落として

「じゃぁ、行ってくるから、この家で待っててね」

そう言って、出かけて行ってしまった。


「さて、・・・リサ?」

名残惜しげにオウガの背を見送っていた私に、不意にイルザが声を掛けてきたのでビクッとしてしまう。

「ふふ。取って食いやしないから、そう緊張しないで」

そう言って彼女が指を振ると、テーブルの上にティーセットが出てきた。

「お茶でも頂きながら、ゆっくり話しましょ?」




この世界に来てから飲んだのはコーヒーばかりだったので、これは初めての紅茶だ。
紅茶のことは詳しくないけど、多分ダージリン?の味に近いんじゃなかと思う。結構美味しい。
お皿の上に盛られているのは、クッキーやフィナンシェ。これもいろんな味があって、美味しいし飽きない。

そんなふうに紅茶とお菓子を楽しみながらイルザと話したのは、魔法のこと。
イルザは、私が今の魔力保有量でどれだけの魔法が使えるのかを知りたがった。

「今、私が使えるのは・・・、“鑑定“、“浄化”、“簡易結界”、“水を出す“、“排泄物浄化“、“気配隠し“」

言いながらやって見せていたら、そこまで来たところで軽い目まいを覚えた。

「後は“回復“が少し・・・」

「良いわ、“回復“は発動しなくて。やったら倒れちゃうでしょ?」

「はい・・・」

イルザには、私の魔力の減少が視えているみたいだ。

「ちょっと舌を出して?」

「? はい」

言われて素直に舌を出すと、そこにイルザが人差し指を乗せた。えっ?

「噛まないでよ? 今から魔力量をちょっぴり回復する魔法を流すから」

そう言い終わった途端に、舌にじんわりとした熱が拡がる。すぐに目まいの症状が消えた。

「簡易的に少し魔力量を足してあげた状態だから。楽にはなったと思うけど、全回復はしてないの。この後新しい魔法をいくつか教えてあげるけど、発動はしないでね」

そう言って、イルザは新たに“防御”と”結界“、“膣内浄化(排泄物浄化の応用だった)“、“足止め”、“拘束”の魔法を教えてくれた。
一体何をさせるつもりなのか。

「うん、良いわね。・・・ところで。オークとのセックスでは、一度で人間2人分の魔力容量が増えるって知ってる?」

「は?」


いきなりの話題転換とその内容に、イヤな予感がして背中に冷たい汗が流れた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫が運命の番と出会いました

重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。 だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。 しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

結婚5年目のお飾り妻は、空のかなたに消えることにした

三崎こはく
恋愛
ラフィーナはカールトン家のお飾り妻だ。 書類上の夫であるジャンからは大量の仕事を押しつけられ、ジャンの愛人であるリリアからは見下され、つらい毎日を送っていた。 ある日、ラフィーナは森の中で傷ついたドラゴンの子どもを拾った。 屋敷に連れ帰って介抱すると、驚いたことにドラゴンは人の言葉をしゃべった。『俺の名前はギドだ!』 ギドとの出会いにより、ラフィーナの生活は少しずつ変わっていく―― ※他サイトにも掲載 ※女性向けHOT1位感謝!7/25完結しました!

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...