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異世界
20. アーク(フォンテの街)
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ディンファに案内されて辿り着いたのは、街の中心近くにある、白い壁が眩しい3階建ての家の前だった。
ディンファがその扉をノックすると、程なくして白いローブを羽織った男性が出てきた。あ、知ってる。このローブは、“治療師“の徴。
「ディンファ。こちらの人たちは?」
「ドット、彼女は私たちの幼馴染のリーザ。で、彼はリーザのツガイで魔力調整師のオウガ」
「「初めまして」」
「初めまして。私は治療師のドットです。魔力調整師か。ありがたい。とりあえず中に入ってアークの様子を見てもらえるかな」
ドットが扉を大きく開いて中へと招き入れてくれる。
「あ、私は子供たちの面倒を見なきゃいけないから、これで。リーザ、オウガ。アークを頼むわね」
そう言って、ディンファは急いで元来た道を戻って行った。
「アークは困ったことに、きちんと閨指導を受けないままに、同年代の経験値の低い女の子たちとセックスを重ねていたそうです。ですがほとんど魔力融合らしい反応が得られないせいで、次第に誰にも相手にされなくなって。最近は自分で調整していたそうですが、それも充分ではなかったようで・・・」
そう言いながらドットが案内してくれた2階の部屋に入ると、ベッドの上にひどくやつれた顔の男性が横たわっていた。目の下のクマが凄い。
じっと観察していると、ドットの声に目を覚したのか、その“アーク“がゆっくりと目を開けてこちらを見た。
「・・・リーザ?」
「・・・・明希??」
記憶の中にある“明希“は、線が細くて全体的に色素の薄い、ほわんとした雰囲気の“高校生の明希“だった。けど、目の前に居るのは、肩幅が広く、やつれているとは言え筋肉もそれなりに付いた、大人の“明希“・・・。ただし、髪の色は銀色で、瞳はエメラルドだけど。
「・・・アキって、リサの“最初の男“の?」
「・・・うん」
元の世界で関係が深かった人とは、ここでも出逢う運命なのかもしれない。
・・・そう言えば、幼馴染だと言っていたディンファも、仲の良かった“美帆”にどこか雰囲気が似ていたような気がする。
「分かりました。オレたちで、なんとか対応してみます」
「良かった、お願いします。終わったら声をかけてください。あと、必要なものがありましたら・・・」
オウガとドットが、何やら相談を始める。
私はアークのそばに近寄った。
「リーザ・・・、帰って来てくれたんだね」
「明希・・・、こんなにやつれちゃって・・・」
「? 僕は“アーク“だよ? 忘れちゃったの?」
「・・・ごめんなさい。私、旅の途中で重い病気にかかって。・・・でも、ツガイで魔力調整師でもあるオウガに出会えて病気は治ったんだけど、昔の記憶が曖昧なの。病気のせいで、ほとんど忘れちゃったの・・・」
「そうだったんだ。大変だったね」
アークが、私の手を握ってくれる。
「明・・・、アークも・・・」
アークの大きな手は、痩せて、すっかり骨張っていた。
そのアークが、ゆっくりと状態を起こす。慌てて、背中にクッションを添えてあげる。と、いきなり引き寄せられて、抱きしめられた。
「あ、アーク?」
「リーザ、・・・抱きたい。抱かせて」
そう言って私の首に熱い吐息を漏らし、手で私のお尻を揉み始める。
「オ、オウガ!」
焦ってオウガに助けを求めると、いつの間にか冷静にコトの成り行きを観察していたらしいオウガから、再びトンデモ発言が飛び出した。
「うーん、これは、相当拗らせてるね。うん、リサが調整してあげて? オレに、いつもしてくれるように。出来るよね?」
えっ・・・、と絶句していると、そんな私に頭を下げてドットが部屋から出ていってしまった。
「無理だよ。あれはオウガが相手だから出来るんだよ?」
「大丈夫。無理そうだったら、オレが随時サポートしてあげるから」
「サポートって・・・」
涙声になる私をよそに、オウガは既に調整師の目でアークの魔力を診断し始めている。
「リサ。これは治療だよ。オレには出来ない、キミじゃなきゃ出来ない治療だ。・・・大丈夫。気負わなくて良い。リサは、快楽だけを追えば良い」
アークの手に直に私の胸を揉まれ、慌ててアークの方を見ると、既に私たちは“脱衣“で裸になっていた。
「ア、アーク」
非難しようと開けた口にアークが口付けて来て、そのまま舌をねじ込まれる。
「リサ。そのままアークに抱かれていて? アークのやり方を確認したい」
淡々とそう言うと、オウガは私の首からIDカードを外すしてポーチに仕舞い、少し離れたソファへと腰をかけた。
ベッドに倒され、アークにキスされる。右手が、私の胸を揉みしだく。左手の指が性急に蜜壺の中へと差し込まれ、掻き回し始める。
「う、・・・あ、アーク」
そしてすぐに、アークの熱杭がねじ込まれた。
「あ、やぁっ! 痛いっ!」
まだ濡れ足りなくて、思わず悲鳴を上げてしまう。
「ごめん、リーザ。・・・あぁっ、リーザ」
ナカを守るために、生理的防御反応で蜜が急激に分泌され始める。そのことに勢いづいて、アークは腰を振り始めた。
「や! やあっ!」
悲鳴を上げても、それが更にアークを煽ってしまったようで更に抽挿の激しさが増し・・・。
呆気なく、アークが果てた。
エメラルドの光が、私の中でブワッと膨らみ、パチンとハジけて霧散する。
それでもなお抱き足りない様子で、アークは私を抱き起こすと、対面座位の体勢にして再び腰を揺すり上げ始める。
「くうっ、リーザ、熱くて、柔らかくて、凄くイイっ」
そう言いながら、キスしようと口を寄せてくる。思わず拒否するように顔を背けると、ソファに座って親指で顎をさすりながらアークを視ているオウガが目に入る。
思わず、ぶわっと涙が溢れる。
「いや、ぁっ、助けて、オウガっ」
揺すられながらオウガに助けを求めて手を伸ばすと、ハッと我に返ったような顔でオウガが私を見つめた。
「リサ、アークに“拘束”を」
こうそく?? 拘、束・・・?
少し冷静になった頭でオウガの言葉を理解すると、右手で呪文を展開してアークに“拘束“魔法をかける。
体勢が悪かったのか、私の経験不足からか、アークは私を抱きしめた形で“拘束“された。これで手足は動かせない。
「あ、はっ。なに? リーザ。こう言う、プレイ?」
それでも自由に動かせる舌を私の首に這わせ、腰を小さく揺らしながら嬉しそうにアークが言う。
「リサには今度、“動作停止“魔法を教えてあげるね」
苦笑いしながらそばまで近寄ってきたオウガが、いきなりアークの顔を右手で覆う。
「ホントは使いたくないんだけど」
オウガはため息を付きながら「リーザに“隷属“」と言うと、アークと私に魔力の光を巻きつけるように“隷属“魔法を展開した。
途端に、アークの動きがピタリと止まる。
「リサ。初めて循環調整を発動出来た時のこと、覚えてる?」
「ん? ・・・なんとなく?」
「あの時みたいに、アークに、リサのやって欲しいことを細かく伝えるんだ。例えば“優しく、抱きしめて、キスして“、みたいに」
あの時のことを思い出し、ぼっと顔が赤くなる。
あれを、アークに対して行え、と・・・。
「今はとにかく、リサの快感が高まることを、アークに要求するんだ」
「う・・・、やってみる」
私が頷くと、オウガはにっこり笑いながら私にキスし、そして舌を絡めてきた。
媚薬を含めていたのか、途端に下腹部がキュンとして、ナカに入っていたアークを締め付ける。・・・あ、存在を忘れてた。
アークの身体が、ふるりと震えた。
オウガは私の蕩けた目を見つめながら最後にぺろりと私の唇を舐めると、再びソファに戻ってアークの魔力の状態確認を再開した。
私は覚悟を決めて、自分の快感と向き合うことにする。
まずはアークにかけていた“拘束”を解除して。
「アーク。ゆっくりと、小さく腰を揺らして」
「うん・・・」
「私の胸を、そっと撫でて。・・・そっと、よ?」
「うん・・・」
「唇に、触れるだけのキスをして・・・」
「うん・・・」
「首や胸に、唇を、そっと、這わせて・・・」
「うん・・・」
身体を捩ったり、背を逸らしたりしながら、私も私のイイところを探る。
「ア、アーク・・・。そこっ、そこに当てるように・・・、あ・・・、ん」
「はぁ・・・、うん・・・」
「私が、激しく、イくまで、アークも、ん、イっちゃ、ダメ・・・」
「はっ、・・・う、ん・・・」
私の細かい指示に、“隷属”の効いたアークが、息を荒げながらも素直に応える。
少しずつ快感がせり上がる。
熱い吐息を吐きながら、私もアークの頬や口にキスを散らす。
その快感が快感を呼び、快感のさざ波が大きな波を呼び、それが幾度となく寄せては返して。
やがて大きな波濤となったその快感の波に襲われて、ナカが激しく収縮し、眩い光が腰から頭の天辺へと駆け抜ける。同時にアークが私の奥で精を放った。
エメラルドの眩しい光とスミレ色の光が混じりながらブワッと膨らみ、ふわっと身体の隅々へと拡がる。
私は身体を反らせながら長い長い快感に耐え、なおも腰を揺すり続けるアークから、その後も何度も何度も精を搾り取った。
そうして・・・
「“隷属“解除」
そう言うオウガの声をどこか遠くに聞きながら、私は気を失った。
私の初恋の人で、初カレで、初めての人、明希・・・。
ずっと好きで、大好きで。やっと想いを告げて、付き合い始めて。
肌を直接触れ合わせて、抱きしめ合えるのが嬉しかった。
明希が私を求めてくれるのが嬉しかった。
明希が私の上で、ちょっと苦しそうな顔をしながら果てるのを見られるのが幸せだった。
あぁ、でも明希。
あなたはいつも自分の快感を追求するだけで、あなたとのセックスで、結局私がイったことは一度も無かった。
私も、多分明希も? あの頃はセックスを覚えたばかりで、肌を合わせる気持ち良さに溺れていただけだったんだね。
今、元の世界で生きる明希。あなたは、心から愛して、互いの快感を高め合える人と出会えましたか?
話し声が聞こえて、ふわりと夢から浮上する。
うっすら目を開けると、ソファのところでオウガとアーク、ドットが何やら話し込んでいた。
部屋には、夕日のオレンジ色の光が差し込んでいる。
何か懐かしい夢を見ていた気がするけど、既にその記憶のかけらは消え去った後だった。
オウガたちは、アークの今後について話しているようだった。
とりあえず、ちゃんと食事を食べて栄養を摂ること。体力を付けること。
きちんと閨指導を受けること。
閨指導は、オウガの従姉妹に頼むこと。
・・・等などと言った話が漏れ聞こえてくる。
と不意に、誰かに額の汗をタオルでそっと拭われた。
顔をズラして、枕元に居たその人を確認すると、それは見たことのない女性だった。
「起きた? リサ、じゃなくて、リーザ?」
「あ、はい。あなたは?」
瞬きしながら問うと、相手はにっこり笑いながら
「初めまして。私はオウガの又従姉、んー、はとこ、かな? のリジェよ。よろしくね」
と答えてくれた。
リジェと名乗った彼女は、金髪碧眼の美しい人だけど、女性にしてはしっかりとした体格で、ボディビルダーのような筋肉を纏っているのが、露出過多な服装のあちこちから確認出来る。
よくよく見ると、口元から小さなキバが見えている。彼女もオーク系らしい。
「リーザ、起きたの?」
オウガが近寄って来たので、上体を起こした。
なんだか妙に身体が軽くてスッキリしているところを見ると、誰かが回復魔法をかけてくれたらしい。
「うん。・・・調整、無事に終わった?」
「うん、もうバッチリだよ。さすがは、オレのツガイ!」
そう言ってオウガにきつく抱きしめられる。
そんな私を、どこか寂しそうな顔で見つめるアークの姿が、オウガの肩越しに見えた。
「さてさて。じゃあ、アーク? 早速行きましょうか?」
そう言ってリジェが、強引にアークの腕を取って立ち上がらせる。
「もう連れてっても良いのよね?」
「はい、もう良いですよ」
ドットが許可を出すと、リジェがニヤリと笑う。
「お姉さまたちと一緒に、しっかりと教育し直してあげるから。アークのことは任せて」
そう言って転移陣を立ち上げると、戸惑い気味のアークと一緒に光の輪の中へと消えて行った。
「・・・アークも、家で愛でられ続けちゃうの??」
「うっ・・・。分からないけど、可能性は大だね」
オウガが引き攣りながら答えた。
ギルドに“依頼の件の対応完了“報告をオウガのIDカードから送り、ドットから丁寧な感謝の言葉を貰ってから、私たちはそこを後にした。
「ドットが、是非行くべきだと勧めてくれたから」
と言ってオウガが連れて行ってくれたのは、フォンテの街の中心。
この世界の街の中心には、大抵噴水広場があるのだけれど、この街の中心にあるのは噴水ではなく、中央から水が湧き出る湧水のようなものだった。
最初に転移陣で辿り着いた泉と地下で繋げてあって、街に居ながらにして泉の水が汲めるらしい。
湧水の周りには所々“消火栓”にも見える尖塔状の飾りがあり、そこに付いている蛇口を捻ると、魔石で濾過された飲料水が出てくる。
手ですくって飲んでみると、ミントのような爽やかな香りがして、ほんのりとした甘みを感じられるお水だった。
「この尖塔のところに付いている小さなガラスプレートとIDカードをリンクさせると、世界の何処に居てもここの水を受け取れるんだって」
オウガが自分のIDカードをそこに重ねると、小さな光がほわんと光った。これでリンク完了。
「リサもやってごらん」
そう言われて、私も返してもらったIDカードをリンクさせる。指先から少しだけ魔力を取られた感覚がした後、カードがほわんと光ってリンクが完了した。
「これで、ポーチや自宅のガラステーブルから、ここの水が取り寄せられるんだ。ここの水は少しだけ、疲労回復の魔力を含んでるみたいだから、重宝しそうだ」
そう言って、嬉しそうにオウガが笑った。
リーザの故郷、と言うことは、リーザの両親も、きっと元の世界の私の両親に似た面影の人たちもここに居るのかな?と思ったのだけど、オウガがアークから聞いた話によると、ふたりとも、それぞれ行商がてらあちこち旅をして歩いているらしい。
人にも土地にも縛られずに、この世界の人たちは自分のやりたいことを優先して生きているみたい。
両親に会えないのはちょっと残念なような気もするけど、元の世界でも一緒にいる時間は少なかったので、会えなくて悲しいと言うことはなかった。
ま、このまま旅を続けていたら、何処かで偶然会えるかもしれないし、ね。
いつの間にか、すっかり日が暮れていた。
私たちは湧水の近くの小さな飲食店で、夕食を食べることにした。
フォンテは水が美味しいからか、食べ物も素材の味が濃くて、どれも美味しくて。
夕食は宿の食堂で、ついつい限界まで食べてしまった。
勿論、IDカードに全てのメニューを登録しておく。
・・・なんか美味しいものコレクションみたいで楽しい。
食事を終えて、街の外まで腹ごなしに散歩すると、木々の深いあたりでオウガがポーチから扉を出し、私たちは久しぶりに森の家へと帰宅した。
ディンファがその扉をノックすると、程なくして白いローブを羽織った男性が出てきた。あ、知ってる。このローブは、“治療師“の徴。
「ディンファ。こちらの人たちは?」
「ドット、彼女は私たちの幼馴染のリーザ。で、彼はリーザのツガイで魔力調整師のオウガ」
「「初めまして」」
「初めまして。私は治療師のドットです。魔力調整師か。ありがたい。とりあえず中に入ってアークの様子を見てもらえるかな」
ドットが扉を大きく開いて中へと招き入れてくれる。
「あ、私は子供たちの面倒を見なきゃいけないから、これで。リーザ、オウガ。アークを頼むわね」
そう言って、ディンファは急いで元来た道を戻って行った。
「アークは困ったことに、きちんと閨指導を受けないままに、同年代の経験値の低い女の子たちとセックスを重ねていたそうです。ですがほとんど魔力融合らしい反応が得られないせいで、次第に誰にも相手にされなくなって。最近は自分で調整していたそうですが、それも充分ではなかったようで・・・」
そう言いながらドットが案内してくれた2階の部屋に入ると、ベッドの上にひどくやつれた顔の男性が横たわっていた。目の下のクマが凄い。
じっと観察していると、ドットの声に目を覚したのか、その“アーク“がゆっくりと目を開けてこちらを見た。
「・・・リーザ?」
「・・・・明希??」
記憶の中にある“明希“は、線が細くて全体的に色素の薄い、ほわんとした雰囲気の“高校生の明希“だった。けど、目の前に居るのは、肩幅が広く、やつれているとは言え筋肉もそれなりに付いた、大人の“明希“・・・。ただし、髪の色は銀色で、瞳はエメラルドだけど。
「・・・アキって、リサの“最初の男“の?」
「・・・うん」
元の世界で関係が深かった人とは、ここでも出逢う運命なのかもしれない。
・・・そう言えば、幼馴染だと言っていたディンファも、仲の良かった“美帆”にどこか雰囲気が似ていたような気がする。
「分かりました。オレたちで、なんとか対応してみます」
「良かった、お願いします。終わったら声をかけてください。あと、必要なものがありましたら・・・」
オウガとドットが、何やら相談を始める。
私はアークのそばに近寄った。
「リーザ・・・、帰って来てくれたんだね」
「明希・・・、こんなにやつれちゃって・・・」
「? 僕は“アーク“だよ? 忘れちゃったの?」
「・・・ごめんなさい。私、旅の途中で重い病気にかかって。・・・でも、ツガイで魔力調整師でもあるオウガに出会えて病気は治ったんだけど、昔の記憶が曖昧なの。病気のせいで、ほとんど忘れちゃったの・・・」
「そうだったんだ。大変だったね」
アークが、私の手を握ってくれる。
「明・・・、アークも・・・」
アークの大きな手は、痩せて、すっかり骨張っていた。
そのアークが、ゆっくりと状態を起こす。慌てて、背中にクッションを添えてあげる。と、いきなり引き寄せられて、抱きしめられた。
「あ、アーク?」
「リーザ、・・・抱きたい。抱かせて」
そう言って私の首に熱い吐息を漏らし、手で私のお尻を揉み始める。
「オ、オウガ!」
焦ってオウガに助けを求めると、いつの間にか冷静にコトの成り行きを観察していたらしいオウガから、再びトンデモ発言が飛び出した。
「うーん、これは、相当拗らせてるね。うん、リサが調整してあげて? オレに、いつもしてくれるように。出来るよね?」
えっ・・・、と絶句していると、そんな私に頭を下げてドットが部屋から出ていってしまった。
「無理だよ。あれはオウガが相手だから出来るんだよ?」
「大丈夫。無理そうだったら、オレが随時サポートしてあげるから」
「サポートって・・・」
涙声になる私をよそに、オウガは既に調整師の目でアークの魔力を診断し始めている。
「リサ。これは治療だよ。オレには出来ない、キミじゃなきゃ出来ない治療だ。・・・大丈夫。気負わなくて良い。リサは、快楽だけを追えば良い」
アークの手に直に私の胸を揉まれ、慌ててアークの方を見ると、既に私たちは“脱衣“で裸になっていた。
「ア、アーク」
非難しようと開けた口にアークが口付けて来て、そのまま舌をねじ込まれる。
「リサ。そのままアークに抱かれていて? アークのやり方を確認したい」
淡々とそう言うと、オウガは私の首からIDカードを外すしてポーチに仕舞い、少し離れたソファへと腰をかけた。
ベッドに倒され、アークにキスされる。右手が、私の胸を揉みしだく。左手の指が性急に蜜壺の中へと差し込まれ、掻き回し始める。
「う、・・・あ、アーク」
そしてすぐに、アークの熱杭がねじ込まれた。
「あ、やぁっ! 痛いっ!」
まだ濡れ足りなくて、思わず悲鳴を上げてしまう。
「ごめん、リーザ。・・・あぁっ、リーザ」
ナカを守るために、生理的防御反応で蜜が急激に分泌され始める。そのことに勢いづいて、アークは腰を振り始めた。
「や! やあっ!」
悲鳴を上げても、それが更にアークを煽ってしまったようで更に抽挿の激しさが増し・・・。
呆気なく、アークが果てた。
エメラルドの光が、私の中でブワッと膨らみ、パチンとハジけて霧散する。
それでもなお抱き足りない様子で、アークは私を抱き起こすと、対面座位の体勢にして再び腰を揺すり上げ始める。
「くうっ、リーザ、熱くて、柔らかくて、凄くイイっ」
そう言いながら、キスしようと口を寄せてくる。思わず拒否するように顔を背けると、ソファに座って親指で顎をさすりながらアークを視ているオウガが目に入る。
思わず、ぶわっと涙が溢れる。
「いや、ぁっ、助けて、オウガっ」
揺すられながらオウガに助けを求めて手を伸ばすと、ハッと我に返ったような顔でオウガが私を見つめた。
「リサ、アークに“拘束”を」
こうそく?? 拘、束・・・?
少し冷静になった頭でオウガの言葉を理解すると、右手で呪文を展開してアークに“拘束“魔法をかける。
体勢が悪かったのか、私の経験不足からか、アークは私を抱きしめた形で“拘束“された。これで手足は動かせない。
「あ、はっ。なに? リーザ。こう言う、プレイ?」
それでも自由に動かせる舌を私の首に這わせ、腰を小さく揺らしながら嬉しそうにアークが言う。
「リサには今度、“動作停止“魔法を教えてあげるね」
苦笑いしながらそばまで近寄ってきたオウガが、いきなりアークの顔を右手で覆う。
「ホントは使いたくないんだけど」
オウガはため息を付きながら「リーザに“隷属“」と言うと、アークと私に魔力の光を巻きつけるように“隷属“魔法を展開した。
途端に、アークの動きがピタリと止まる。
「リサ。初めて循環調整を発動出来た時のこと、覚えてる?」
「ん? ・・・なんとなく?」
「あの時みたいに、アークに、リサのやって欲しいことを細かく伝えるんだ。例えば“優しく、抱きしめて、キスして“、みたいに」
あの時のことを思い出し、ぼっと顔が赤くなる。
あれを、アークに対して行え、と・・・。
「今はとにかく、リサの快感が高まることを、アークに要求するんだ」
「う・・・、やってみる」
私が頷くと、オウガはにっこり笑いながら私にキスし、そして舌を絡めてきた。
媚薬を含めていたのか、途端に下腹部がキュンとして、ナカに入っていたアークを締め付ける。・・・あ、存在を忘れてた。
アークの身体が、ふるりと震えた。
オウガは私の蕩けた目を見つめながら最後にぺろりと私の唇を舐めると、再びソファに戻ってアークの魔力の状態確認を再開した。
私は覚悟を決めて、自分の快感と向き合うことにする。
まずはアークにかけていた“拘束”を解除して。
「アーク。ゆっくりと、小さく腰を揺らして」
「うん・・・」
「私の胸を、そっと撫でて。・・・そっと、よ?」
「うん・・・」
「唇に、触れるだけのキスをして・・・」
「うん・・・」
「首や胸に、唇を、そっと、這わせて・・・」
「うん・・・」
身体を捩ったり、背を逸らしたりしながら、私も私のイイところを探る。
「ア、アーク・・・。そこっ、そこに当てるように・・・、あ・・・、ん」
「はぁ・・・、うん・・・」
「私が、激しく、イくまで、アークも、ん、イっちゃ、ダメ・・・」
「はっ、・・・う、ん・・・」
私の細かい指示に、“隷属”の効いたアークが、息を荒げながらも素直に応える。
少しずつ快感がせり上がる。
熱い吐息を吐きながら、私もアークの頬や口にキスを散らす。
その快感が快感を呼び、快感のさざ波が大きな波を呼び、それが幾度となく寄せては返して。
やがて大きな波濤となったその快感の波に襲われて、ナカが激しく収縮し、眩い光が腰から頭の天辺へと駆け抜ける。同時にアークが私の奥で精を放った。
エメラルドの眩しい光とスミレ色の光が混じりながらブワッと膨らみ、ふわっと身体の隅々へと拡がる。
私は身体を反らせながら長い長い快感に耐え、なおも腰を揺すり続けるアークから、その後も何度も何度も精を搾り取った。
そうして・・・
「“隷属“解除」
そう言うオウガの声をどこか遠くに聞きながら、私は気を失った。
私の初恋の人で、初カレで、初めての人、明希・・・。
ずっと好きで、大好きで。やっと想いを告げて、付き合い始めて。
肌を直接触れ合わせて、抱きしめ合えるのが嬉しかった。
明希が私を求めてくれるのが嬉しかった。
明希が私の上で、ちょっと苦しそうな顔をしながら果てるのを見られるのが幸せだった。
あぁ、でも明希。
あなたはいつも自分の快感を追求するだけで、あなたとのセックスで、結局私がイったことは一度も無かった。
私も、多分明希も? あの頃はセックスを覚えたばかりで、肌を合わせる気持ち良さに溺れていただけだったんだね。
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話し声が聞こえて、ふわりと夢から浮上する。
うっすら目を開けると、ソファのところでオウガとアーク、ドットが何やら話し込んでいた。
部屋には、夕日のオレンジ色の光が差し込んでいる。
何か懐かしい夢を見ていた気がするけど、既にその記憶のかけらは消え去った後だった。
オウガたちは、アークの今後について話しているようだった。
とりあえず、ちゃんと食事を食べて栄養を摂ること。体力を付けること。
きちんと閨指導を受けること。
閨指導は、オウガの従姉妹に頼むこと。
・・・等などと言った話が漏れ聞こえてくる。
と不意に、誰かに額の汗をタオルでそっと拭われた。
顔をズラして、枕元に居たその人を確認すると、それは見たことのない女性だった。
「起きた? リサ、じゃなくて、リーザ?」
「あ、はい。あなたは?」
瞬きしながら問うと、相手はにっこり笑いながら
「初めまして。私はオウガの又従姉、んー、はとこ、かな? のリジェよ。よろしくね」
と答えてくれた。
リジェと名乗った彼女は、金髪碧眼の美しい人だけど、女性にしてはしっかりとした体格で、ボディビルダーのような筋肉を纏っているのが、露出過多な服装のあちこちから確認出来る。
よくよく見ると、口元から小さなキバが見えている。彼女もオーク系らしい。
「リーザ、起きたの?」
オウガが近寄って来たので、上体を起こした。
なんだか妙に身体が軽くてスッキリしているところを見ると、誰かが回復魔法をかけてくれたらしい。
「うん。・・・調整、無事に終わった?」
「うん、もうバッチリだよ。さすがは、オレのツガイ!」
そう言ってオウガにきつく抱きしめられる。
そんな私を、どこか寂しそうな顔で見つめるアークの姿が、オウガの肩越しに見えた。
「さてさて。じゃあ、アーク? 早速行きましょうか?」
そう言ってリジェが、強引にアークの腕を取って立ち上がらせる。
「もう連れてっても良いのよね?」
「はい、もう良いですよ」
ドットが許可を出すと、リジェがニヤリと笑う。
「お姉さまたちと一緒に、しっかりと教育し直してあげるから。アークのことは任せて」
そう言って転移陣を立ち上げると、戸惑い気味のアークと一緒に光の輪の中へと消えて行った。
「・・・アークも、家で愛でられ続けちゃうの??」
「うっ・・・。分からないけど、可能性は大だね」
オウガが引き攣りながら答えた。
ギルドに“依頼の件の対応完了“報告をオウガのIDカードから送り、ドットから丁寧な感謝の言葉を貰ってから、私たちはそこを後にした。
「ドットが、是非行くべきだと勧めてくれたから」
と言ってオウガが連れて行ってくれたのは、フォンテの街の中心。
この世界の街の中心には、大抵噴水広場があるのだけれど、この街の中心にあるのは噴水ではなく、中央から水が湧き出る湧水のようなものだった。
最初に転移陣で辿り着いた泉と地下で繋げてあって、街に居ながらにして泉の水が汲めるらしい。
湧水の周りには所々“消火栓”にも見える尖塔状の飾りがあり、そこに付いている蛇口を捻ると、魔石で濾過された飲料水が出てくる。
手ですくって飲んでみると、ミントのような爽やかな香りがして、ほんのりとした甘みを感じられるお水だった。
「この尖塔のところに付いている小さなガラスプレートとIDカードをリンクさせると、世界の何処に居てもここの水を受け取れるんだって」
オウガが自分のIDカードをそこに重ねると、小さな光がほわんと光った。これでリンク完了。
「リサもやってごらん」
そう言われて、私も返してもらったIDカードをリンクさせる。指先から少しだけ魔力を取られた感覚がした後、カードがほわんと光ってリンクが完了した。
「これで、ポーチや自宅のガラステーブルから、ここの水が取り寄せられるんだ。ここの水は少しだけ、疲労回復の魔力を含んでるみたいだから、重宝しそうだ」
そう言って、嬉しそうにオウガが笑った。
リーザの故郷、と言うことは、リーザの両親も、きっと元の世界の私の両親に似た面影の人たちもここに居るのかな?と思ったのだけど、オウガがアークから聞いた話によると、ふたりとも、それぞれ行商がてらあちこち旅をして歩いているらしい。
人にも土地にも縛られずに、この世界の人たちは自分のやりたいことを優先して生きているみたい。
両親に会えないのはちょっと残念なような気もするけど、元の世界でも一緒にいる時間は少なかったので、会えなくて悲しいと言うことはなかった。
ま、このまま旅を続けていたら、何処かで偶然会えるかもしれないし、ね。
いつの間にか、すっかり日が暮れていた。
私たちは湧水の近くの小さな飲食店で、夕食を食べることにした。
フォンテは水が美味しいからか、食べ物も素材の味が濃くて、どれも美味しくて。
夕食は宿の食堂で、ついつい限界まで食べてしまった。
勿論、IDカードに全てのメニューを登録しておく。
・・・なんか美味しいものコレクションみたいで楽しい。
食事を終えて、街の外まで腹ごなしに散歩すると、木々の深いあたりでオウガがポーチから扉を出し、私たちは久しぶりに森の家へと帰宅した。
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