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8 いよいよ(※)

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先程のラフな服装に、しっかり使い込まれた帆布っぽい布で出来たワンショルダーのドラムバッグを背負ったヴィーオに手を引かれながら、私が連れて行かれたのはそこから割と近くの宿。

滞在中に私に発情期が来る可能性があることをヴィーオが受付の男性に告げると(ホント、何もかもがオープンなのよ、この世界は(涙))、長期滞在用の3階の部屋の鍵を渡された。
食事は、メニューが部屋に置かれているので、伝書魔法鳩で必要な時に注文してくれれば、これまた伝書魔法鳩で部屋に届けるとのこと。便利なこと、この上ないな。

階段を上がって辿り着いた部屋は、案外広くて窓も大きい。
見えるのは、家々や店の屋根と、街のあちこちに生えてる木々の鮮やかな緑。
窓を開けると、木々の葉の匂いがほんのり香る、爽やかなそよ風が入ってきた。

家具も寝具も、シンプルながら手入れが行き届いていて清潔感があふれている。
ベッドが大きいのは、まぁ、この世界の常識から考えると、これが当然なんだろうな。


・・・なんてチェックしていると、ヴィーオが後ろからそっと私を抱きしめてきた。

うっ・・・、そうだった。
これは楽しいお泊まり会などではないのであった。

目先のことに気を取られて、ついつい大切なことを忘れがち(逃避しがち?)なのが、私の短所なのだ・・・。


ヴィーオは私を抱きしめながら、そっとあちこちに手を這わせ、唇を滑らせる。
いつの間にか浄化魔法もかけられていたみたいで、埃っぽさとか汗臭さは消えていた。


触れている肌同士が静かに溶け合うみたいな気がして、私の僅かに残っていた抵抗感は、すぐに快楽の海に呑まれてあえなく霧散してしまった。

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