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10 カペロへの報告
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結局私の身体が落ち着いたのは、ヴィーオと宿に籠もってから14日後のことだった。
今更だけど、ちょうど発情期に突入してたんだと思う。それにしても長いけど。
『実は故郷でいくつか依頼を受けたままだから、どうしても一度帰らなければならない』とのことで、ヴィーオはふり返りふり返り、宿を後にした。
「必ず戻るから、すぐにまた会おう」とは言ってくれたけど、どうなるのかは分からない。
何にせよ、ヴィーオのおかげで処女喪失も無事に済んだ。
“にぎにぎ“への拒否感も、前ほどではない、と思う、多分。うん、そうだと思いたい。
次の課題は、ギルドの依頼を、誰かとパートナーを組んで受けることだ。ちょっとまだ、私にはハードルが高いことは否めないけど。
ヴィーオの姿が見えなくなったところで、私は報告を兼ねてカペロの家に行くことにした。
さすがにパルラの発情期も、もう終わってる頃だと思うし。
宿から直近のカペラの家のドアベルを鳴らすと、すぐにカペロがドアを開けてくれた。
私の様子をひと通り確かめてニッコリとすると、安心したように、そっとハグしてくれた。前回の最後の時とは全く違う、何のイロも滲まないハグだった。
リビングの机の上には、たくさんの鉱石が拡げられている。
魔法付与の作業を行っていたらしい。
なんとなく手持ち無沙汰から、付与の終わった鉱石をレベルと付与内容ごとに仕分けしつつ、簡単にヴィーオとのことを報告した。
「そっか。あいつ、一度故郷に戻ったんだな。・・・鑑定とかしてもう知ってるかもしれないけど、あいつ、海の向こうの街から来ててさ」
淡々と、簡単な魔法付与の作業を続けながら、カペロはヴィーオのことについて教えてくれた。
そう言えば14日間も一緒にいたのに、その間の私ときたらほとんど朦朧としていて、お互いのことを話したりなんてしている余力が無かった。
生まれたての赤ん坊の如く、すっかり霞の中に陥っていて何も出来ない私の面倒を、ヴィーオは大切に、丁寧にこなしてくれていたと思う。イヤ、意識がハッキリしてからも尚、過保護に世話してくれてたな。感謝だわ。
カペロいわく、ヴィーオは海の向こうのアースラ大陸の出身で、そこに住む人々は総じて“超奥手“なのだと言う。
とは言え、ヴィーオの住む街、エスタスラには婚姻制度などで相手を縛るようなものもなく、魔力が馴染む居心地の良い相手を見つけたら、ずっとその相手とつがうらしい。
勿論、そんな気持ちがなくなって、パートナーを解消することもあるにはあるけれど、一度“この人!“というピッタリな相手を見つけてしまうと、一緒にいるのが当たり前、離れるなんて考えられないような関係になるとのこと。
その辺りの感覚が、こちらの大陸出身のフリーセックスな感覚とはあまりに違い過ぎて、物流などの交易はあるものの、人の行き来はあまり無いのだとか。
「あいつのセックスって、なんか違っただろ? たまに向こうのヤツとシたことのあるヤツらに話を訊くと、とにかく凄いって言うし。ってか、凄い、しか言わないんだけど、実際どうだった?」
「・・・凄かった・・・」
私は顔を赤らめて、思わず俯いた。
「・・・なんか、分からんけど、やっぱりか(苦笑)。パルラもそれを聞いたことがあるらしくて、ここで偶然出会ったヴィーオに、しつこく『抱いてほしい、相手をして欲しい』って強請ってたんだよ。まぁ、勿論、ヴィーオは断固として断ってたけど」
ふと、私を抱いたように、ヴィーオがパルラを丹念に抱く姿を想像して、胸がギュギュッと痛み、切なくなった。ただの想像なのに、涙が滲みかけた。
“超奥手”のヴィーオが、パルラではなく、私を受け入れてくれた事実は、ほとんど奇跡のようなものなのかもしれない。
「つまり、向こうの奴らって、抱く相手を厳選するんだ。そして、コレと決めたら揺らがない。他を見ない。だからヴィーオがすぐに戻る、って言うのなら、アリーシャを相手として選んだんだと思う。だから、そんなにかからずに戻ってくると思うから、待っててあげて欲しい。案外向こうの大陸はそれほど遠く無いから、どんなにかかっても、2ヶ月もあれば戻ってくると思うし」
とのこと。
ホントにまたヴィーオに会える? ずっとパートナーでいられる?
そう思ったら、なんだかホカホカとした温かさが胸に溢れた。
多分私は、始終優しくて大切に扱ってくれたヴィーオのことを好きになってしまったのだと思う。
ヴィーオとの出会いは、前世の価値観に振り回されている私への、神様からのプレゼントなのかもしれない。
今更だけど、ちょうど発情期に突入してたんだと思う。それにしても長いけど。
『実は故郷でいくつか依頼を受けたままだから、どうしても一度帰らなければならない』とのことで、ヴィーオはふり返りふり返り、宿を後にした。
「必ず戻るから、すぐにまた会おう」とは言ってくれたけど、どうなるのかは分からない。
何にせよ、ヴィーオのおかげで処女喪失も無事に済んだ。
“にぎにぎ“への拒否感も、前ほどではない、と思う、多分。うん、そうだと思いたい。
次の課題は、ギルドの依頼を、誰かとパートナーを組んで受けることだ。ちょっとまだ、私にはハードルが高いことは否めないけど。
ヴィーオの姿が見えなくなったところで、私は報告を兼ねてカペロの家に行くことにした。
さすがにパルラの発情期も、もう終わってる頃だと思うし。
宿から直近のカペラの家のドアベルを鳴らすと、すぐにカペロがドアを開けてくれた。
私の様子をひと通り確かめてニッコリとすると、安心したように、そっとハグしてくれた。前回の最後の時とは全く違う、何のイロも滲まないハグだった。
リビングの机の上には、たくさんの鉱石が拡げられている。
魔法付与の作業を行っていたらしい。
なんとなく手持ち無沙汰から、付与の終わった鉱石をレベルと付与内容ごとに仕分けしつつ、簡単にヴィーオとのことを報告した。
「そっか。あいつ、一度故郷に戻ったんだな。・・・鑑定とかしてもう知ってるかもしれないけど、あいつ、海の向こうの街から来ててさ」
淡々と、簡単な魔法付与の作業を続けながら、カペロはヴィーオのことについて教えてくれた。
そう言えば14日間も一緒にいたのに、その間の私ときたらほとんど朦朧としていて、お互いのことを話したりなんてしている余力が無かった。
生まれたての赤ん坊の如く、すっかり霞の中に陥っていて何も出来ない私の面倒を、ヴィーオは大切に、丁寧にこなしてくれていたと思う。イヤ、意識がハッキリしてからも尚、過保護に世話してくれてたな。感謝だわ。
カペロいわく、ヴィーオは海の向こうのアースラ大陸の出身で、そこに住む人々は総じて“超奥手“なのだと言う。
とは言え、ヴィーオの住む街、エスタスラには婚姻制度などで相手を縛るようなものもなく、魔力が馴染む居心地の良い相手を見つけたら、ずっとその相手とつがうらしい。
勿論、そんな気持ちがなくなって、パートナーを解消することもあるにはあるけれど、一度“この人!“というピッタリな相手を見つけてしまうと、一緒にいるのが当たり前、離れるなんて考えられないような関係になるとのこと。
その辺りの感覚が、こちらの大陸出身のフリーセックスな感覚とはあまりに違い過ぎて、物流などの交易はあるものの、人の行き来はあまり無いのだとか。
「あいつのセックスって、なんか違っただろ? たまに向こうのヤツとシたことのあるヤツらに話を訊くと、とにかく凄いって言うし。ってか、凄い、しか言わないんだけど、実際どうだった?」
「・・・凄かった・・・」
私は顔を赤らめて、思わず俯いた。
「・・・なんか、分からんけど、やっぱりか(苦笑)。パルラもそれを聞いたことがあるらしくて、ここで偶然出会ったヴィーオに、しつこく『抱いてほしい、相手をして欲しい』って強請ってたんだよ。まぁ、勿論、ヴィーオは断固として断ってたけど」
ふと、私を抱いたように、ヴィーオがパルラを丹念に抱く姿を想像して、胸がギュギュッと痛み、切なくなった。ただの想像なのに、涙が滲みかけた。
“超奥手”のヴィーオが、パルラではなく、私を受け入れてくれた事実は、ほとんど奇跡のようなものなのかもしれない。
「つまり、向こうの奴らって、抱く相手を厳選するんだ。そして、コレと決めたら揺らがない。他を見ない。だからヴィーオがすぐに戻る、って言うのなら、アリーシャを相手として選んだんだと思う。だから、そんなにかからずに戻ってくると思うから、待っててあげて欲しい。案外向こうの大陸はそれほど遠く無いから、どんなにかかっても、2ヶ月もあれば戻ってくると思うし」
とのこと。
ホントにまたヴィーオに会える? ずっとパートナーでいられる?
そう思ったら、なんだかホカホカとした温かさが胸に溢れた。
多分私は、始終優しくて大切に扱ってくれたヴィーオのことを好きになってしまったのだと思う。
ヴィーオとの出会いは、前世の価値観に振り回されている私への、神様からのプレゼントなのかもしれない。
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