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【本編4・search for my roots】

無限に広がる輝ける未来。

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またもやアリーの寝てる間に…。

皇帝はアリー達が戻るまでの2泊3日。忍者の養成施設にぶちこまれた。2日間は男性忍者の特訓で揉まれ、最終日は女性くノ一の特訓で揉まれた。特にくノ一達には、女の敵とばかりにかなりやり込められたらしい。アリー達は帰国する前、1度帝国に立ち寄る事になっている。それまでに少しは目に見える成果を!と、女将考案にによる特別矯正プログラムである。

女性に近寄れなくならぬと良いが…。女将の矯正プログラム企画を見て心配する男性陣。いえ。これはあくまでも急拵えのプラン。これから毎日、昼までは私が特訓します。女性に手を上げるなど、男として情けなさ過ぎます!お仕えした主にに申し訳が立ちません!と張り切る女官長。

先代女官長は引退した。料亭の女将は後宮のイザコザが落ち着くまで、女官長を務める事となった。

***

後宮は廃止された。側妃達の実家は全てが快く、出戻りする彼女達を受け入れてくれた。元側妃達にはこれからを生きて行く為、手厚い手当てが生涯支払われる。これは1度に全てを一時金としても受け取れる。再婚したりの持参金の意味あいもある。後宮廃止は皇帝側の都合によるもの。立派に妃をつとめあげたと、既に各家には沢山の見合いの釣書が届いているそうだ。

元側妃達が幸せになる事を願う。

後宮は早々に引っ越しを始めた。皇帝が落ち着き、また皆が懐かしく思える時が来たら…。女将が皆が集まれる席を設けると約束して別れた。

一夫多妻が常識の為か、離縁による女性側へのリスクは少ない様だ。この時点では、椿姫の懐妊は秘密にされていた。よって皇帝にはある疑惑が持ち上がって居た。原因は皇帝側だろうと、側妃達は要らぬ心配をされなかった。現後宮の維持が約1年と短い期間だったのも幸いしたのだろう。やがて元側妃達の殆んどが再婚し、子にも恵まれ幸せに暮らしたと言う。

***

その頃将軍は何故か、後宮地下のダンジョンに潜って居た。2階層での宝箱の中身。何でも帝国では伝説と呼ばれていた短剣だった。古の龍をモチーフとした者で、かつて皇帝正妃の護身用として鍛えられた品。ならば更に良き品が!と、先に進んで居るそうだ。しかし中々上手くはいかず…。3階層では拡張バックだった。これは見た目より沢山入るカバン。しかし容量に制限が有り、中は通常の時間経過になる。将軍は残念がって居たが、これも帝国には無い1品で有る。

この拡張バックは、以前アリーが置き去りにされた最下層での戦利品。マジックバックの下位互換品になる。更に進めばより良い品が出るかもしれない。

***

グレイに裏の顔をバレ捕縛された元宰相。グレイを罵り、牢屋の中で叫んでいた。

「私は皇帝の事だけを第1に考え生きてきたのだ!皇帝の血を薄めずに次代へ繋ぐ。その役目を果たす為だけに!本来ならアリー様の半分の血も許せない!あの忌々しい聖獣め!何が私の見る目が蔑んでるだ!私は態度に等出さんわ!」

グレイは宰相が、アリーに時折見せる胡散臭い笑顔が気持ち悪かった。絶対に変!と感じ、宰相を調べてバレた。

「私の半分は皇家の血では無い。妻もだ。だからその私達の娘よりは濃いと我慢したのだ!何故有り難きお言葉をお受け出来ぬ!娘もだ!何故親に逆らう!私が女子なら皇帝の子を孕めたのに!出来るお前達が何故!くそ!あの鳥が邪魔さえせねば!許せん!焼き鳥にしても飽きたら無いわ!」

己の考えがのみが正義。他は邪道としか思えぬ人間の心の醜さ…。

「ふーん。焼き鳥ね。処刑だけじゃ物足りないんだね。なら僕が処刑まで遊んであげるよ?」

グレイは叫ぶ元宰相の意識のみを取り出し、1年前の後宮の妃達に憑依させた。勿論意識はその日のお召しの妃を順に回った。1年分の皇帝の閨を体験した元宰相。髪の毛が真っ白となり、精神が破壊されていたと言う。

皇室の血筋を尊ぶばかりに、何処かで道を間違えてしまったのだろう。確かに昔は皇室の血を尊び、血族で婚姻を繰り返していた。しかしその弊害により子は生まれにくくなり、死産や虚弱な子が増えた。更には強い神通力を持つ子が少なくなった。それ故に後宮が出来たのだ。皇室の濃すぎる血を薄め、健全な子孫を残す為にと…。

しかしそれがまた仇となった。

後宮は要らぬ女の闘いと、癒えぬ悲哀を育ててしまった。

宰相は気の触れたまま処刑となった。

宰相には菊姫しか家族は居なかった。

菊姫は椿姫の侍女を務める事となった。しかし椿姫は侍女では無く友人となりたいと懇願した。

「私は助けられるばかりでした。もっと強くなりたいのです。菊姫と共に並び、未来へ進める位に。」

2人は良き友人として縁を育み、やがて帝国に戻る事となった。

***

椿姫の実家では、赤子と椿姫の身柄はこちらで預かると帝国側に申したてた。我が国では椿姫に、帝国の正妃たれと教育を施した。皇帝は性癖を矯正し、尊敬に値できる人となれ。もしなれた暁には、椿姫も歩み寄ると言っている。赤子達は奇跡を見せた。天子の器なのであろう。その赤子らに恥じぬ男となれ!されば道は開く。と嘯く。

「ふはは。まあ無理か?」

話を聞く皇帝からの使者は、王の話にただただ項垂れるしかない。

「まあ皇帝の気が変わらねばで良いぞ。50人も侍らす程女が好きならば、他で沢山作れば良いだろう。私は2人で手に余るわ。しかしご大層な趣味の広まった皇帝に嫁がせる親が居るかね?居たら余程の畜生だろう。嫁を出す国も貰う帝国にも呆れしかない。」

皮肉を混ぜながら、1国の王として父として、至極全うな話をする王。

我が国は椿と赤子達を歓迎しておる。可愛い娘と孫達を、むざむざアホな帝国に渡す気は無いからな!と、王はガハハと笑いながら使者にふんぞり返って話したという。

椿姫の父の王は、かなり豪胆なお人の様だ。

新しく立った宰相と女官長の女将は、それを全面的に容認した。

***

皇帝は毎日半日を訓練で過ごす。武は将軍に師事した。外交でのマナーや所作。女性へのエスコートや扱い方。これらは女官長に師事。帝王学も今更ながら学び始めた。公務に励む様になり、中々多忙な日々。しかしその合間には椿姫へ手紙を出す。時間が取れれば南国に足繁く通った。勿論菊姫にも気配りが出来たという。やがて赤子らが5才になる頃、皇帝は漸く子らに父と認められた。

しかし帝国に戻るまでには、更に5年の月日を必要とした。子供らには父上と認められた。しかしまだまだ母上達は任せられない!と、ダメ出しを食らっていた。

帝国を椿姫が離れて約10年後。再度椿姫は正妃として皇室に迎えられた。同じく菊姫も側室として迎えられる。椿姫と菊姫は仲良く協力し、皇帝の尻を叩きながら帝国をもり立てたと言う。

「これをアリー様から戴いたんです。私達2人の宝物なのです。」

椿姫と菊姫は、ヤっておしまい棒ミニをそれぞれ構えていた。皇帝は性癖を矯正され過ぎ、やや違う方向に変化したようだ。

「威力を弱くしてくれてるので、それほど痛くはないんですよ。本人がこれで満足してくれるので、私達の負担が減りかなり助かっているのです。」

と2人はニコニコだそう。。以前私がお土産に贈った品は、違う意味でもお役に立っているそうだ。

将軍は良く我が国のギルドに視察に来る。ダンジョンにも潜り、私達に帝国の事を伝えてくれる。

「でも何の負担だろ?私は体力アップと宝箱探しにと、2人がダンジョンに入ってると聞いたから贈ったんだけど?まさか皇帝に使うの?何故使われて満足するの?ねえ!」

・・・・・。

ルイスは何故無言なの?

ねえってば!

「それは…。皇帝のじ…自業自得なのでは?本来は相手を牽制する仕様ですが、用途は違えど満足されるのなら円満解決です。これ以上は夫婦の秘密です。我々が口を出す事では有りませんね。アリーの棒よりは威力は無いそうですし…。」

「ほう。つまり私に知る必要は無いと?そう言えば私ってば、自分の棒の追加威力も聞いてないのよね。今だに使用して無いしね。確か男性が必ず反省する仕様を追加したとか何とか?良し!ルイスで試そう!教えなかった事を反省しなさい!」

ルイスってば、何だか凄い顔してるよ。

ん?しかも…。

完璧に固まってるし…。
もう仕方無いなぁ。後でザックにでも聞こうっと。

結局使われた本人だけが知れば良い事だと言われ、次のメンテナンスまで教えて貰えなかった。ザックには、むやみやたらと男性に向けて使うなと言われた。

魔物にしか使わないわ!

もう良いよ!何と無く理解したよ!

皇帝様?お体は大丈夫ですか?椿姫と菊姫なら大丈夫だと思う。皇帝様が2人を大切にしてるならね。

*****

やがて帝国は近隣諸国との交易を広げて行く。更には将軍の努力と行動力により、ダンジョンは一般に解放された。

後宮の地下のダンジョンは、入場料を払えば誰でも潜れる様になった。私が落とされた所が入口だった。その穴以外は塞ぎ整備し、廃止した後宮の建物を休憩所や受付に利用した。翌々は宿泊も出来る様にし観光施設の目玉として、外交を進めて行くそうだ。

更に湖の側にもダンジョンらしき入口を発見し、攻略を進めているそう。

「でもダンジョンには魔物が居るよ。くれぐれも実力の範囲内でね。」

私の心配は無いと言う。早速我が国から、レベルを鑑定出来る水晶を輸入したそうだ。これはギルド等に有る物で、ステータス等を鑑定できる。既に攻略した将軍が、レベルによる進行度をしめしている。

無理にダンジョンに潜る必要は無い。ダンジョン内は自己責任。それを徹底するそうだ。

更には将軍が視察団を組み、ギルドとダンジョンを勉強している。後々は帝国領の島々のダンジョンをも攻略したいと息込んでいる。

何よりも新しい資源としての価値があるのだから。

城下町では、帝国の人々と異なる髪色の者が増えた。沢山の人々が行き会い、日々発展する姿を見守る妃達。髪色の違いなど気にもならない。違和感なく溶け込む姿。それらを嬉しく思い微笑む2人の妃。

後に椿姫は、年子で男児と女児を出産。菊姫は女児を2人出産した。

*****

椿姫の実家で有る南方の国にて2泊3日。とても楽しく?充実した日々。

「2泊では物足りぬ位でしたね。是非本番でもお邪魔させて戴きたいです。ねえアリー?」

つるつるお肌にキラキラした笑顔が憎たらしい。沢山のお土産の袋を抱えるルイス。仕舞ってあげると言ってるのに、これらは持ちますと拒否をする。そんなに楽しかったですか?そうですか?あんな辱しめに合う何て…。私はもう無理!絶対無理よ!

「ほう。そんなに素晴らしかったのか?まあ子宝の温泉は流石に早かろうが、楽しめた様で何よりだ。帝国領ではツアーが組まれる程人気らしいぞ。伴侶が増える度に行く猛者もいるらしい。」

他の伴侶はお留守番なの?

全く帝国の男は…。

「どうしたのだ?楽しんだのであろう?王太子自らが指揮を取り広めている、自慢の観光プロジェクトだそうだぞ。何かあったのか?」

だ!か!ら!

そのツアーに突っ込まれたのよ!私にはあのノリは無理よ!赤面物だったわよ。ルイスもイケメンだとか煽てられて調子に乗るし。

「でもアリーも楽しんでたじゃない。だから僕は邪魔しなかったんだよ。ルイスは温泉でも紳士だったしね。」

そうよそれもよ!あの温泉も変!男女別なのに!どう考えても詐欺じゃない。

しかも南国が更に暑く…。

嫌、めちゃ熱苦しく…。

ダンジョンで透けただけで文句言ったのに!何が豪に入れば郷に従えよ!パジャマだってあれじゃお腹が冷えちゃうじゃない。しかもあれは何なの?あれにお金払うの?ボッタクリよ!

「ルイスに水着も浴衣も買って貰ったじゃ無い。あの水着着れたんだから、もう観念しなよ。すっぽんぽんと変わらないじゃない。皆も誉めてたし。後お腹は寝相のせいだよねえ?」

ルイスをチラリとみる。こりゃ駄目だ。互いに恥ずかしいわ。

「まあ互いに意識しあうのは良い事だよ。ラブラブな所をお邪魔しちゃうけど、そろそろ国に帰国するよ。そのまま王様に報告ね。今晩は別々に寝てゆっくりする事。まあ報告は既に僕がすませたから、顔見せるだけだよ。」

別々には余計なの!当たり前なの!

何だか慌ただしい日々だったけど、離れるとなると寂しいね。赤ちゃん達も可愛かったしね。

「まあそれは自分達で頑張ろうよ。ルイスがバッチリ協力するって!」

・!!・・!!・!!

やーめーてー!温泉でのアレコレを思い出すじゃない!

「アリー?椿姫のお産の時の魔法だよ?将来楽になる様に思案したんだって。ルイスは変にマメだね。」

・・・・・。

「もしかして違う事考えちゃった?アリーもしかして期待しちゃってる?やだなー。ルイスってば一気に進みすぎ。まさか子宝の温泉で!?ダメ!結婚前に僕は許さないよ!!」

思いきりグレイに拳骨を落とした。グレイは私のおかんですか?ふざけて調子に乗りすぎ!王子は笑ってるんじゃない!ルイスも何悶えてるのよ!

「イテテ。何時ものアリーで嬉しいな。えへへ。知ってるよ。ふざけてごめん。でね。これからは真面目な話。」

最後に皆で揃い、謁見室で帰国の挨拶をした。グレイの言伝てでは、最後に皇帝が2人で話をしたいという。同席はしないけど、ルイスが同室に控えている。

***

君は地位と名誉が欲しくは無いのか?この国は君の故郷だ。帰らずに私の側にいて欲しい。その手を私に委ねてくれ。私のこの手は君が奪われた権利そのもの。そして君は奪われた私の権利の象徴なんだ。奪われたら奪い返すべきだろ?私達は全てを返して貰うべきでは無いのか?

確かに略奪は許せないわ。でも私は地位も名誉も要らない。今の幸せが大切なの。貴方にも大切なものが有る筈。失ってしまったものは戻らないわ。時代を経てしまった私には、貴方の過去を理解し戻してあげる事も出来ない。でも未来は違う。私にも理解するお手伝い位は出来る筈。

ならば君はこれからの未来を私と共に生きてくれるのか?かつての約束を果たし私のものになってくれるのか?側にいてくれるのか?

私は貴方のものじゃ無い。人には心と意思が有るのよ。それに約束を交わした人はもう居ないの。貴方が私に無理強いすれば、また過去と同じ事の繰り返し。私は貴方を恨む。今度は貴方が加害者になる。私は既に貴方と違えた未来を歩いてる。貴方も同じよ。今のこの地は私を必要としていない。この地にも貴方にも、今の私は必要ない。貴方は多分何かにすがり付きたいだけ。多分思い出や過去の約束にね。

だから私は帰るの。今の私を必要としてくれる人と地へ。貴方はこの地と人に必要とされてるわ。もう解っているのでしょ?だからまた会いましょう。友人に会うのなら、もう拒否はしないわ。

離れてても友人なら一生か?

そうよ。離れてる?確かに距離的には離れてるわ。でも国を開いた今なら、また直ぐにでも会えるじゃない。何なら時々差し入れに来るわよ。私もこの国の食文化には興味が有るし、まだまだ色々見て回りたいもの。お忍びでコアラーを見に連れて行ってくれる約束でしょ?忘れないわよ。

しかし異性の友人は辛いな。

なら家族になりましょう。血の繋りからも不思議では無いわ。家族ぐるみで親交してたのでしょ?

ああ…。彼は私の本当の兄の様だった…。そうか!ならば約束をしよう!互いの子供同士を…。

それはダメ!また二の舞になるでしょ?私はまだ結婚もしてないし、子供もいないわよ!もう…。私の未来さえまだ確定して無いのに…。もしかしたらそう言う未来が有るかもしれない。そう考えるだけでも楽しいじゃ無い。無理矢理はダメ!少しは反省しなさい!

仕方無い。ならば子供達を留学させ、子が生まれたら幼少時から刷り込ませて…。ん?何だ?

?????

何だ?どうした?いきなり天候が悪く?今雷がなったか?この時期にまさか雷雨か?

・・・・・。

背後に殺気が…。またコヤツか…。全く年下の癖に邪魔で生意気な野郎だな!しかも鳥の姿で威圧を放ってる霊獣まで!ダブル雷かよ!霊獣はまだしも、このガキも天候にまで作用させるとは…。

魔法を使えぬ我国では、到底敵わぬな…。

もう!何か別の事考えてるでしょ?反省してる?

ああ。流石にそれは冗談だ。反省してるよ…。

じゃあまたね。サヨナラは言わないわ。また直ぐに会えるから!またねよ!

全く君には敵わないな。

それではまた会おう。

ではまたな!

親愛なる従妹殿。

***

皇帝の溜め息の様な告白に、私は私なりに真剣に答えた。父と現皇帝は兄と弟の様に育った。自分は優しい叔父が大好きだった。話は最終的には無くなったが、叔父にはお見合いの話が浮上していた。兄である皇帝からの話では断れない。

結婚したら叔父は側に居なくなってしまう。寂しくなるのは嫌だ!と、現皇帝は叔父を困らせた。その時ふと思い付く。女の子が生まれたら僕のお嫁さんに頂戴。そうしたら叔父さんは僕の父上だ。お嫁さんを大切にする!お願いだから父上になってとすがった。当時の皇帝は多忙で、息子と顔を合わす時間が少なかったという。

叔父である父は、仕方無いなと微笑んだらしい。子供の戯れ言と思ったのか、了承したのかは解らない。

皇帝は最後に、父の形見だと言う箱を取り出した。中身はお城で暮らした10代の頃の物だった。帝国の正式な礼装一式に装飾品が色違いで2組。刀に短剣。他もやはり装飾品の様だ。ざっと見た所、儀式的な物が多い。皇帝位を簒奪され、私財は悉く略奪された。だだしこの箱は帝国の伝統的衣装でも有った為か、地下倉庫に詰め込まれていたという。

「私のも捨てられずに一緒に詰め込まれていた。私の物は流石に着られぬサイズだが、残っていたのが本当に嬉しかった。叔父上の物は、少し手直しすればアヤツでも着れそうだな。まあ着る機会が有るかは解らんがな」

アヤツ?あ!ルイス?確かに似合うかも。細身だし、身長も足りそうだね。

私はお礼を伝え、箱をインベントリにしまった。

*****

私とルイスと王子が近寄る。皇帝に頭を下げた。

「もう戻るのか…。」

残念そうな皇帝の顔と呟き。ため息はついちゃダメ。幸せが逃げちゃうよ。

「じゃあまたね。サヨナラは言わないわ。また直ぐに会えるから!またねよ!」

全く君には敵わないな。

それではまた会おう。

「ではまたな!」

親愛なる従妹殿。

私達は祖国の謁見室へ飛んだ。

*****
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