【完】箱庭の王妃はモフモフに包まれ真綿の夢を見る~婚約無効からの真実~

桜 鴬

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【王家の秘話】愚王の呪いと王子の過ち。

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 遥か遠い昔のことです。私たちの住む地上とは別に、神の使いだと言われる聖獣たちの住む世界が、遥か上空の天空にあったといわれています。その聖獣界では四種族の代表が各々王として君臨し、創世神の代理の四神として人間界を見守っていました。
 その四神の一人。白虎の王の第二王子には放浪癖があり、時折人間界にお忍びで遊びに来ていたのです。そしてその人間界にて、とても美しいと評判な娘と、恋に落ちてしまったのです。もちろん白虎の王子は、人型になっていました。それを隠したまま娘と所帯を持ち暮らし始めたのです。
 二人は仲睦まじく、やがて息子にも恵まれました。しかし白虎の王子が天空に帰還中に、人間の国の王に息子と妻が拐われてしまったのです。それに気付いた白虎の王子が、慌てて城へ駆けつけたときには……妻は王に無理を強いられ自殺をはかり、息子は監禁され食事も録に与えられずに、互いに虫の息だったのです。
 その状況を見た白虎の王子は、あまりの怒りに我を忘れてしまいます。白虎の姿となり次々と城の人間を殺めてゆきます。やがて静まり返った城内。
 真っ白だった白虎の毛なみは、人々の血で真っ赤に染まり、やがてはどす黒く変色していったのです。
 そして最後は貴様だとばかりに、玉座にふんぞり返り独り言を呟く愚王めがけ、頭を高く持ち上げ走り出す血ぬれた白虎。目指すはその喉元のみ。周囲の人々をその身で蹴散らし、食い千切ろうとばかりに猛進です。しかし次々と王の護衛たちが、死をも覚悟し向かってきます。その間にも愚王はブツブツと何かを呟いています。狂ってしまったのでしょうか?
 ですが白虎の王子は護衛などものともせず次々と殺略し、最後には愚王の喉元に食らいついたのです。愚王は倒れ、玉座から転げ落ちました。
 気が済み妻の元に戻ると、妻は既に二人の子供を抱えて息絶えていました。静かに妻を横たえるとその腕の中には、弱りながらも小さな少女を抱きしめ庇う息子の姿が……。
 息子は白虎姿を父だと解らず頭を下げます。食べるなら私だけを食べて下さいと……どうかこの少女を助けて欲しいと。この少女は母を殺した憎い王の子だけど、この子の母も母と同様だったと。更には既に殺されている。この子も姫とは名ばかりで、自分と同じ扱いを受けていた。だから助けてあげて欲しいと……
 痩せこけた少女と同様な我が息子……
 呆然とする白虎の王子……そこへ白虎の王が降臨しました。それと同時にドタバタと周囲が騒がしくなります。部屋に突入してきた人々は、白虎の王の神々しさに声もなくひれ伏したのです。
 『バカ息子よ。先ずは人型になれ』
 白虎の王子が人型になりました。
 『お……お父さん……』
 監禁されていた子供の言葉に周囲がざわめきます。
 『そうだ。コイツは我の息子でお前の父親だ。つまりお前は我の孫だな。孫のお前には選択肢を与えよう。この姫と共に歩みこの国の王となるか?それとも姫を残し聖獣界に来て、王子として暮らすか?』
 白虎の王は返事を待たずに、周囲の人々をグルリと見回す。
 『お前たちは先ほどの我の神託が聞こえたのであろう? ならばコヤツを良き王として導ける筈だ。王を殺したのは我が息子だが我が謝る筋もない。あれは誠の外道だった。殺された城の者も同罪じゃ。お前たちはもとより王を殺す算段で、クーデターを企んでおったよな?常識のある者はすべて城外へ出ておる。だが弱き者は見捨てた。我にはすべてお見通しじゃ!』
 『父上……ならば! なぜ妻は助けられなかったのですか!』
 『貴様は人のせいにするでない! 伴侶に本来の姿を晒せぬ腑抜けに言われたくもないわ! 正式な貴様の伴侶ならば、我が彼女を守れたと断言しよう。しかし貴様は彼女に真の姿を晒していない。つまり彼女は聖獣の伴侶と認められていないんだ。だから我には気配を探れなかった。貴様とて彼女の心からの叫びに、微塵も気付けなかったのであろうが!我は彼女の汚されたくないと貴様を必死で呼ぶ声と、孫の中の貴様の気配で気付いたんだ! このうつけものが!』
 白虎の王子はただただ項垂れるしかありませんでした。
 『白虎の王様。僕はこの子を守りたい。だから王様になる。大丈夫。愛する人は一人だけ。絶対に愚王のようにはならない。姫が幸せになる国にする。姫には僕だけ見て貰いたいから』
 『何だか我が孫も危ういな……だが愚王よりはましだろう。城内は綺麗に掃除してやる。宰相は生きているんだよな。ならば大丈夫だろう。後はまかせる。だが息子よ。貴様はどうする?』
 『どうするとは?』
 『まさかその成りで聖獣界へ戻るつもりか?』
 白虎の王子は己を見て絶句した。人型の髪の色も目の色も、いつの間にか髪も瞳も漆黒に染まっていたのです。慌てて色彩を変化しようと試みるが、獣姿にすら戻れない……
 『堕天だな。それでは獣化しても真っ黒だろう。貴様はそれだけの血をその身に受けてしまった。獣姿になれぬならば、可愛そうだが聖獣界へは戻れない。亡き妻を弔い、この国のために幼い国王と王妃を支えよ。毛色は戻らないかもしれないが、何時かは許され獣姿にもなれるだろう……』
 こうして堕天した白虎の王子は、漆黒の髪と瞳の人間の姿のまま幼き王と王妃を見守りました。その子孫をも何代か見守り……やがて人々の記憶から悲しい記憶が忘れられたころ、白虎の王子は聖獣の姿には戻れぬまま、静かに国から姿を消したのです。

 国を去った白虎の王子は、国境の森で自給自足の生活をしていました。そんなある日の夜、月を見上げていると体が疼いてしかたがありません。なんと突如聖獣の姿に戻れたのです。あまりにも孤独を嘆く白虎の王子を憐れみ、月の女神が慈悲を与えたのです。そして呪いを解除する術と、愚王の呪いの真実を、王族に神託として授けたのです。これがやがて物語として、王家に伝わりました。

 己の獣姿をみて喜ぶ白虎の王子。しかし毛並みは漆黒のまま。しかも人型に戻ろうとしても戻れない。だがこの姿ならば聖獣界へ入れる!喜び勇んだ白虎の王子は、聖獣界の父の元へ向かいます。久し振りの再会に、白虎の王も喜んでくれました。しかし……
 翌朝になると人間の姿に戻ってしまい、聖獣界て寝たはずが人間界の森の中の小屋に戻ってしまいます。一時の夢だったのか……と項垂れる白虎の王子。しかしまた夜になると聖獣の姿に戻ります。
 いったいなぜ?白虎の王子は、昼は人型に……夜は黒い虎に……しかも己では操作できない……そしてまた一人で、幾年月を過ごしたのです。
 永遠に続くこの孤独は、己の罪の証だとたえて過ごす毎日。やがて絶望に心を塗りつぶされそうになった時、山小屋の扉を叩く音がしたのです。
 扉を開くと朱金色の髪と青い瞳の少女がいました。少女は言います。
 『私は昼間しかこの森にはいられません。それでも良ければ……なにも聞かずに私をお嫁さんにし下さい。私が死ぬまでで良いのです』
 驚く白虎の王子。最初は突き放しますが、毎日甲斐甲斐しく通ってくる少女。永い孤独に耐えてきた白虎の王子には、少女の気持ちが嬉しくて手放せなくなってしまいます。しかも少女には、亡き妻の面影があったのです。
 二人はやがて夫婦になりました。しかし少女は夫婦になっても、夜にはどこかへ帰ってしまうのです。

 そんな日々にもなれ一年も過ぎたころ、白虎の王子は悩んでいました。これ幸いと、少女に夜の姿を伝えていないのです。これでは昔と同じことになってしまいます。伝えなくてはと悩む白虎の王子。ある夜とうとう決心しました。帰ろうとする少女を呼び止め、獣の姿になり全てを告白します。愛しているから私のもとを去らないでくれとお願いしたのです。そう懇願する黒い虎の姿に驚く少女。何かを言いたげな口をぎゅっと結び、白虎の王子を少女の自宅に誘います。到着した所は……なんとお城だったのです。そしてある部屋に通されると、ベットに眠る青白い顔をした少年が一人。漆黒の髪の少年が、少女の声にうっすらと瞳を開きます。その姿をみた白虎の王子。
 『まさかお前は……』 
 開いた少年の瞳は漆黒です。
 『お姉さま……その方が白虎様……』
 『そうよ。私の愛する人よ。でも彼はシャイなの。ようやく本当の姿を見せてくれたわ。だから貴方も頑張って。死んではダメよ』
 『確か現在の王家には双子がいたな。しかし弟の王太子が病弱だと……お前たちは私の子孫なのか……』
 『そんなことは後にしましょう。ようやくその姿を見せてくれましたね。どうして教えてくれなかったのですか?夜に私がいないからですか?』
 『……すまん……私はまた同じ間違いをする所だった。夜の姿を見られないなら丁度良いと、黙っていたんだ。君に嫌われたくなかった。獣の姿を見せて嫌われたくなかったんだ!』

 少女の細い両腕が、項垂れたままの白虎の王子の首に回ります。驚き固まる顔を覗き込み、震える体を引き寄せ、唇をそっと重ねました。

 「私は貴方の過去を含め、全てを愛しています。私はずっと貴方を探していました。会えて愛せて、本当に嬉しいのです」
 
 実はすべての現況である古の愚王は、最後に己の命を代償に先祖代々へと連なる呪いを発動させました。その呪いを解くために、ずっと白虎の王子を探していたのです。
 「それは……私への同情ではないのか? 双子の弟の体を治したいからではないのか? 」
 少女はキッパリと言います。
 「はい。正直に言います。初めはそうでした。弟の体を治したい。それが一番でした。弟はこの先にまた己のような先祖返りを出したくないと泣いていたのです。しかも弟の体は、呪いの解除では治りません。それでも! 貴方がまだ苦しんでいるなら、その呪いを解く可能性にかけたかったのです!」
 王家には希にに、先祖返りといわれる漆黒を纏った子が産まれる。その子は呪いの元にされた、白虎の王子と同様な方法でなければ、本来の色に戻ることは出来ない。つまり本当の姿ごと愛してくれる人と、未来に愛し合えれば、漆黒の姿を打ち消すことが出来るのです。双子の姉弟は、その可能性にかけていました。
 「でも!一緒に暮らした日々では、私の気持ちは伝わりませんでしたか? 好きでなければ……あ……あんなことまで出来ませんよ! 」
 少女は真っ赤になって俯いてしまいます。さすがに王家の人々も、少女に夫婦となるまでは求めていませんでした。それは少女でなくても可能だったからです。

 愚王の呪いの最終的な解除方法は、真実の姿である獣姿を見ても恐れず、その姿を含めて真実愛してくれる人からの口付け。そして愛していると伝えること。そして二人がお互いに、真実の愛を感じあうこと。
 「貴方は私を愛してはくれていなかったのですか? ひ……酷いです……私を弄んだのですね! 私は……貴方だけを愛したのに! 貴方は私が夜にはいないからと、昼間から散々……」
「お姉さまストーップ! さすがに白虎様が可愛そうだよ……わかってるくせに。でも子供はキチンと認知して下さいね? 真っ白で綺麗な白虎様? 」
 「…………」
 いきなりの爆弾発言に、驚き固まる白虎の王子。しかもいつの間にか、漆黒に染まった髪と瞳の色が元に戻っているのです。
 「本当に真っ白で綺麗な髪よね。深紅の瞳は、まるで宝石のように輝いているわ。これが本当の貴方……そして偉大なる白虎の王の息子……これからは私だけではなく、すべての人たちにこの姿を見られてしまうのは悔しいのだけど……」
 「も……元に戻った? 先ほどのキスと愛の言葉でか!? 」
 白虎の王子は獣に変化してみます。すると立派な真っ白な白虎に早変りしました。
 「色も戻っている……なぜ……? 」
 不思議がる白虎の王子。
 「私は貴方の真実の姿が、半年も前から見えていました。これは王家の血統眼の鑑定眼が、神の眷属である貴方と交わり、力をため神眼になったからです。しかし貴方の呪いは解けなかった。私が貴方を愛していても、なんどキスをしても、貴方からの真実の愛が得られなかったからです。真実の姿を見せず、私からの愛を疑っていたから……」
  少女の悲しそうな姿に、白虎の王子は決心しました。
 「暫し待ってくれ。すぐに戻る! 」
 突如その場から姿を消した白虎の王子。その後……

 丈夫になった弟王子は、やがて真実の愛をみつけ、無事に呪いも解けました。実は白虎の王子は人間として生を終える決心をし、弟の王子に己の生命力を分け与えたのです。暫し姿を消していたわけは、姉姫と結婚して人間として生きることを、聖獣界の父王に許可を取りに行っていたのです。

 白虎の王子は姉姫と、無事に結婚しました。やがて沢山の子供たちに囲まれ、伴侶とともに国の宰相として、即位した弟王子を支えました。

 めでたし。めでたし。
 
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