元勇者で神に近い存在になった男、勇者パーティに混じって魔王討伐参加してたら追い出されました。

明石 清志郎

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7話:野営

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 今日はここで野営という事で収納空間からデラックステントを出し準備をする。予め作った状態で収納空間に閉まっているのですぐに出して準備することが出来る。

 「これまた凄いゴージャスな……」
 「本当にいいんですか?」
 「ああ……俺と同じ空間が嫌なら俺だけ馬車の上で寝るけどどうする?」
 「いえいえ、同じ布団でも問題ないです……」

 うん?俺の耳が腐ってなければ同じ布団って聞こえたけどこれは何かの間違いだよな。うん、そうに決まっている。

 「馬鹿!あんただけそんなのずるい……いやそういうのはまだまだ早いでしょ!」
 「ハッ!これは違うんです~決して願望とかではなくて、同じ布団で三人で寝ても大丈夫という意味で……」

 顔を真っ赤にしてユデダコのようだ。そんなミーナも可愛いわけだが。

 「ハハッ、わかってるから大丈夫だよ~二人は隣で合わせで寝て、俺は少し離れて寝るよ」
 「だったらジンさん、私、シーラの順にしましょう」
 「何言ってるのミーナ?ミーナ私ジンの並びに決まっているじゃない!」
 「何寝ぼけたこと言ってるのシーラ?」
 「寝ぼけてるのはあんたでしょう!」

 なんか変な喧嘩が始まったぞ……寝る並びの順番とか凄いどうでもいい気がするんだが……

 「まぁまぁ二人とも……俺はどっちでも大丈夫だし何なら離れて……」
 「「それじゃあ駄目!」」
 「あっすみません……」


 ◇


 「この並びは何かが違う気がするんだけど気のせいかな?」
 「いや、これで問題ないわ」
 「これがいいですね~」

 いや俺が大問題なんだが……右にシーラで左がミーナだと緊張して寝れなくなってしまう。結局二人で和解し始めたと思ったらこれだから困るけど、これでどっちかの隣を選択して喧嘩されるよりは遥かにマシだからな。

 「とりあえず寝る順番と準備は出来たし、ご飯の準備だね」

 テントと馬車の周りに、人も魔物も探知されないよう結界を貼り、人と魔物が嫌がるお香も置いておく。これで火を焚いたり、食べ物の匂いに釣られて来るようなことはない。

 「肉と果物で腹を満たすとしようか。肉は食べる?」
 「ええ、あるなら喜んでもらうんだけど……」
 「どうした?」
 「何から何まで手際いいので、より一層ジンさんがパーティから外されたのが理解出来なくて……」

 俺も実際の所、どういう理由で外れたのかよくわかっていない。理由についていくつかは予想がつくものの明確な理由はわからない。桜と一番親しかったのも原因の一つと言えるかもしれないが、それも推測の域をでないからな。

 「俺もわからなくてさ……まぁ今は二人がこうして迎えてくれたから、特に寂しくないから。二人は料理は?」
 「ある程度は出来るわ。だからローテで大丈夫よ~」
 「オッケー」

 ストックしていた肉を鍋の上に置き、火を焚く。この肉はモースという家畜の肉で味は牛っぽい感じかな。肉を色々食べたらこれが一番しっくりきた。しつこくないし臭みもそこまでないから食べやすいい。

 「二人は将来的に何を目指しているの?」
 「えっ、私達?」
 「冒険者やって旅してるし、何か目標でもあるのかなって」
 「そうだね……より高みを目指して街にいた奴らを見返したいからかな……」

 シーラは複雑な表情を見せる。昔何かあったのかもしれないな。

 「ミーナもかい?」
 
 ミーナもこくりと頷く。

 「まぁ人生色々だからね。きっとすぐにそんな奴らなんか気にしなくていいぐらい強くなるよ」
 「うん……」
 
 食事を終え、今度はシャワーだ。二人は諦めていたが俺が用意を出来ると言ったら飛ぶように喜んでくれた。収納空間からセットを出す。半径五十センチの円状の台に四か所金属の棒がささっており上にはシャワー口とそれに続くホースがありカーテンで体を隠せるようになっている。

 「これはどうやって使うんですか?」
 「そうだね。俺は男だし一人ずつかな。片方が裸になって中に入る。それで俺が魔法でお湯を出すから、もう片方は俺が覗かないよう監視。終わったら俺は一度退散するからその間に服を着るといった感じかな」
 「なるほど~あ、水と炎の属性が使えるから、水をお湯に出来るんですね~」
 「そういう事。早速テント戻る方脱いで中に入ったら教えて」
 
 一度テントに戻る事数分、ミーナが俺を呼んできた。どうやらシーラが先に使うようだ。

 「さて、それじゃあいくよ」

 大体三十八度ぐらいからがいいかな。これは実は練習して丁度いい温度を出せるようにしたのだ。勿論勇者達の前では使ってないが。

 「ひやぁっ!」
 「どうだい?」
 「凄い!いい感じだよ~」

 丁度よかったようでシーラは甲高い声をだす。途中から徐々に上げ、四一度まで上げたあたりでこれぐらいでいいという声が出たので温度を上げるのを止める。

 「そろそろいいかな~」
 「オーケー。それじゃあミーナが今度はこれで僕の目を隠して。ボディクリアの魔法をかけて垢とかを取り除くから」
 「はい!」

 ミーナが俺の目を塞ぎ、合図をするとシーラが目の前に来る。

 「それじゃあやるよ」
 「了解」
 「ボディクリア!」

 ちゃんと目の前にいたので魔法が成功する。これは体が汚いほどかけ終わるまでに時間がかかるので、どれぐらい汚いかもわかってしまう嫌な魔法でもある。

 「そろそろかな」
 「は、ヘェクション!」

 かけ終わると同時に後ろにいたミーナが突然くしゃみをして隠していた腕が目の前からなくなる。

 「あっ……」
 「あっ……」

 目の前には金髪で美乳なシーラの裸が目の前にあった。予想通り、色白で綺麗な体をしている。

 「これはその……」
 「このスケベェ!」

 しっかりビンタを貰いましたとさ。痛いけどこれで済むなら喜んで受けよう。

 「ごめんシーラ~」
 「全く……まだ早いっての……」
 「次はミーナだね、またテント戻るからその間に準備しておいて」
 「面倒だし私がその間に目を塞ぐわ」

 シーラは俺の目を手で塞ぐと、ミーナはそのまま服を脱ぎ始める。しかしこの服を脱ぐ音もなんかエロいな。脱ぎ終え中に入るとシーラが手を取り解除する。

 「それじゃあいくね」
 「はい」

 同じようにお湯を出ししシャワーを出し、それを終えるとさっきと同じように目を防ぐ。

 「ボディクリア!」
 「あっ、手が滑った~」

 シーラが勝手に手を放し今度は巨乳のミーナの裸が目の前に映し出される。仕返しのつもりでやったのだろうか。

 「キャァ!」
 「こらっシーラ」
 「私のも見たんだからしっかりミーナのも見ておきなさい~」

 何でそういう理論になるんだ……シーラに比べて少し肉付きがいいしこれもこれでありだ。

 「いつまで見てるんですか!?」
 「あ、ごめん。つい見とれちゃって……」

 慌てて目を閉じる。シーラみたくビンタが来なかったからアクションが遅れてしまった。

 二人がシャワーを終えたら今度は俺の番だが俺がやる場合、ホースを延長して中に入れて先っちょを持ちながらそこにお湯をだす。これ確かどっかの宿の廃棄したシャワーの一部を頂戴したやつだが使えるな。

 うんいい気持ち。だが何故か二人がまだ外にいて立っている気配がするんだが……

 「二人とも恥ずかしいからテントに戻っててくれない……かな?」
 「嫌よ!」
 「嫌です!」

 はい?俺の裸なんざ需要はないし汚いことこの上ない。見せるとか無理ですよ。

 「そんな~」
 「さぁ早くあんたの見てあげるからこれでおあいこよ」
 「そうです。大人しく見せなさい~」
 
 これまじどんな状況だよ。いやでも見せろとか言われると恥ずかしいわ。二人もまだ生娘だし。

 魔法で大事なとこだけ隠しておくか。

 シャワーを終え、あそこを魔法で隠した状態でカーテンを開けた。

 「おおっ……ってあんたそれは卑怯なんじゃない?」
 「そうです!私達のしっかり見たんですから~」
 「すいません。今日は許してください……」

 こういう時、男は不利だよな。これだってシーラの時は事故だしミーナの時はシーラが見せにきたんだから。

 「しょうがないわ。今度見せてもらいましょうか」
 「そうだね。ジンさんの肉体見れたしそれだけで今日は良しとしましょう」
 「流石は前衛も出来るだけあっていい体つきね」
 「ハハッ、大したことないよ。もっとマッチョマンはいるから」

 体をこうやってマジマジと見られるとこんなに恥ずかしいとは……今度からちゃんと目を瞑って気をつけよう。一度見たら頭から忘れることはないし。
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