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25話:チェックメイト
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城に着くと早速玉座の間まで連れて行かされる。行った先には陛下やその他の重鎮、ネイツ公爵や王子がいた。
「陛下連れて参りました」
シドが頭を下げ、俺達もそれに続いて頭を下げる。
「ご苦労、下がってよいぞ」
シドはそのまま下がる。すると国王は俺達の方を見る。
「お主らも楽にしてよい」
「それで陛下これは何の騒ぎで?」
「うむ、お主に嫌疑がかかっていてのう」
すると横にいるネイツ公爵が横でクスっと笑う。これも芝居だと言うのに呑気な奴だ。
「どういった嫌疑で?」
「お主がセーブルをたぶらかし、国王に成り代わろうとしているという容疑だ」
「なるほど……それでそれは誰が?」
「そこにおるネイツ公爵だ」
「おかしいな~あなたとは面識はないのにどうやって俺を疑ったのか聞きたいですね」
わざととぼけたような声を出してネイツ公爵に聞く。
「知れた事を……貴様が王女をたぶらかし、我が国を乗っ取るとするというのはちまたでは噂になっておる。自分の胸に聞くのが早いのではないか?」
なるほど……無理やりゴリ押しする感じね。ならもう速攻で決めてるか。
「あれれ~おかしいな」
とぼけた声を出したまま、ネイツ公爵を見てクスっと笑う。
「何がだ?」
「だって俺国王陛下に無実なのに疑いをかけてしまった事を謝罪する為に呼び出されたんですよ?」
それを聞いた周りがソワソワし始める。
「何を馬鹿な事を!貴様苦し紛れにそんな言い逃れをして陛下を侮辱するつもりか!」
公爵がそれを言った瞬間俺は国王のサインのついた調書を見せつける。
「これが証拠ですね」
「な、何!」
「全く陛下も人が悪いな~」
すると陛下は笑いながら席を立つ。
「フフッ、すまんなジン殿。茶番はここまでにしておこうか」
「ど、どういう事ですか陛下?」
「実はその容疑はもう晴れているのだ。娘やシドが彼の無実を証言してのう」
それを聞いたネイツ公爵は分が悪いと思ったのか顔色が曇る。
「し、しかしそれは本当なのですか?」
「娘と側近の言葉が信用できないと申すのか?」
「い、いえ……」
目の前にシドやセーブルがいるからな。国王に忠誠を誓い、周りからの評判のいいシドと加護を得て今や次期女王と噂されるセーブル二人を侮辱するような真似をここでするのは頭のいい行動ではないからな。
「それでお父様本題に入りましょうか」
セーブルが言うと国王が口を開く。
「実はセーブルたジン殿の命を狙った輩がいて、それを手引きした者がこの中にいるのだ!今回はその犯人についての話をここでしたい!」
国王が力強く言うと辺りは騒然とし、ネイツ公爵やゾーラ王子の顔色が一瞬悪くなるのがわかった。
「なるほど。そういう事なら自分もその事で話があったんですよ」
「どういう事だ」
「それを手引きした男をここに連れてきました」
「それは真か!」
「はい、シド騎士団長」
シドに合図をすると、扉からゲンダイがやってくる。
「その者は?」
「この者がその手引きをした者です。どうも誰かに頼まれたみたいなんですよ」
ゲンダイは玉座で跪く。
「話を聞こうか……」
「はい……私はネイツ公爵に脅され、セーブル王女とジン殿を殺すように働きかけろと言われました……」
よし、これでいい。計画通りに事が運びそうだ。
「それは真か!」
「間違いありません……家族を盾に荒くれ者達にそれを依頼しました……」
「で、デタラメだ!」
公爵は顔を真っ赤にして否定する。さっきの不気味な笑いはどこにいきましたって感じだな。
「陛下、自分はこの者に尋問をして一夜酒を飲みました。涙を流して自分に助けを求めてきました。何卒寛大な処置を」
「な、何が寛大な処置だ!私がは無実だ!その者が勝手に言っているだけだ。私を失脚させようとする輩が裏に潜んでいるに違いない!」
必死にもがいちゃって頑張るな~でも陛下もちゃんと知ってるんだよね。前々からセーブルを女王にする上で邪魔だなって思ってたらしい。あの火傷も加護の事もお前のせいで長年苦しんだってのも知ってて、その上命狙ったとか国王が許すわけがない。
「では私の魔法で真実を確かめましょうか」
「魔法だと……」
ゲンダイの頭に触れ、魔法を発動する。
「メモリービジョン!」
これは頭を触れられた本人がその時鮮明に出た記憶をビデオのように再現する魔法だ。ちゃんとこれも打ち合わせ済みで、目の前にゲンダイとネイツのやり取りが映し出される。
「これは……」
周りが神妙な顔つきでその様子を見る。立体映像の様にしてやり取りが再現される。
「暗殺ですか?」
「そうだ、セーブル王女とあの男を殺すよう、暗殺者を雇え」
「しかし王女を暗殺など……」
「もし断るようならお前の妻と子はどうなるかな……」
不気味な笑いを見せる醜い顔した爺の顔が玉座で露わになる。これ凄い恥ずかしいやつだ。醜態さらさせた事だけは謝らんとだな。
「そ、それは……」
「お前は今誰のお陰で生活ができている?妻と子を殺し、お前を監獄に送るなど造作もない事なんだぞ……」
「うっ……」
「頭の良いお前ならどうすればいいかわかるよな?」
「は、はい……」
「そうか。では暗殺の件頼んだぞ~」
ここで頭から手を放し映像を遮断する。ネイツ公爵も見事に顔を青ざめいい顔してやがるな。その顔が見たかったんだよな。
「ちなみに嘘だと困るのでそこのあなた」
適当に貴族を呼につける。
「私かね」
「はい、何か昨日の良い出来事でも思い浮かべてくださいな」
「わかりました」
貴族の頭に触れ魔法を発動すると、孫と散歩をする姿が映し出される。おじいちゃん大好きと言われ微笑むその姿が出る。
「これは昨日のあなたの出来事ですか?」
「間違いないです!これは凄い魔法ですな~」
まぁこれ結構上位の魔法だし、本来は準備もいるからこの世界では出来る人はいないかもしれないな。貴族のお爺ちゃんは感心したような表情を見せる。
「どうですか?これで信じていただけたでしょうか?」
勿論この魔法はすでに国王には見せており、これを実践するのも予定通りだ。
「うむ……どうやらこれは本当の様だな……」
「はい、もしこの魔法に嘘があるならこの場で他の方にもやって見せましょう!」
力強い声で言うと同時にネイツ公爵やゾーラ王子に向かってニヤついた顔を見せる。俺の命を狙っといてこの程度で済ますんだ。まだまだ優しい方だ。
「ネイツ公爵!何か弁解する言葉は?」
国王が力強い口調で威圧をする。この人も加護を受けているしそれなりの実力はあるからな。というかもう言い逃れ不可能だし素直に認めればいいのにな。
「これは……何かの間違いでは……」
「捕らえよ!」
国王の声と共に兵士達がネイツ公爵を捕らえる。そして俺はそれを見下ろしながら笑みを見せ、ネイツ公爵と王子に向かって念話をする。ちゃんと釘を打っておかないとだからな。
「(俺の命を狙ってただで済むとでも思ったか?)」
「(もしまた同じような事をすれば今度は貴様等の命を刈り取る!これは脅しではなく本気だ!)」
捕らえられたネイツ公爵はともかく、それを聞いたゾーラ王子は怯えるような表情でこちらを見る。
「(俺の命を狙ったお前等は本来死に値するが姉共に王位継承権を諦めセーブルが女王になるのを邪魔しなければ命だけは助けよう!)」
ここで強く脅せばもう何もしてこまい。俺が見た事のない魔法を使う得体の知れない男だというのはこれでわかっただろうからな。
「(もしセーブル王女に何かしたのが分かった時お前等全員を殺す。そしてそれでセーブル王女の命がなくなるような事があればこの国ごと消す!よく覚えておく事だ!わかったらな二回頷くんだな)」
するとゾーラは怯えた表情のまま、二回頷き崩れ落ちた。さてこれで解決だ。
「陛下連れて参りました」
シドが頭を下げ、俺達もそれに続いて頭を下げる。
「ご苦労、下がってよいぞ」
シドはそのまま下がる。すると国王は俺達の方を見る。
「お主らも楽にしてよい」
「それで陛下これは何の騒ぎで?」
「うむ、お主に嫌疑がかかっていてのう」
すると横にいるネイツ公爵が横でクスっと笑う。これも芝居だと言うのに呑気な奴だ。
「どういった嫌疑で?」
「お主がセーブルをたぶらかし、国王に成り代わろうとしているという容疑だ」
「なるほど……それでそれは誰が?」
「そこにおるネイツ公爵だ」
「おかしいな~あなたとは面識はないのにどうやって俺を疑ったのか聞きたいですね」
わざととぼけたような声を出してネイツ公爵に聞く。
「知れた事を……貴様が王女をたぶらかし、我が国を乗っ取るとするというのはちまたでは噂になっておる。自分の胸に聞くのが早いのではないか?」
なるほど……無理やりゴリ押しする感じね。ならもう速攻で決めてるか。
「あれれ~おかしいな」
とぼけた声を出したまま、ネイツ公爵を見てクスっと笑う。
「何がだ?」
「だって俺国王陛下に無実なのに疑いをかけてしまった事を謝罪する為に呼び出されたんですよ?」
それを聞いた周りがソワソワし始める。
「何を馬鹿な事を!貴様苦し紛れにそんな言い逃れをして陛下を侮辱するつもりか!」
公爵がそれを言った瞬間俺は国王のサインのついた調書を見せつける。
「これが証拠ですね」
「な、何!」
「全く陛下も人が悪いな~」
すると陛下は笑いながら席を立つ。
「フフッ、すまんなジン殿。茶番はここまでにしておこうか」
「ど、どういう事ですか陛下?」
「実はその容疑はもう晴れているのだ。娘やシドが彼の無実を証言してのう」
それを聞いたネイツ公爵は分が悪いと思ったのか顔色が曇る。
「し、しかしそれは本当なのですか?」
「娘と側近の言葉が信用できないと申すのか?」
「い、いえ……」
目の前にシドやセーブルがいるからな。国王に忠誠を誓い、周りからの評判のいいシドと加護を得て今や次期女王と噂されるセーブル二人を侮辱するような真似をここでするのは頭のいい行動ではないからな。
「それでお父様本題に入りましょうか」
セーブルが言うと国王が口を開く。
「実はセーブルたジン殿の命を狙った輩がいて、それを手引きした者がこの中にいるのだ!今回はその犯人についての話をここでしたい!」
国王が力強く言うと辺りは騒然とし、ネイツ公爵やゾーラ王子の顔色が一瞬悪くなるのがわかった。
「なるほど。そういう事なら自分もその事で話があったんですよ」
「どういう事だ」
「それを手引きした男をここに連れてきました」
「それは真か!」
「はい、シド騎士団長」
シドに合図をすると、扉からゲンダイがやってくる。
「その者は?」
「この者がその手引きをした者です。どうも誰かに頼まれたみたいなんですよ」
ゲンダイは玉座で跪く。
「話を聞こうか……」
「はい……私はネイツ公爵に脅され、セーブル王女とジン殿を殺すように働きかけろと言われました……」
よし、これでいい。計画通りに事が運びそうだ。
「それは真か!」
「間違いありません……家族を盾に荒くれ者達にそれを依頼しました……」
「で、デタラメだ!」
公爵は顔を真っ赤にして否定する。さっきの不気味な笑いはどこにいきましたって感じだな。
「陛下、自分はこの者に尋問をして一夜酒を飲みました。涙を流して自分に助けを求めてきました。何卒寛大な処置を」
「な、何が寛大な処置だ!私がは無実だ!その者が勝手に言っているだけだ。私を失脚させようとする輩が裏に潜んでいるに違いない!」
必死にもがいちゃって頑張るな~でも陛下もちゃんと知ってるんだよね。前々からセーブルを女王にする上で邪魔だなって思ってたらしい。あの火傷も加護の事もお前のせいで長年苦しんだってのも知ってて、その上命狙ったとか国王が許すわけがない。
「では私の魔法で真実を確かめましょうか」
「魔法だと……」
ゲンダイの頭に触れ、魔法を発動する。
「メモリービジョン!」
これは頭を触れられた本人がその時鮮明に出た記憶をビデオのように再現する魔法だ。ちゃんとこれも打ち合わせ済みで、目の前にゲンダイとネイツのやり取りが映し出される。
「これは……」
周りが神妙な顔つきでその様子を見る。立体映像の様にしてやり取りが再現される。
「暗殺ですか?」
「そうだ、セーブル王女とあの男を殺すよう、暗殺者を雇え」
「しかし王女を暗殺など……」
「もし断るようならお前の妻と子はどうなるかな……」
不気味な笑いを見せる醜い顔した爺の顔が玉座で露わになる。これ凄い恥ずかしいやつだ。醜態さらさせた事だけは謝らんとだな。
「そ、それは……」
「お前は今誰のお陰で生活ができている?妻と子を殺し、お前を監獄に送るなど造作もない事なんだぞ……」
「うっ……」
「頭の良いお前ならどうすればいいかわかるよな?」
「は、はい……」
「そうか。では暗殺の件頼んだぞ~」
ここで頭から手を放し映像を遮断する。ネイツ公爵も見事に顔を青ざめいい顔してやがるな。その顔が見たかったんだよな。
「ちなみに嘘だと困るのでそこのあなた」
適当に貴族を呼につける。
「私かね」
「はい、何か昨日の良い出来事でも思い浮かべてくださいな」
「わかりました」
貴族の頭に触れ魔法を発動すると、孫と散歩をする姿が映し出される。おじいちゃん大好きと言われ微笑むその姿が出る。
「これは昨日のあなたの出来事ですか?」
「間違いないです!これは凄い魔法ですな~」
まぁこれ結構上位の魔法だし、本来は準備もいるからこの世界では出来る人はいないかもしれないな。貴族のお爺ちゃんは感心したような表情を見せる。
「どうですか?これで信じていただけたでしょうか?」
勿論この魔法はすでに国王には見せており、これを実践するのも予定通りだ。
「うむ……どうやらこれは本当の様だな……」
「はい、もしこの魔法に嘘があるならこの場で他の方にもやって見せましょう!」
力強い声で言うと同時にネイツ公爵やゾーラ王子に向かってニヤついた顔を見せる。俺の命を狙っといてこの程度で済ますんだ。まだまだ優しい方だ。
「ネイツ公爵!何か弁解する言葉は?」
国王が力強い口調で威圧をする。この人も加護を受けているしそれなりの実力はあるからな。というかもう言い逃れ不可能だし素直に認めればいいのにな。
「これは……何かの間違いでは……」
「捕らえよ!」
国王の声と共に兵士達がネイツ公爵を捕らえる。そして俺はそれを見下ろしながら笑みを見せ、ネイツ公爵と王子に向かって念話をする。ちゃんと釘を打っておかないとだからな。
「(俺の命を狙ってただで済むとでも思ったか?)」
「(もしまた同じような事をすれば今度は貴様等の命を刈り取る!これは脅しではなく本気だ!)」
捕らえられたネイツ公爵はともかく、それを聞いたゾーラ王子は怯えるような表情でこちらを見る。
「(俺の命を狙ったお前等は本来死に値するが姉共に王位継承権を諦めセーブルが女王になるのを邪魔しなければ命だけは助けよう!)」
ここで強く脅せばもう何もしてこまい。俺が見た事のない魔法を使う得体の知れない男だというのはこれでわかっただろうからな。
「(もしセーブル王女に何かしたのが分かった時お前等全員を殺す。そしてそれでセーブル王女の命がなくなるような事があればこの国ごと消す!よく覚えておく事だ!わかったらな二回頷くんだな)」
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ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
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