巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

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第8章 新たなる冒険?の始まりかもしれない。

8-41 どうやらおかしい事に?

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 それらを混ぜて炒めてカレー粉、カレールーを製作した。この後は具やらの準備をしないといけないのだ。



 それで今から作るのは肉類を焼いて煮込み灰汁を十分に取っていく、もちろん肉には下味として塩胡椒をちゃんと行なっている。
 このカレー用の肉とは別にも、肉に下味処理して長時間煮込んでいる物も色々と準備している。

 その色々な物とは、まずピッグボワの肉を使い角煮を、ビルドタウロスの肉を使いビーフストロガノフやビーフシチューなど、コカトリスの肉で鶏肉の煮込みなど色々作っている。最終的にはこれらを完成させる為にはある物が必要だが、それは後で準備する事にする。

 今回作るカレーに使用する野菜類は、単純な物を使う事にしている。

 まずはおのずと知れたネギタマ、これは今炒めて作っている物とは別に大きめにカットして、次に人参とジャガイモ、この世界でキャロル、そしてイルモを使用する。

 果物でリンゴに近い物でアポルを使用する。これはジャムも作れるし、アップルパイモドキも出来る。

 今回使用する場合は、すりおろし一緒に炒めて煮込むと事にする。問題はこの世界には珈琲及びソース、醤油、それに味噌が無い。それにケチャップも無いから1から作るしかないのであった。

 ソース類は何とか近い物が出来たが一味足りない状態であり、醤油に関しては現在豆を使用して味噌を作りを密かにしているのでそのうちどうにかなる。今現在は魚を発酵させて魚醤は作ったが、これは今のところ癖が強いので使用は控えている。

 しかしこの世界にトマトが無いのでケチャップが作れない。それにソースの決め手にも困っていると、なんと不思議な事にこの世界のナスであるレスビがトマトと同じ物になることが発覚したのだ。そうこのレスビが熟し真っ赤になった物がトマトとまったく同じ様なものだったのだ。

 何故これに気が付いたのかは、実は使用人の娘数人達が色が変わりだしていたレスビや他の野菜類等を、出来るなら実家や孤児院に持って行きたいと、相談を持ちかけて来た時にそれが発覚したのだ。
「あの、ユウマ様。実はお願いがありまして少しよろしいでしょうか」
 ちょうど2日前俺が戻ってきたあの日に、使用人である娘、マイを先頭に5人の娘達が改まって相談に来たのだ。
「ん?どうしたの。5人揃って、また何かあった?」
 この娘達は俺の作る物に興味をもち、よく相談や手伝いに来てそれを自分達で実施している娘である。

「あのですね。実はおりいって相談が・・・・」
 マイとその娘達の相談とは次のとおりであった。

 どうもバーベキューのときに、シルフィーの父親である王様が持ってきてくれた物の中で、大量のレスビや野菜類があり、その大半は保管庫に収納したのだが、ある程度は普通の保管庫に収納していた。
 そのためある程度仕分けしていたが、やはり色々と変色等をしていた物が複数出てきていた。でも完全に悪い訳では無いのでそれを捨てるなら持って行きたいとお願いしてきたのだ。

 実を言うとレスビは緑色の状態で色が変わる前に、貴族や裕福な人達は調理して食べるのが一般的なのに対して、シルフォードの街外れの方に行くと熟して赤くなってから食べるのが普通で、レスビの色が変わりだした品物等を安く購入して、それが赤く熟してから食べていたらしい。

 それに熟すと酸味と甘味が出てフルーツの様な感じになるとかで、高い果実を買うより熟したレスビを貰うか購入する方が安上がりであった。
 ただ熟したレスビは何となく通常よりすっぱい匂いがしだし、これが腐っていると勘違いしているので世間ではこれを食べない事が一般常識らしい。

 しかし先程のマイ達が言うには、街外れや田舎の方ではそれをそのまま食べる人もいれば、料理にして食べる事もあると教えてくれた。

 これに関しては殆どの人が知らなく、赤く熟したら処分してしまう事が当たり前のようになっていて、逆にこれを食べていたら馬鹿にされてしまうので、今まで誰にも相談も出来なく、色が少し変化して捨てるのが勿体無く思っていたらしい。

 でも俺が発酵した物や変わった物を色々作りのを見て、自分達でも色々と挑戦して相談にのっていたので、俺なら説明したら大量にあるこれらを、街外れの実家や孤児院に持って行くの許してくれるだろうと相談してきたのだ。
「はい、なので出来る事ならこれらを持ってやりたいと思いましてその相談を・・・」
「ホントは私達も熟したレスビをたまには食べたいけど、それを食べてたら変な目で見られるの。だから」
 マイは相談事を言い、ミイが何気に悲しい顔をして愚痴をこぼしていた。

 それでその話を聞き、試しに例の熟成できる保管庫【熟成R保管庫】に入れ確認してみると・・・まさしくトマトだった。
「おいおい、これってまんまトマトじゃないですか?なんでこれを捨てるかな。まあいいや、ありがとマイ、それにミイ達も。それから実家や孤児院い持って行くならこれも持って行っていいよ」

 なのでその事を教えてくれた娘達には、もちろんそれを持っていくのは許可して、俺のアイテムボックスに保管していた一部の物を出してやった。

「えっ、ユウマ様、流石にこれは・・・私達には貰いすぎです」
「そうですよユウマ様。さすがにアイ達でも、これを貰う訳には・・・それにこれを持って行ったらパニックになるよ」
 それで俺が出した品物に驚いてマイとアイがそう言葉を掛けてきた。

 まあ、確かに今出した物は量にしても半端な物では無いし、彼女達5人では運搬は無理だろうな。

「そうだな。運搬がきついよな?ならカノちゃん達にお願いして運搬の手配をお願いしようか」
「いえいえ、ユウマ様そうでなくて、このような高級品を持って行くとそれだけで大変な事になります」
 どうやら俺が出した物は、量が多いのではなくあまりにも高級品ばかりだった様なのだが、俺にしてみれば大量にあるのでどうでもいい品物になっていた。

「うん、そうだよ。師匠これは流石に高級品過ぎるから誰も手をつけないよ」
「あの、ご主人様。出来るのであれば保管庫の中にある。若干傷のある物等を持って行く事を許して貰えれば、それで問題ありません」
 何故か俺の事を師匠と言うユウと、ただ1人ご主人様と言うメイがそう進言してきた。

「えっ、君達がそれでいいのなら別にいいけど、・・・・これはどうする?」
「はい、出来るなら、また直して頂くか保管庫に収納しときますけど、どうしますユウマ様?」
 それで結局はマイの言う事を聞き出した物は保管庫に直す為一旦俺のアイテムボックスに直し通常の調理場の保管庫まで持っていきそこに収納して貰った。そして一部だけは持って行って貰う事になり、後は安い物と少し状態の悪い物を持って行く事になった。

 それとは別にカノちゃんとリリアちゃんにお願いして、孤児院に匿名で寄付をしてもらうように手配した。
 それで5人には持って行くの問題ないが他にも色々持って行ってやるように言ってまた調理室に篭ったのだった。

 それがだいたい2日前であり、今現在は野菜類と肉類を煮込んでる間に、完璧なソース作りに挑戦している。ついでにケチャップの製作は、見事に成功を収めどうにか製品化に出来ないか考え中である。ちなみの以前作った手作りマヨネーズと簡単に作ったドレッシングが商品化に成功して今はなんと物凄い売れ行きだそうだ。

 そんなこんなで調理室に入って4日目になる頃にソース類が完成した。
 この時点でユウマは4日も経っているとは思ってなかった。

 ある程度、カレーの煮込みから色んな物を製作して、調理室に入浸って丸2日間、そしてソースやケチャップなどの新たな調味料の製作に2日間篭っていた。

 それでこの時点でリンカやレーネさん達から不思議がられた。ただユアとアリア、それと騎士団と一緒に魔獣モンスター討伐に行っていたユータとロンは不思議がってはいなかったようだ。何せこの4人には時たま顔を会わせていた。それに使用人達に関してはチョクチョク顔を合わせ、時たま例の5人には調理を手伝って貰ったり製作に協力してもらう為に会っていたからである。

「あれ?ユウ君、シルフィーさんやメグミン達とよその大陸を攻略してるんじゃなかったの?」
「はい?えっ、何時の話をしてるの?」
「えっ、だって3日前にミアちゃんが戻って来てそう伝えて、またどっかに行っちゃたけど?」
「あれ、ユウマさん。シルフィーとメグミさんは?一緒じゃなかったのですか?」
 リンカとレーネさんに、ミアちゃんからの伝言の話を聞きそれをユウマに話してくれた。

「いや、一緒だったけど。俺だけは先に戻って来たから・・・あれ、でも戻ってくるのは確かに遅いな?・・・あれ、さっきなんか不思議な事言って無かった。ミアちゃんがどうのって」
「ええ、ミアちゃんなら3日前に訪れて・・・・?あれ、でも確かユウマさんいましたよね」
「あれ、そう言えばユウ君屋敷内にいたよね?」
「はい、確かにユウマさんは食事の時、何度か見かけましたよ?なんでミアちゃんあんな事を言っていたのでしょう」
 レーネはミアの事を説明している時に、良く考えるとユウマの姿を見たのを思い出した。
 その話を聞きリンカとキュリカも頭に疑問符を出していた。

 そこへメイリーとミーア、そして白王狼ハクオウロウのランが、俺からのおつかいから帰ってきたらしく、こちらに声を掛けてきた。
「あれ、皆さんどうしたのですか、お揃いで?」
「あっ、お兄ちゃん。頼まれてた物買ってきたよ」
「ん?ああ、ありがとう。ミーア、メイリー、それとランも」
 2人と1匹にお礼を言って品物を受け取ったが、その光景を見てますます不思議がる3人に対して、今度はユア、ミナとアリアの3人が加わり、その後からユータとロンが来たことにより、ますます訳の解らない事になってきた。

 どうやらこの時点で、ミアちゃんが俺とシルフィー、そしてメグミさんが、何日か戻らないとまで伝えていたから余計におかしい事になっている。
「いやでも、確かに俺は・・・・!? あれ、そういえばバーベキューをやった日からどれだけ経ったっけ?」
「えっ、ユウ兄。もうボケちゃったの?」
「何言ってんのよ。もう、ユウ君は、あれからもう4日は経つよ」
 ミナに何気にひどい事を言われ、その後にリンカが呆れて答えていた。



 この時点でユウマもおかしい事に気が付き、フィーナに連絡を取ろうとするとちょうどみんなが戻って来た。


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