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第9章 戦いの中で真実を?

9-13 フィーナ様が・・・?

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 その様な内容ならそんなに悩む事もないし、今回は事前にある程度その戦闘の内容も、解ってるのでそこまで深く考える必要のない。



 それで、再度確認するつもりで俺はフィーナ様に声をかけた。
「なら、俺達はそのメリウェルって言う街に行けばいいんですよね。フィーナ様」
「うん、そう言う事になるわね。マリエルも、それでいいわよね」
 フィーナ様が俺の質問に答え、マリエル様に確認を行なった。

「んーん?なぁ、なぁ、ユウマさん。あんただけでも、ウチとこの手伝ってくれへんかなぁ」
 マリエルがフィーナの確認を聞き、ユウマに近付き腕に胸を押し付け、抱き付き色仕掛けでおねだりしてきた。

 するとフィーナ様がそんな俺達の様子を見て・・・《プチッ》何かが切れる音が聞こえた様な、そう思った瞬間・・・!?

 フィーナの額に、今まで見たこと無いような青筋を立てマリエルを睨みつけた。そして、なんともいえない禍々しいオーラを出して、マリエルの前に仁王立ちした。
「マーリーエールー! あんたそれ、始めっからユウマさんに解決して貰おうとしてない?何よ、その態度と行為は、あんた、私に対するいやみかしら」

 流石にそのフィーナ様の雰囲気はただ事じゃないらしく、マリエル様の表情が若干青ざめていた。

「・・・・そっ、そんなこと・・・・・ごにょごにょ・・・・!?」
 あきらかにフィーナ様が言うような事を考えていたみたいで、マリエル様はビクビクしながら・・・必死にフィーナ様から視線を逸らしている。

 そんな事をしても無駄だと思うのに・・・ほら、捕まって・・・!?
 先程から今迄、ユウマの腕にしがみ付いていたマリエル様を強引に引き剥がさた。しかも、ただ事ではないほどの電撃が、しがみ付いていたマリエル様の腕を伝って俺にまでダメージが・・・。
 ちょっと、痛かった。でも、なんだフィーナ様の周りにさっきまでは、禍々しいオーラが漂ってたけど、今はその周りに紫電が走ってる・・・はっきり言って怖いんだけど・・・。

 そんなユウマの考えとは別に、フィーナの可愛らしい攻撃がマリエルに炸裂していたのである。

「何!この口がまたふざけたこと言ってるの。それにこの胸でユウマさんを誘惑するつもりかぁ。そんでまた自分は努力しないで、丸投げしようとしてるのかしら。ええっ、このデカ乳娘!」
 フィーナはユウマからマリエルを引き剥がすと、口と言うより頬の部分を両手で引っ張ったあとに、マリエルの豊満な胸を鷲掴みして、もげんばかりに掴みあげていた。

 ありゃりゃ!フィーナ様、完全に切れて怒っちゃったよ。まあ、そりょあ、そうかあんだけ迷惑をかけられた挙句、自分で努力をしようとしないからな。

 フィーナは、際ほど胸を掴んでいた手を一旦放して、マリエルの頬を摘み両側にまた引っ張りだした。
「この口が言うの、この口が!・・・・・」
かへんにふへはぁかんにんしてーなほーはんやじょーだんやゆひへーはぁゆるしてーなひぃーはひゃんフィーナちゃん。うあっん、いやや、ホンマゆるっし・・あんっ」

 フィーナはマリエルが喋ってる途中で目の前で揺れている物体に視線を向け、マリエルの豊満な胸をみながら指をワキワキさせてまた掴みかかった。
「それにこの無駄に大きい胸が、胸がぁぁぁぁ・・・」
「いやぁん、やめてーな、あん、フィーナちゃぁぁん。やめてーなぁ!?」
「よし!こんな物は、もいでしまおう、うっふっふっふっ・・・」
「やめてーな。もがんとうてぇな。てか、もいでしもたら・・・・」

 フィーナ様はマリエル様に対して相当頭に来ているようで、マリエル様のホッペをつまんで、めいいっぱい引っ張って文句を言っていたかと思うと、そのあとはっマリエル様の胸を揉みしだいて・・・なんか今度はもぐとかいってるし。
 もぐとかそんな話は抜きにして、美少女が絡みあうのは、健全な俺にはちょっと刺激が・・・ぐっへへ。

 そして、その手を離したと同時に、マリエルに冷たい視線をフィーナが向けて言い放った。
「ちょっと今回は、私・・・ホントに頭にきたわ。今回の件では、ユウマさんには一切マリエルの手伝いはさせません。その胸をもぐなら別だけど・・・」
 そう言い放ち何故か冷たい視線を俺のほうにも向けてきた。

 えっ、なんで?俺?俺も・・・もしかして、今のフィーナ様とマリエル様の行動を見て顔に出てた・・・俺、それに知らない内にフィーナ様を怒らしてた?・・・やべぇ、早めに謝らないと今度は俺が今みたいなめにあうかも、もがれるのは流石に嫌だ。今のうちに、あやまっとこ。
「フィーナ様。なんか良く解らないけど・・・ごめんなさい」
 俺は何が悪かったか解らないが、とりあえず土下座して謝ったら、何故か先程まで今迄に見たことが無い怒りの表情から一変して、フィーナ様は驚いた表情になり目を白黒させて答えた。

「ふぇ?何でユウマさんが謝るの?私が頭にきてるのはマリエルだけだから、別にユウマさんは悪くないわよ。どうして土下座までしてるの」
 あれ?でも、さっき間違いなく、俺にも冷たい視線を向けてたよね。気のせいだったのか?

 その様に考えていると何時の間にかフィーナ様達の視界に入らないように、隠れて様子を見ていたシルク様がユウマのうしろから袖をチョンチョン引っ張ってきた。

 そちらに視線を向けると、シルク様がフィーナ様の見えない位置にいて、いつもの守護天使の3人と他の守護天使達に関しては、部屋の端の方に逃げているか、この部屋を出て行ってしまっている。それに部屋の隅に行っている三人は、何故か蛇に睨まれたネズミの如く震えていた。

「ユウマさん。あの娘、フィーナは一旦切れると見境がなくなるのよ。余り刺激しないで矛先がこっちに来るから。お願いユウマさん」
 シルク様も、まさかのガクブル状態に陥って、ビクビクしながらユウマに話し掛けている。

 しかし、そんなシルク様に状態をよそに、いつもの雰囲気に戻ってるフィーナ様に声を掛けた。
「フィーナ様。質問いいですか?」
「ほぇ、どうしたんですかユウマさん?そんなに改まって?」
 おりょ、やっぱりいつものフィーナ様だよな?さっきのはなんだったんだろうか?

 その様に思っていると、シルク様は何故か驚いて隠れていた場所から姿を見せフィーナ様に語り掛けた。
「フィ、フィーナ?・・・大丈夫なのかな?もう・・・怒ってないのかな?」
「何言ってるのシルク?何でそんなに怯えてるの?それにミア達まで?あんなところに?・・・それはそうとユウマさん質問て?」
 どうやらやはりいつものフィーナ様だ。とりあえず先程事を聞かないと。

「フィーナ様、さっき言ってた事は、本気ですか?その俺が手を出さないって事は・・・」
「ん?・・・ええ、本気よ。今回はホントに頭に来たから。ユウマさんは手を出しちゃだめ。マリエルには、今回、反省の意味を含め、自分のところくらいは自分で如何にかして貰うわ。だからユウマさんは、マリエルのところは気にしないでいいわ」
 最終的にはやっぱり俺は今回手伝う必要が無く、手出しは一切不要となってしまった。

 しかし、さっきのフィーナ様はいったいなんだったのだろうかが、一番不思議であった。

 それに今だマリエル様は、自分の胸を隠しつつ何かブツブツと言いながら涙を流していた。
「・・・ごめん・・胸だけはもがんといて、グスッ、こんなん大きくなって、ごめんやでグスッ、フィーナちゃん・・・でも、これはフィーナちゃんがいつも揉むから・・・・ううう」

 ちなみに後でシルク様に聞いたら、普段本気で怒らないフィーナ様が、何かのきっかけでぶちきれる時があり、今回は真面目に話して対策を打っているのに、マリエル様がこの間の事を反省せずに、楽して解決しようと考えていた事に対してと、しかも俺に色仕掛けを使ってお願いをしてきた事に対して、怒ったとのであろう事を教えてくれた。

 それで一旦怒りが頂点に達すると、シルク様達でも対処が難しいらしく、2、3日は怒りがおさまらず、その間が大変な事になるそうだ。だが、今回は不思議とすぐに収まったのでよかったそうだ。
 まあ、その今回の犠牲者はマリエル様だったので、自業自得ともシルク様は仰っていた。その犠牲者のマリエル様は最終的に気絶して目を回していたのであった。

 それで、とりあえず今回の話しは終わりにして、一応役割を決めた分を対処するために、俺とフィーナ様、それとミアちゃんは下界に戻る事にしたのであった。

 このとき終始、何故かミアちゃんがフィーナ様には近付かず俺の側を離れないで、ずっとフィーナ様の様子を伺っていたのは言うまでも無かった。
 まあ下界に戻りみんなと話をする時には、元どおりのミアちゃんに戻っていたが、その時シルク様に聞いた様な質問をしたら、だいたい同じ様な回答が帰ってきたのであった。

 後日、この間の事でマリエル様が訪れ、フィーナ様に土下座して謝っていたのは言うまでも無い。ただ、やはりこの間の事は許せる事では、ないようなので俺は今回手伝わない方向で決めてしまったようであった。

 しかし、フィーナ様はその後でこそっと、どうしようも無くなった時には手を出すように、俺にお願いしてきた。



 やはり、なんやかんやあっても優しい女神様だと、この時はユウマは思ったのであった。


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