巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

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第9章 戦いの中で真実を?

9-44 何故か突然、月姫と雪姫が実体化?

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 まあ、階下には行けるので、今迄どおりティナから連絡があるまで、階下に降りて探索を続けて行こうと考えている。



 それでみんなも食事が終ったので、早速行動を起す為に話し掛けた。
「それじゃ、飯も食べたし出発の準備をして、調査を始めようか・・・」

 みんなに話をして準備をする為に自分の部屋に向おうとすると、その扉が開け放たれ少女達が声をあげながら飛び出してきた。
『主様!お腹空いたよ。なんか食べさせてよぉぉぉ』
『お姉様、待って下さい。主様、すみません』
 そう飛び出して来たのは聖霊の姿である月姫あった。それからもう1人その後に雪姫がついて出て来たのである。

 はっ?何で月姫と雪姫が・・・実体化できる様になってんだ?今迄散々変化が無かったのに?どういうことだ・・・。

『あれぇ?月ちゃんと雪ちゃんだ。何で実体化出来てるの?確か昨日まで居た所では、反応も何も無かったのに?』
 確かにファルが言うように、前にいた森では散々声を掛けても反応が無かったのに?どうして突然、実体化できるようになったんだ?

『えっ?なに、何を言ってるの?月達は何の事か解んないし知らないよ。てっ、大体月達が刀に戻って主様達とゲートを通ったのが、さっきじゃなかったけ?』
 はい?どういうことだ・・・さっきゲートを通った。

『えっ、どういうこと?月ちゃん、雪ちゃん?』
「うんうん、どういうことなの?私達も知りたいよ。ねぇ、ユウ兄!」
 ファルが月姫の話を聞き不思議がって尋ねた。アリアも気になったようである。

「あっ、ああ、どういうことだ?さっきゲートを通ったって?」
 月姫が嘘をつく筈はないし、それにさっきゲートを通ったていってるけど・・・。

『ええ、今回私達は主様の武器として、ここに来た筈ですけど?それが確かさっきだったと思うのですが?ただ、何故か私達は空腹なのですよね。いつもは近くに主様が居れば魔力を供給されるので空腹になる事が無いのですが・・・おかしいですね。あっ、主様!月はケーキがいいな、あれが食べたい。ねぇねぇ、雪は何がいいの』
『もう、お姉様ったら。すみません主様。私も同じ物でお願いします』
 月姫も雪姫のお腹が減ったということでケーキをお願いしてきた。

 あっ、れっ?でも、なんかおかしな事になってるような。でも、事実、時の迷宮ダンジョンのゲートに入った後から月姫と雪姫の反応が無かったから・・・なるほど、ゲートを潜った時点から2人は行動を停止した状態になっていたのだろうな。えっ、それだとおかしいよな?それなら何でお腹が空いてるんだ。普通だったらその時点で・・・?

「なあ、そんなにすぐにお腹が減るものなのか、雪姫、月姫?」
『そう言われますとそうですよね?今迄こんな事はありませんでした。ねえ、お姉様』
『うん、初めてだよ?だいたい月達は主様と離れていても魔力は、通常どおり貰えるからお腹が空く事なんてないんだけどね。何でだろう?それにさっき急にだよ』

 ん?どういうことだ。さっき急にって事なら今迄は問題なかったて事か・・・あれ、俺の考えてる事とちょっと違うな? 俺はてっきりあの森にいた約11日間だったから・・・その間魔力供給できてないのかと思ったけどそうじゃないみたいだな?

 ただ、月姫と雪暇が行動できなくなっていたのは、間違いなくあの森・・・あの魔人族が言っていた辺境の魔界の森が関係していたのかも知れない。まあ、今回はちゃんと月姫と雪姫も聖霊の姿で実体化できたという事は、やっぱりあの森というかジャングルの迷宮ダンジョン?が原因だったのかな?

 まあ、いいや、以前みたいな事になると困るから今度はそのままの状態で一緒に行動しようと思う。
「なあ、月姫と雪姫とりあえずこれから先はその姿のままでいいからな。また、反応がなくなったら困るから」
『ん?何を言ってるの主様?月達はいつもどおりだよ』
『どういう事でしょう。主様?私達は今迄どおり問題ありませんけど?』
『ああ、そっか、月ちゃんと雪ちゃんにとっては時間が経過してない事になってるのかな?マスター!私から2人に話しとくからお菓子を準備してあげて・・・・』

 月姫と雪姫の感覚では、ここに来たのはほんの数時間のような感じみたいだ。それで今迄の経緯をファルが2人に説明をする前に、2人が俺にお願いをしてきたケーキは何がいいか確認した。

「それで2人はケーキがいいって言ったがご要望は?」
『主様、主様っ、月はロールケーキが食べたい。それとお菓子!』
『主様、すみません。私はフルーツケーキをお願い致します』

 どうやら俺のアイテムボックス内に収納しているケーキやお菓子類で問題ないようである。まあ、確かに大量に入っているけど、何でデザート類?よくよく考えたら魔力を直接吸収すればすぐだろうに?・・・そう思っていると、2人に説明する前にファルが変わりに答えた。

『マスター、今さぁ、直接魔力を吸収すればいいと思ったでしょ?』
「ん、ああ、そう思ったけど何で?」
『うん、それがね実は、昨日からマスターからの魔力が吸収できなくなってるの?さっきまで気のせいかなって思ってたけど、どうやら間違いないと思うよ。まあ、私はアリアからも貰えるから、そこまで無いけどあの2人はマスターから直接貰えなかったらお腹を空かせると思うよ。まあ、ここには魔素がかなりあるから今後はその問題ないと思うけど・・・』
 どうやら月姫と雪姫に説明する前に聖霊である3人で確認し合って、現状の俺と聖霊の3人の魔力の供給が殆ど出来ない事をファルが説明してくれた。その説明の細かい内容ではどうやら昨日のある時から俺の魔力を供給が出来なくなっているそうだ。
 まあ、すぐ近くでならある程度は吸収できるのだが、一定の距離を開けるとまったく魔力を吸収できなくなっていたそうだ。

 ただ、その時は何かの影響で一時的だとファルはそう思い、気にせずにアリアと一緒に寝ていたらしいのだが、月姫と雪姫が実体化して空腹を訴えてきて、先程確認したら間違いないと確信したようなのである。

「はあぁ?でも、別に俺は何もしてないぞ。まあ、アイテムボックスに例の卵が・・・!?まっ、まさか聖竜セイントドラゴンの卵が原因か?」
『うん、たぶんそうだと思うよ。今も物凄い勢いで、マスターの純粋な魔力、聖なる魔力を吸取ってるもん。魔力の流れを聖霊視で見ると凄いよ。マスターじゃなかったら死んでるよホント・・・』
 ファルが妖精の姿から俺達と同じ姿である聖霊の姿になり、俺の体内に流れる魔力の流れを確認して教えてくれた。



 ただ、その事を教えてくれる時に、物騒な事を言っていたが、その事には触れたくない。ますますおかしな事になりそうな気がしたからである。


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