巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

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第9章 戦いの中で真実を?

9-93 魔神達との戦闘準備?

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 そう言い放ち悔しがる魔神ドロスは、続け様に攻撃魔法をその暗黒の光に向けて放ち続けているのであった。



 ユウマ達は、また呆気に取られてその光景を見つつ、溜息を吐いていた。
「はぁっ、あいつらも懲りないね。なんで仲間割れするかな?まあ、あいつらが協力して攻撃をしかけてもきてもきちんと戦うけどね。・・・それで君達は、なにをしてるのかな?ジャンケンなんかして・・・」
 ユウマが独り言の様に話していると、ユウマと雪姫を覗いた全員で、何故かジャンケンをしていて、魔神達の事は完全に無視をしていた。

 それで俺の質問に対してアリアが答えてくれた。
「えっ、今から戦う相手をそれぞれ決めてるんだけど?・・・あっ、ユウ兄は駄目だからね。なにがあっても戦うのは最後だからね!」
 みんなで何をしてるかと思ったら、戦う相手を決めてるようであった。

 こんな時に何をやっているのやら・・・まあ、1人で戦う訳でないようだし、どうやら3人一組で戦うようであるが、誰がどちらかと戦う順番を決めているようである。
 ちなみに雪姫はその戦闘をするチームの中には、混ざらないようである。どうやら俺がどちらにも手を出さない事を見張るということらしい。

 いや、そんな事しないでも邪魔はしないよ。でも、危険だと判断したら、すぐに手を出すけど・・・まあ、その心配は無いと思う。
 実際本物の魔王竜との融合進化なら、話しは変わっていただろうが・・・何せ、あの卵は例のモンスター卵だし、精々良くても・・・まあ、それは俺が心配する事じゃないんだけどな。

 そんな事を考えている間に、誰がどちらと闘うか決まったようである。

 それでチーム訳の結果、魔神竜?いや、その可能性はないが、そちらの方をアリアとファル、それと月姫の3人で相手をするようだ。
 俺としての願いは、月姫が満足するような相手である事を願うが、それは余り期待できないようである。今悔しがってる魔神ならまだしも、もう1人の魔神は融合進化してもたいした事がないような気がする。
 それにさっきの漆黒の結界の中に居る時の状態なら、もしかしたらかなり期待が出来たかもしれないが、現状そんなに強くならないような気がするのであった。

「あ~あっ、俺の期待と願いは恐らく叶わないんだろうな」
『えっ、どうしてですか?主様!』
「えっ、だって雪姫も解るだろう。あの進化しようとしてる相手は、絶対に月姫は満足しないと思うぞ。それにアリア達と一緒じゃ、すぐに終るような気がするし」
『あっ、そうですね。多分お姉様は満足しないでしょうね。まあ、お姉様の事は帰ったら私共々、主様が面倒をみてくださいね♪』
 えぇぇぇ、マジでか!せめて防御力の高い奴で、長時間持ってくれればいんだけど・・・あっ、いいこと思いついた。しかし何故雪姫も、しかも何気にお前は楽しんでないか、それに喜んでいるし?

 恐らく俺の願いは叶わないだろうが、1つだけ思いついた事があった。それはさっきあの状態なら進化しようとしてる相手も、少しは強くなっていいとこまで行くのではと思い。こっそりと進化している相手に強化魔法を掛けたのである。
 うしししっ、これならいいとこまで、行くんじゃないかな。精々アリア達よ頑張りたまえ・・・。
『えっ、主様!今のは流石に・・・』
「ゆっ、雪姫ちゃん。今の事は見なかった事にしてくれ。幸いあいつら月姫とアリアは気が付いてないみたいだし、ファルは俺の狙いは解ってるだろうからな。お願い!」
『えっと、まあ、いいのですけど・・・大丈夫ですか?あれだけ強化しちゃって』
「ん、まあ、防御力だけだし心配する事は無いんで無いの。それにアリア達はそれ以上に強いし・・・」
 事実ユウマが相手に掛けた強化魔法は、防御力と耐久力を上げただけに過ぎなかったのであった。ただその強化魔法を掛けた相手が、ユウマが思っている以上に弱かったら殆ど意味がないのである。それは融合進化を果たした時に結果が解るのであった。

 それで、もう1人の魔神の相手は、ロンとミーアの2人と、聖魔狼ホーリーフェンリルであるランで戦う事になったようである。

「なるほど、もう1人の魔神はロン達が相手するのか、それで雪姫はどうすんだ?」
『はい、最初は両方の様子を見て支援と回復をするつもりだったのですが、主様の考えですとお姉様達の方は、余り手助けしない方がいいのですよね。それに・・・回復に関しては殆ど必要ないようですし、ここに主様と一緒に戦いを見ておきます』
 それで雪姫は戦いには参加していないので俺の側で戦いを観戦するようだ。ただ、月姫達の方は俺の考えに賛同してくれて、手伝いはしないそうだが、ロン達の方は支援魔法でサポートするようである。ただ、回復に関してはよく解らないが、現状必要ないと判断したらしい。

「うん、解った。そうだロン!ちょっと来い」
 俺はある事を思い出しロンを呼び寄せた。

「はい?なんですか、兄貴!」
「ほれっこれ、以前お前が欲しいって言ってたやつだ。渡すの忘れてた」
 そう言ってロンに以前頼まれていた武器を渡したのである。

 それはロンは魔導師を極めようとしていたが、槍術も器用に使っていた。ただ、槍を杖代わりしていても長さが微妙で魔術を使う時少し邪魔になるので、その相談をされたので時の迷宮ダンジョンにいる間に製作していた。 それで【創造魔法】で土台となる本体を創造製作して、【錬金術】で合成して製作した龍氷魔槍杖
ドライグノードを渡した。
 これは槍状の場合は、刃の部分が装備者の意志で展開するモノにしている。ただし展開する場合は魔力が必要となっている。
 何故なら竜の牙を使用しているので、魔力を流さないと刃が展開しない、しかし魔力をその竜の牙に流す事で、氷の刃と光の刃が展開するようにしている。しかも、流す魔力量や強さでその刃も強力になるのである。
 それに杖状の時は、あらゆる魔法野威力が2倍から3倍の威力に増幅するようにダイヤと黒水晶を取り付けているのである。
 ちなみに竜の牙は、実は聖竜セイントドラゴンの卵を見つけた場所の近くで落ちていた物を使用したのであった。ダイヤと黒水晶はダンジョン内で普通に見つけた物を、使用しているのであった。

「あっ、兄貴!これ出来たんですか?ありがとう御座います。僕の無理なお願いを聞いてもらって」
「ああ、とりあえずお前の要望どおりには、してるけど威力は保障しないぞ。あと、もし不具合があったらすぐに教えろよ。まだ、完全に調整してないからな」
「はい、解りました。ありがとう御座います」
「使用方法は、お前の言ってたとおりにしたから、問題ないと思うからな。あと、それとミーア達にも伝えてくれ、あの魔神は殺すなってな」
「えっ?・・・どうしてですか?」
「まっ、いいからいいから。殺しさえしなければ、後はなにをやってもいいからさっ」
 俺がロンにそうお願いすると、ロンはそのお願いを不思議に思っていたが、しぶしぶ了承してミーア達の場所まで戻っていった。



 それでロンがミーア達に合流したと同時に、まだ融合進化を終ってない奴には、手を出さずもう1人の魔神ドロスの方を、その場から引き離すように最初にミーアとランが動き出した。


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