巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

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第12章 新しい家族と新しい場所

12-15 時間停止の間の処置方法と?

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 だが、流石にそこまで上手い事行かないのかと、思っていると・・・・。



 あれ?ミーアの様子が変だが何故だ?確か魔法袋マジックバックの中を・・・あっ!?
「お兄ちゃん?これ、中に魔法回復薬マジックポーション一つも入ってないよ?替わりに魔石が?あれでも色が違うのかな?・・・でも、間違いなく魔石だよ!」
 ミーアがそう言って赤色の魔石を一つ取り出したのである。

「ありゃ?・・・あははっ、渡す魔法袋マジックバックを間違えた!・・・・これだ、ごめんこっちのやつだ!変な事に無駄な時間を使わせちゃった。これから俺が言った回復薬を出してくれるかな?それでかなり時間短縮ができるから・・・」
 先程魔石を取り出した時点で、ミーアも物を持ち出す事は出来るし、魔力を通わせると少しではあるが時間を進める事が出来るようだが、今それを試す時間は無いので、さっさと俺の考えている処置をハーフ亜人の娘達に行なう事にした。

 それでハーフ亜人の娘達に行なった処置についての結果を話すと、実際にハーフ亜人の娘達の奴隷紋は疎か奴隷契約と共に施された全ての解除は出来、ハーフ亜人の娘達は自由の身となった。

 それではまず処置の説明を話すと、俺の考えたとおりにハーフ亜人の娘達には、時間を止めた状態でホントに一旦死んで貰った。正確に言うと死んだと刻まれた奴隷紋に誤認させたのである。

 それこそ奴隷紋の削除と呪術や魔術を解除を行なう為に、その部分の・・・そう魔力が溜まっている部分、今回はどちらかと言うと奴隷紋が発動していた娘がいた事により、その部分が簡単に解析というより、直ぐに解ったのだ。だから短時間での処置が可能だったし、その奴隷紋が誤認する時間も短時間の済んだので、全てが上手くいったのだ。

 単純に言うと奴隷紋のある場所が背中のある位置、そうちょうど心臓がある位置で、しかも魔力を奴隷紋自身が持っている訳でなく、その奴隷紋を刻まれた者の心臓から魔力を供給していたから今回は簡単にすんだのであった。
 結果的に言うと最初は俺自身が、奴隷紋の解除を全て行なったうえで、全ての呪術と魔術の呪いを俺が受け、ハーフ亜人の彼女達には時間が止まった状態で、全ての呪いを受けて貰い。その後解呪を試みるつもりだった。だがその心配も無く、俺もそのリスクを負わずに済んだ。

「いやぁぁ、今回はミーアが居てくれたのが、大助かりだったよそれにここまで処置上手く行くとは思わなかった。でもしかし、流石にこれはひどい奴隷紋だな。まさか奴隷紋を施された者を・・・」
 何せ奴隷紋を施された者が死んだ事を奴隷紋に誤認させた途端に、奴隷紋が消滅したまではホントに何も無い状態だったのだが、その後その奴隷紋の刻印があった場所から皮膚が溶け出したのだ。

 恐らく通常の時間停止状態で奴隷紋の解除作業を行なっていたら大変な事になっていたが、今回はより上位の術で世界の時間を止め、奴隷紋の削除を行なったので溶けた肉体も、あくまで俺が強制的に時間を進めた場所のみだった。なので最初の方で処置を行なった娘達以外は簡単で普通の処置が出来たが、最初に行なった4、5人の娘の肉体の一部を溶かしてしまったのは可哀想だが、しょうがなくその部分を抉り取った後に治療処置を行なった。

 まあ、実際時間を止めているので彼女達はその時の痛みとかはないとは思うが、時間が動き出した時に何かしらの違和感か痛みが残っているかもしれない。

 流石に今回の行為では、ミーアが同じ時間停止の空間に居てくれたので、時間的にも20メリテ程で終わらす事が出来たが、今回は最初に漫才みたいなボケをしたのを差し引いても、俺1人だともう少し時間が掛かっていて色々と処置後のケア等の準備も出来てなかったと思う。
 もちろん処置が全て終った後は、メグミさんの手にその後の処置内容と理由を書いた手紙の入った封筒を握らせた状態で、少し離れた位置に、いつものログハウスを出しその中に念の為ミーアと共に入ってから【時間静止タイムズレスト】を解除したのだ。

 いつもなら俺1人だけでいいのだが、今回は何故かミーアもあの時の止まった世界の中で普通に動けていたので、その後がどうなるか解らないので念の為に一緒にログハウス内である程度の準備をしてから時間を動かす様にしていた。まあ、このログハウスの中に居れば俺の関係者以外は入る事は出来ないので、万が一俺達の仲間の誰かが入ってきても事情を書いたボードを置いているので問題は無いのである。

 それでいつもの様に対処を行ない時間を戻すと事にしたのである。

 準備も全て終って俺はミーアに確認の為に声をかけた。
「じゃあ、ミーアそろそろ時間を動かすぞ!いいか?」

「うん、いいよ!お兄ちゃん、準備できたよ」
 どうやらミーアはいつもと同じような感じでいるが、今回はソファーに座った俺の横に腰を落ち着かせてから返事をしてきた。

「それじゃ!【静止解除レストアウト】・・・・」
 その言葉と共に、予想どおりではあるが俺の時間が停止してしまった。だかこの時点でミーアの方はというと・・・・。

 そう俺と同じ停止した時間帯を共用していたと言うのに、不思議とミーアにはその影響は無いどころか変化自体も全く無く、通常どおり動く事が出来ていたのだ。
「・・ん!?ううん?あれ!あれあれ?おっ、お兄ちゃん?・・・なんで、ミーアはちゃんと動けるけど・・・お兄ちゃん・・・は、やっぱり止まってる?まあ、いいや!とりあえずメグミお姉ちゃんに説明しないと、一応手紙は残したけど混乱してると思うから、急いで戻ろう・・・」
 ミーアは自分が動ける事を不思議に思いながら、とりあえずはユウマから念の為にお願いされていた事を実行する為にログハウスより出て行った。

 それで【時間静止タイムズレスト】の解除をしたと同時に、メグミに掛けてあった【単体静止ワンオブストップモーション】の魔法の効果もユウマが任意に解除したので、全く違和感なくメグミは動ける様になり、時間が止まる前にユウマに言いかけていた言葉をユウマがいなくなっている場所へと知らずに投げかけた。
「・・・・これって蘇生薬じゃ何の!えっ、ユウ君何するの!?そんな事より彼女達を・・・って、あれ?ユウ君?・・・ミーアちゃんもいない?あれっどこいったの2人とも?それにここって・・・あれ?」

 流石にメグミも訳が解らず、とりあえずユウマに文句を言おうとしたのであったが、目の前にその言葉を掛ける人物がいない事に気付き、不思議に思い周囲を見渡した。すると側にいた筈のミーアの姿も見えない事の気付き、自分のいた場所の雰囲気が変わっている事にも気付いたのである。

 そうそこは先程のハーフ亜人の少女達が寝かされていたはずの、ただの雨よけだけの天幕の中の様子とは違い、ちゃんとした建物の中にある診療所みたいなベットが多数ある場所であり、メグミ関しては先程まで簡素な木で出来ただけの台座の椅子みたいなのに座っていた筈なのに、いつの間にかちゃんとしたソファーに座っている事に気付き、手には一通の手紙の入った封筒が握らされていた事にもやっと気付いた。
「何、この手紙は・・・?それよりも2人は・・・?あっ!?それどころじゃないわ。あの娘達は・・・」



 ただやはりメグミにも一瞬のうちに、目の前の状況が変わっている事に混乱していて、実際封筒の手紙どころではなかったようで、直ぐにそれを確認して見る事をしなかった。


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