巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

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第13章 新たなる冒険の始まり?・・・そして。

13-21 嫌な感じの雰囲気が・・・?

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 それから5人である場所を目指して移動中に、不思議な感覚にとらわれたと同時くらいに、嫌な感じの雰囲気が漂い始めたのであった。



 まず最初に感じた不思議な感覚とは、周囲の空気が一瞬変わった感じがしたのだ。強いて言えば体が一瞬軽くなったような感じだったが、直ぐにその感覚は無くなった。

 ・・・なんだったんだ。さっきの感覚は、なんか一旦俺の力が戻ったような?・・・気のせいかな。それにその後に感じた嫌な感じは・・・。

 そうこの嫌な感じに、俺の他に気付いたのはリナだった。ただ俺は言葉には出さなかったので、最初に気付いたのはリナと言う事になる。
「ちょっと、ユウマ!止まって。みんなも出来るだけ静にして嫌な感じがするし、これって恐らく・・・?」

 俺と共に先頭を歩いていたリナが、俺の前に手を出し止めてから振り向き、アリスとレパードに向けて伝えたのである。ただしその嫌な気に感ずいたリナの顔色が、最悪な状態になっていた。
 それに今迄俺に対しては『あんた!』や『そこの人!』等と言って、絶対に名を呼ぼうとしなかったリナが、余程テンパッテいたのだが、俺の名を声に出し停止させてきただけでは無く、その俺の前に出した手で、俺の腕を掴んだまま震えていたのだ。しかも何気に助けを求めるような雰囲気だった。

 ・・・そこまでなのか?まあ、確かに嫌な感じではあるけど、俺にとっては大した事ではないが、確かに一旦体と気分が軽くなった後に、重く感じ嫌な気と邪気を感じるからな。

 そんな事を俺が考えている中で、アリスが不思議そうに答えた。
「どうしたの。リナちゃん?突然・・・ん!?なんでユウマの腕を握ってくっ付いてるの?」
 アリスのその言葉を聴き慌ててリナは、俺の腕を離し顔を赤らめてそっぽを向いてしまった。それとは別で何故かアリスは頬を膨らませていた。

 その2人の事を無視した状態でレパードも不思議に思いリナに尋ねた。
「それはそうといったいどうしたんだリナ?我々は急いで目的の場所に向かわないといけないのだが・・・ん!?」
 どうやらこの嫌な感じの雰囲気に気付いているのは、リナと俺だけのようだったのだが、レパードも何かしらのでアリスの方は気付いてない感じで、特に不思議がっているのだ。その事はリナも気付いた様で、何かしら感じたレパードを含めちゃんと説明し話し出した。

「うん、あのね!悔しいけどユウマも気付いているみたいだけど・・・どうやら悪魔族に私達の居場所が気付かれてるみたい。ついでに言うとさっき結界を張られちゃたみたいなの。でも誤算だったわ。まさか強行手段で来るなんて・・・」
 ・・・確かに嫌な感じは気付いたけど、悪魔族が関与してるとは、全く思ってないんだが・・・。

 それでリナの説明では、どうやらこの嫌な感じの雰囲気は、悪魔族の奴等が張った結界の影響だと言う事が判明したが、俺が周囲の気配を探っている範囲では、ここ2、3日のウチに怪しい感じの者は、もちろん以前見た事ある奴等に似た感じの気の者は、全く近付いて来てはいなかった筈だ。
 ・・・リナは何を持って悪魔族と判明したのかが、俺には理解できなかったが、もしかしたら俺の知らない能力で感じてるのかもしれない。

 ただ俺が感じてる嫌な感じのする気は、俺達が向かっている場所の近くからリナの言う結界を張られた感じのような気がするし、この結界は俺達に向けて張っている感じでもなかったのだが、どうやらリナはその部分を勘違いしているようだ。なのでその部分を助言しようとして声をかけた。

「なあっ、リナ!説明してくれたのは解るんだけど、この感じは・・・」
「ユウマは黙ってて!これは私達天使族と悪魔族の因縁の戦いなんだからね。貴方にはやって貰いたいことがあるから・・・」
 しかし、俺がその事を口に出そうとすると、見事に遮られてしまった。しかも因縁の戦いとか言って、俺の事を頼りにしてるってどう言うことよ。

 たっ、確かに、その事はいいのだが、この状態で勘違いしたまま警戒して移動していたら、身が持たなくなるんだが・・・。それにこれは俺達に気付いて張った結界ではないし、俺達が向かってる場所の近くから発生しているのだが、リナは俺の言葉を聞いてくれそうもない。まあ、この先移動する時に俺が気を付けておけばいいかな?



 そう思いながらアリスとレパードの方に視線を向けると、どうやらアリスも嫌な感じには気付いたらしいが、全員が違う事を感じているようだった。


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