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第13章 新たなる冒険の始まり?・・・そして。

13-37 正門後方では・・・?

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 そんな事を俺達がしている中で、取り残された騎士達の行動はというと・・・・。



 やはりとは思うが・・・最初は大人しく騎士達も命令を聞いていたが、突然その命令を出した指揮官?いや、身奇麗な人物の1人が・・・俺達の乗って来た馬車を奪い取り、それに続く様に他の指揮官達や今まで気付かなかったが偉そうな貴族の連中が、慌てて馬車に乗り込んだと、同時くらいに物凄いスピードで街に方へと向かって行った。
 その行動をその近くで一部始終見ていた他の騎士達はもちろん・・・他の作業をしていた者達も唖然としていた。そして、次の瞬間・・・大混乱が起き散り散りと統率の取れない状態でみんな逃げ出したのである。

 ただ俺達をここに連れて来た騎士団の一員とその隊長が、どうにかしようと他の逃げ出した者達とは、あきらかに違う行動をし始めたのであった。そこにはよく見るとレイパルドが指揮をしている姿を確認したのだった。

 何故その様な事態が起こっていたかは・・・ここでまた時間はホンの少し遡り、ユウマ達を止める為一緒に正門の屋根まで付いて登って来た騎士達の行動から始まる・・・。

 ~~☆~~☆~~

 騎士達の視点から・・・。
「姫様!どうかおやめ下さい。正門の上は危険です」
「皇女殿下もおやめ下さい・・・」
「それと貴方もいい加減に・・・」
 2人に騎士が必死に、リナとアリスを止めようと必死にリナ達の後を追いかけて行くが、何分鎧が重いのかちょっとした段差で手こずって、少しづつ距離があきはじめていた。・・・と言っても既にユウマ達は目的の場所にたどり着いていた。

 そこへ少し遅れて追いついた騎士達5人は肩で息をしながら、先に到着していたリナ達に代表して1人の騎士が声をかけようとした。
「姫様!ホントにいい加減に・・・」

 1人の騎士がリナに話し掛けようとしたが、どうも他に付いて来た騎士とリナの様子がおかしい事に気付き、他の4人の騎士達の表情を見た。すると一緒にリナ達の行動を止めに来た騎士の仲間達の表情が、青ざめてある場所を見つめたまま動かなくなっていたのだ。

 それでリナに声をかけようとしていた騎士が、他の騎士達とリナが見ている場所に視線を移すと・・・そうそこには驚きの光景が広がっていたのだ。何せリナ達を止めようとしていた騎士達に入っていた情報では、少数の悪魔族が正門の外に攻めて来ていたので、正門を閉じ迎撃の準備をしだしたのが、ホンの少し前だった。
 だが今正門の屋根から見える光景は・・・はっきり言って腰を抜かす事態となっていた。というより実際腰を抜かし完全に思考を停止している者もいたのだった。

 その中で1人の騎士が恐怖のあまりに・・・声をあげたのだった。
「なっ、なんでだ!ホンの少し前は10程度の相手だったのに?なんなんだあの数はぁぁぁ・・・」

 その声に恐怖のあまり思考停止していた騎士の面々が、一斉の叫び声に似た声をあげた。
「うっ、嘘だろ!いつもの弱い悪魔族が数人だったはずなのに?そっ、それになんであんな数の殺戮デスマシーンが・・・」
「ひっ、ひぃぃぃ!あっ、あれは魔族の王?何故こんな所に!それに!うわぁぁっ・・・」
「うっ、うわわわわっ!かっ、勝てない。こっ、殺されるぅぅ!にっ、逃げないとぉぉぉ・・・」

 その悲鳴に似た声を上げた途端・・・最初の目的だったリナ達の行動を止めに来ていた事を忘れ・・・一目散に慌てて正門の屋根からすごい勢いで、登ってきた道順を逆に降りていった。そのスピードは重たい鎧を着ているとは思われないほど、軽やかでしかもとんでもない速さで地上まで降りていたのだった。

 騎士達5人は地上に降り立った途端、先程正門の屋根で見た事を一瞬忘れて、自分達が物凄い速さで降りれたことに驚き、先程までいた正門の屋根、そうリナ達の方を見上げて息を整えていた。
 一旦、何故慌てて降りて来たのかを・・・5人全員が何故か忘れていて、1人の騎士が思い出した様に他の4人に声をかけた。
「おっ、おい!俺達なんでここまで慌てて降りたんだっけ?」
「えっと・・・かつて無いほど速く動けたから・・・なんだったけ?」
「何かとてつもない恐怖で全てを・・・」
「「「「「あっ!?」」」」」
 5人ともホントに必死に降りてきたのだろう、当初の目的であるリナ達の行動を止め連れ戻す事を完全に忘れ、先程正門の屋根の上で信じられない光景を見た事を報告に行く事を忘れていたのだ。あまりの恐怖で一時的に記憶が消失したような状況に陥ったようだ。

 しかし、その幸せな記憶喪失は、長く続かず不幸にも5人一斉に、事の重大性を思い出したのだ。



 まあ振り返り屋根の上で、騎士達の様子を見ていたユウマを見て・・・先程の光景を思い出し5人は一斉に騎士隊長や指揮官、それに街の貴族達が会議をしている筈の建物に駆け出して行ったのだ。


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