巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

文字の大きさ
515 / 557
第13章 新たなる冒険の始まり?・・・そして。

13-36 正門での現状は・・・?

しおりを挟む



 それで時間は少し遡り、ユウマ達がいた筈の正門での爆発後の状況は、実際どうなっていたかと言うと・・・。



 正門付近には、敵である数十体の殺戮デスマシーンの一撃を受け、周囲が黒煙で目視できない状態になっていた。ただし黒煙の中・・・というより黒煙の障壁の後ろではちゃんと正門は、無傷のまま存在していたのだ。
 まあ正確に言うと正門への被害は・・・殆どというか全く無く正常な状態だったのだが、ただ正門前の地面とその周囲は、溶岩のように赤くドロドロの状態になっていたのだ。もちろんその場に居た筈の魔物や悪しき者などの姿はどこにも無い状態であった。
 恐らくその事を確認出来たのは、ユウマだけだったがその点は全く気にしてなかった。

 それで現状とんでもない攻撃を殺戮デスマシーンから受けた割には、正門だけは殆ど変化無く地面が溶けるだけの熱量を浴びているのにも関わらず・・・正門は無傷のままその場所に存在していたのだ。ただし敵の方からは黒煙が漂っているので、状況は全く見えてない状態だった。

 その事を確認し、安心して声をだした。
「おっ!ちょっと不安だったけど、上手くいったみたいだな。でも、どうなってんだ?俺の魔法は・・・それとなんだよあの攻撃は、地面が溶けてら・・・それに味方もろ共かよ」
 目の前で起きた事を俺は確認して、少し不安だったが思惑どおり成功したので安心した。なにせ実際に攻撃を受けないと俺が使用した魔法の効果が解らないので、実際発動し手効果があるかどうかが全く見えない状態だったからだ。

 なにせアーストリアにいる時は、いつもなら魔法の発動と効果が手に取るように解るのだが、如何せんこの訳の解らない世界に来てからというもの、自身の持つスキルもなのだが魔法に関しても上手く動作してるのかが、今の状態では解らないし効果がどの程度なのかが解らない状態だった。
 なので、実際に上手くいったかどうかは攻撃を受けてみないと防御結界が張られているかが、全く解らない状態だったのだ。まあ実際に正門は疎か俺達も無事なので、今回は上手くいったのであった。

 俺が今回使用した結界魔法が上手くいき、安心して黒煙が上がってる方向を見ていると、その同じ場所の光景を・・・うっすらと目を開けて見たリナが不思議そうに俺へ尋ねて来た。
「えっ、ユウマ!これはいったい・・・えっ!?何をしたのよ?これって・・・」

 そうリナが不思議がるのも最もだ。実際にこの場所は攻撃と共に光には包まれたが、放射砲による影響自体はほとんど無かった。それどころか爆発音も爆風さえもこちらには届いてない状態だったのだ。
 ついでに言うとアリスもリナの側にいるが、リナ同様何が起きたのか解らず目を瞬かせ頭を傾げて不思議がっていた。

 なので簡易的に説明する事にした。
「ん!ああ、あの機械人形達が何か仕掛けそうだったから・・・そうだな!事前に魔法で防御結界を展開してたんだけど、上手くいったみたいだな・・・それでこっちには全く影響は無いよ」
 しかし、良かった!俺のスキルや魔法の展開が確認出来ないから、上手く魔法が効果を発揮するかが少し心配だったけど、上手い具合に防御結界の魔法が発動してよかったよ。最悪魔法が発動しなかった時は、2人だけ連れてこの場から逃げる準備だけはしていた。
 それにいざとなればここに居ても、2人だけは護れる自信だけはあった。けど俺達の後ろに広がる街や騎士達を護れる自信は正直なかったし、全く考えてなかった。
 それに護れる気も・・・実は全く無かったので、正直防御結界が発動してくれたので、ちょっと安心していたのだ。何せアリスにお願いされていたからだ。

 そう思い俺は少し後ろの様子を再度安心しながら確認した。すると地上では・・・先程の騎士達の言葉を聞いたのだろうか、慌てふためいていた指揮官数人(一番偉そうな奴)は、こともあろうか騎士隊長達と騎士達になにやら命令を出した後に、俺達が乗って来た馬車を奪い取り・・・街の方へと消えて行ったのである。

 その事を不思議に思い・・・側にいたリナに確認する事にした。
「なあ、リナ!あれってどう思うよ・・・」

 流石のリナも俺が視線を向けていた場所に気付き、その様子を一部始終見ていたようだ。ついでにアリスも見ていたようだ。
「ありゃりゃ?あの人達・・・私達の馬車使ってどっか行っちゃたね・・・」
「いっ、言わないで・・・ちょっと恥かしくなってきたわ。なんなのよ・・・あいつら」
 リナは落胆したような表情を見せ、俺とアリスから視線をそらした。



 そんな事を俺達がしている中で、取り残された騎士達の行動はというと・・・・。


しおりを挟む
感想 798

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

ありふれた聖女のざまぁ

雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。 異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが… 「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」 「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」 ※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

処理中です...