巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

文字の大きさ
110 / 557
第5章 王都シルフォードに向けて出発かもしれない。

5-27 どうも様子がおかしい・・・?

しおりを挟む



 どうも様子がおかしい、何故かと言うと聖碑は確かに壊れている。
 それは、目に見えて間違いないのだが、その周りに変な石碑みたいなのが立っているのである。



 念のためフィリアが、ミーアに聞いてみたら。
「ミーア、あの石碑はなに?あんなの建ってたかしら」
「えっと、見たこと無いですの?それに昨日まで無かったはずですの」
 フィリアの質問にミーアも見たこと無いと答えた。

 それにその石碑の様子がおかしいのは、明らかである。

 何故なら、その周囲から魔素が異常に発生している。
 しかも、邪気の混ざった魔素なのである。

「フィリアさん?これって・・・まずくないですか?」
「ええっ、まずいって物じゃないわよ。・・・・とにかくこの石碑は壊しましょう」

 そう言ってフィリアは、目の前の石碑に近づき確認していた。

「うーん駄目ね。これは簡単には壊せ・・・!?」
 そう話そうとしたフィリアの横で。

《ビシ、ビシッ、グッバサァァア》と音を立てて石碑が粉砕した。

「へっ?壊しましたけど、まずかったですか?」
 フィリアが、石碑を鑑定して、どうも今の装備とアイテム、そして所持してる魔法やスキルでの破壊は無理だと判断していると。

 その横で何気ない顔で、石碑を破壊していたユウマの顔を見てフィリアが声をかけた。
「あっ、あんたどうやって。この石碑を破壊したの?しかも粉みじんに・・・・」

「えっ!えっとただ単に魔法を使っただけですけど?」
「はぁ、魔法って。どんな魔法で破壊できるのよ?」
「えっ、えっと。あのですね。秘密と言う事で・・・駄目ですか?」
 目を泳がせて最終的に秘密と言ったユウマだったが?

「そう、秘密なのね?・・。」
 フィリアが、若干声を震わせて。
「そんな、言葉で済む訳無いでしょう。正直に言いなさい。さもないと」
 冷たい目で睨みつけて、何かの魔法を詠唱しだした。

「うっ、うわっ、はっ話します。話します。だから魔法の攻撃をやめて下さい」
 そのユウマの言葉を聞き入れた様に見せ掛けてフィリアは、有無を言わさず詠唱が終わった魔法を放った。

「えっ、マジで!うっそでしょう。ああっ・・・・。あれ?」
 両腕で顔を伏せて、フィリアの放った魔法を受け止めようとしたが、何時まで待っても衝撃が来ない。

 すると後方で《ズッゴゴゴン》と重低音に近い破壊音が聞こえた。

 そーと、その音がした場所に視線を向けて見ると。
 そこにある石碑は無事で砂埃が舞っていた。

「この通り。魔法じゃ破壊できないのよ。この石碑は!なのにどうしてなの?」
「てぇっ、どんな魔法を。てか最初、俺を狙ってませんでした?」

 そう言ったユウマを見てから先程放った魔法の説明をした。
「放った魔法は、【加重力空間爆破グラビティスクエアボム】て言う、重力系の究極破壊魔法よ。そりゃ、あなたが質問に答えなかったら、最初は当てるつもりだったわよ。それで、どうやったの?」
「えっ!答えなかったら当てるつもりだったんですか?・・・・」
 ユウマはこの時、この人怒らしたら絶対にやばいと思い、素直に答えた。

「えっと、ですね。俺の持つスキルで【創生魔法】てのがあってですね。それで魔法を作りました。で、その作った魔法は【超高速波動振ちょうこうそくはどうしん】と言うんですけど。そのぅ物体と言うか固体に、その超高速で振動波動を当てて粉砕、破壊する魔法ですけど・・・」
 この言葉を聞いたフィリアは、もう心底呆れた顔をしてから首を横に振って。

「はぁっ、でもこれ、ただの石碑じゃなくて、リグライト結晶を使用した邪陰水晶よ。しかも、オリハルコンで表面を加工して石碑に見立てているだけで石じゃないのよ。そのうえご丁寧に破壊不能の付与までしてあったの。それと周りに呪詛を施しているから、直接触ったら何らかの状態異常を受けて危険なのよ・・・?なんであんた平気なの」

「えっ、えっと先程言った魔法を石碑に触れながら放って、その時手から聖光気を同時にぶっ放したんですけど。駄目でしたか?」

 フィリア曰くこの石碑は、実際は石碑でなくオリハルコンの中に邪陰水晶という水晶が埋めこまれていて。
 その邪陰水晶は、元々聖碑の中にあった聖光水晶の逆の性能を持つ物らしい。



 そして、その石碑に触れた者には、何らかの状態異常を引き起こす呪いの、おまけまで付与されていると説明していたが。


しおりを挟む
感想 798

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

ありふれた聖女のざまぁ

雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。 異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが… 「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」 「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」 ※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ

karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。 しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

心が折れた日に神の声を聞く

木嶋うめ香
ファンタジー
ある日目を覚ましたアンカーは、自分が何度も何度も自分に生まれ変わり、父と義母と義妹に虐げられ冤罪で処刑された人生を送っていたと気が付く。 どうして何度も生まれ変わっているの、もう繰り返したくない、生まれ変わりたくなんてない。 何度生まれ変わりを繰り返しても、苦しい人生を送った末に処刑される。 絶望のあまり、アンカーは自ら命を断とうとした瞬間、神の声を聞く。 没ネタ供養、第二弾の短編です。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

処理中です...