巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

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第5章 王都シルフォードに向けて出発かもしれない。

5-37 魔人族との戦闘の前に?

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 ユウマは少年達が勝つ事を信じていたので、素っ気無く返事をした。



 そして、少年達の戦闘が始まろうとしていたが、その前にやる事がある。

 それはアリアの剣が、折れて使い物にならなくなっていた。

「ちょっとまってくれ。アリア!」
 アリアを呼び止めたら、ユウマの前までやってきた。

「なに?どうしたの。ユウ兄?」
「うん、アリア。君の方は大丈夫かい?あんな事があったばかりだし」
「えっとね、ホントの事言うと今でもすごく怖いよ。さっきは私の右腕が無くなってすごく痛かったし。それにまたさっきみたいになるかもだし、もしかしたら最悪命を落とすかも知れないって考えたらすごく怖いよ。でもね、もしここで怖がってあきらめたら」
 そこまで語りユウマの目を真剣に見つめてから、また続きを話した。

「ここであきらめたら、みんなと・・・ううん、ユウ兄と一緒に冒険できなくなる。それにみんなを守れるくらい強くなりたいの。みんなに頼られて勇敢に戦うユウ兄みたいになりたいの!」

 その訴える様に声をだしたアリアの瞳を見て強い意志を感じた。
『そこまで俺の事を美化して見ていたのか?これはめったな事いえないし失望させる訳には行かないか』
 そう思いながらアリアの頭に手を置いて撫でた。
「そっか・・・なら、ファル!君の方は大丈夫かい」
『うん。でも、妖精の姿に戻るにはまだ魔力と、精霊力が足りないかな?マスターのそばにいたらそのうち回復するけど、今は無理。でも剣本来の力なら使えるよ。でもなんで?』

「なら、すまないが。アリアに力を貸してやってくれないか?」

『うーんと、うん!アリアならいいよ。気質もマスターと似てるし、アリアなら私の力を使えると思うから』
「へっ、俺とアリアの気質が似てるって?」
 そう声に出してアリアの方を見てみると、何故かにやけていた。
「えっ!私とユウ兄の気質が似てるの。えへへへぇ・・・」

 ユウマとファルの会話を聞いていたアリアが、ユウマの前で気質が似ていると聞いて照れているが、とても喜んで笑顔を向けてきた。

「えっと、とりあえずアリア。君の剣が使い物にならないから、これを」
 そう言ってファルを、剣に姿を変えているグランドファルシオンをアリアに渡した。

 すると、アリアが両手で剣を受け取って、包み込むようにして持った。
「ファルちゃん、よかった無事で」
『ううん、アリアこそ傷を負ってたのに、私のために身体を張って守ってくれたもの。それに・・・』
「どうしたの。ファルちゃん?」
『何でもないよ。アリア』
 このときファルは、もし最初に現マスターであるユウマに巡り会わなかったら、もしかしたらアリアが自分のマスターになっていたかもと思ったが言葉には出さなかった。

 それにユウマの事は、すごく気に入っているし恐らくファルが頼めば、今後も自由にアリアを手助けさせてくれるはずだとも考えていた。

「そっか、ならよろしくね。そしてお願い力を貸して」
『オッケー、今からあの魔人族にリベンジだー!』

 そして、アリアがユータ達と合流した。
「なあ、なあっ兄貴と何話していたんだ?」
「そうですよ。なんかにやけてますけど?」
「アリアちゃんだけずるいです。私もユウ兄様とお話したかったです」
「えへへっ!あのね。ファルちゃんも一緒に戦ってくれるってほら」
 そう言って剣へと姿を変えたファルを見せていた。



 そしてみんなで声を出し気合を入れて、魔人族の男との戦闘が開始された。


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