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第5章 王都シルフォードに向けて出発かもしれない。
5-39 魔人族と少年達の戦闘開始? その2
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ユータは、何か途方も無い力に目覚めようとしていた。
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「何故だ、何故ここまで力の差が開いた?それにさっきと明らかに動きが違う。このままでは・・・」
スレーボは、このままではジワジワと追い詰められてしまうと思い。
如何にか打開策を考え周りを見た。
『よし、今度はあの一番後ろにいるメスガキを捕まえてやる」
今度は、一番弱そうなメイリーを狙って煙幕を再度張って、気配を消し姿をくらました。
気配を消して慌てず悟られない様に、そっと近づこうとしていた。
「ふふふっ、あのメスガキを人質にしてから、形勢をかえて?・・・うっ!なんだ身体が動かない?どうなって、えっ・・・」
スレーボが、何が起こったのか解らず身体が動かそうとしても動かない。
なのでスレーボは自分の身体の周りに視線を向けて確認した。
すると周りには薄い光の膜が出来ていて、そのうえ身体には光の鎖みたいな物で縛られていた。
「なっ、なんですかこれは?ちっ、力が抜ける。それに、この鎖みたなのは何なんですか?」
そう三つ目の勘違いは、決してメイリーは弱そうな子では、なかったという事である。
このときメイリーの魔力、MPが異様な速さで回復していた。
そしてスレーボに拘束魔法の【聖光の呪縛】とユウマと同じ魔法の【聖鎖拘束】を彼に解らないように詠唱して放っていた。
この【聖光の呪縛】の魔法は、何時の間にか取得していたようで、本来は聖女にしか使えない筈の魔法であり、効果は邪なる者を浄化する力だった。
だが今この戦闘をしている周りには、それを知る者はいなかったので後に知る事になる。
それと【聖鎖拘束】の魔法は、ユウマが使用していた魔法を見て憶えた様だ。
普段は見ただけでは覚える事が出来ないはずなのだが、これに関してもメイリーは、そのずば抜けた魔法センスと、みんなを守りたいと思う気持ちから現れた【魔法解析】と【魔法構築】のスキルの力だった。
「アリアちゃん今です。やっちゃってください」
そう言葉に出してスレーボの近くにいた、アリアに声をかけていた。
『馬鹿め。このメスガキに攻撃が出来る訳なかろう。恐怖で動けないはずだ』
スレーボはそう思って、アリアの方を無視していた。
そもそもこの考え自体が間違えていたのである。
そしてスレーボの四つ目の勘違いは、アリアは決して恐怖心等に犯されていなかったと言う事だ。
このとき彼女は、腕を切り落とされた恐怖心はすぐに克服していた。
その恐怖心を克服する速さは尋常な速さではなく、そしてそれに呼応する様に何かの力が覚醒しかけていた。
スレーボに関しては、先の戦いで不意を突いたとはいえ、アリアの片腕を切りつけ切断した事で恐怖心を植えつけたと思い込んでいた。
『馬鹿がこいつは、恐怖心で身体が萎縮して攻撃の際に隙ができるはずだ。まあ恐怖の余り攻撃事態して来ないだろう』
などとスレーボは思っていたが、しかしこの考えは自体が間違っていた。
なぜならユウマとこの戦闘前に話をして、アリアは気持ちを落ち着けたのもあるが、ただ恐怖に狩られた人間が自分の身を犠牲にしてまで、他者を助ける勇気があるはずが無い。
このとき既にアリアは、恐怖心より目の前で助けられるものがあるなら見逃す事が出来ず、それを見過ごす方が余程恐怖であると考えていた。
そして自分が死に掛けて傷つくよりも、その事で仲間が傷つく事の方を恐れていた。
なのでこのときのアリアは、自分の持てる限界の力と魔力を振り絞って攻撃の準備をしていた。
そうこの先みんなが傷つき倒れない様に、そして魔人族の男スレーボに倒す為に、自分のもてる最高の一撃をあたえる為に、剣に戻ったファル、精霊剣グランドファルシオンに魔力を込め集中していた。
するとこのとき目の辺りが熱くなっていき、不思議な感覚を感じていた。
「なに?この感じ、とても不思議。目が熱くなってくるけど、全然嫌な感じがしない。それよりも・・・」
そう感じていたアリアに、剣の姿のファルが語り掛けてきた。
『アリア!私の力を貴方に託すわ。今の貴方なら私を使うのにふさわしいから』
「そっか!この力はファルちゃんの力なんだね。とてもやさしい力・・・ありがとう使わせて貰うよ。ファルちゃん」
すると精霊剣グランドファルシオンが、ユウマが持っていた時と同じ様に白く輝きだした。
しかしファルはこのとき自分の力だけでは無く、アリアがユウマと同じ様に気を練り介抱していると、答え様とした。
『そうじゃ、無いんだけど。まあ、いっか・・・』
アリアに説明しようとしたが、今は戦闘に集中するのを最優先として説明するのをやめた。
実はこのときファルが説明しようとした事は、恐らくユウマと同じ魔眼が開眼しかけている兆候だと教えようとしていたのだが、それは後で教えても支障がないと思っていたからだ。
まあまだ完全に開眼した訳ではないし、急いで説明する事でもないとも思っていた。
それに魔眼を完全に開眼していないにしても、その威力はかなりあるはずであったのでそのまま集中させた。
そしてアリアは、剣をスレーボに向けて振りかぶり切りかかった。
「喰らいなさい。この悪党がぁぁ」
何度も剣を切り付けながら、溜めていた力を解放していった。
すると数回切り付けた頃に、剣には、蒼白い炎の様なオーラを纏い始めて、最高の力が宿った一撃を魔人族の男スレーボに撃ちつけた。
「何故だ!何故恐怖心を乗り越えてすぐに攻撃ができる。こいつらの思考はよく解らない。しかもなんだこの力は?これでは・・うぎゃぁぁぁ・・・」
《どごんっっっ》
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最後の攻撃を受けたと同時に、断末魔に近い声をあげて爆発と共に上空に吹き飛んでいった。
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ユータは、何か途方も無い力に目覚めようとしていた。
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スレーボは、このままではジワジワと追い詰められてしまうと思い。
如何にか打開策を考え周りを見た。
『よし、今度はあの一番後ろにいるメスガキを捕まえてやる」
今度は、一番弱そうなメイリーを狙って煙幕を再度張って、気配を消し姿をくらました。
気配を消して慌てず悟られない様に、そっと近づこうとしていた。
「ふふふっ、あのメスガキを人質にしてから、形勢をかえて?・・・うっ!なんだ身体が動かない?どうなって、えっ・・・」
スレーボが、何が起こったのか解らず身体が動かそうとしても動かない。
なのでスレーボは自分の身体の周りに視線を向けて確認した。
すると周りには薄い光の膜が出来ていて、そのうえ身体には光の鎖みたいな物で縛られていた。
「なっ、なんですかこれは?ちっ、力が抜ける。それに、この鎖みたなのは何なんですか?」
そう三つ目の勘違いは、決してメイリーは弱そうな子では、なかったという事である。
このときメイリーの魔力、MPが異様な速さで回復していた。
そしてスレーボに拘束魔法の【聖光の呪縛】とユウマと同じ魔法の【聖鎖拘束】を彼に解らないように詠唱して放っていた。
この【聖光の呪縛】の魔法は、何時の間にか取得していたようで、本来は聖女にしか使えない筈の魔法であり、効果は邪なる者を浄化する力だった。
だが今この戦闘をしている周りには、それを知る者はいなかったので後に知る事になる。
それと【聖鎖拘束】の魔法は、ユウマが使用していた魔法を見て憶えた様だ。
普段は見ただけでは覚える事が出来ないはずなのだが、これに関してもメイリーは、そのずば抜けた魔法センスと、みんなを守りたいと思う気持ちから現れた【魔法解析】と【魔法構築】のスキルの力だった。
「アリアちゃん今です。やっちゃってください」
そう言葉に出してスレーボの近くにいた、アリアに声をかけていた。
『馬鹿め。このメスガキに攻撃が出来る訳なかろう。恐怖で動けないはずだ』
スレーボはそう思って、アリアの方を無視していた。
そもそもこの考え自体が間違えていたのである。
そしてスレーボの四つ目の勘違いは、アリアは決して恐怖心等に犯されていなかったと言う事だ。
このとき彼女は、腕を切り落とされた恐怖心はすぐに克服していた。
その恐怖心を克服する速さは尋常な速さではなく、そしてそれに呼応する様に何かの力が覚醒しかけていた。
スレーボに関しては、先の戦いで不意を突いたとはいえ、アリアの片腕を切りつけ切断した事で恐怖心を植えつけたと思い込んでいた。
『馬鹿がこいつは、恐怖心で身体が萎縮して攻撃の際に隙ができるはずだ。まあ恐怖の余り攻撃事態して来ないだろう』
などとスレーボは思っていたが、しかしこの考えは自体が間違っていた。
なぜならユウマとこの戦闘前に話をして、アリアは気持ちを落ち着けたのもあるが、ただ恐怖に狩られた人間が自分の身を犠牲にしてまで、他者を助ける勇気があるはずが無い。
このとき既にアリアは、恐怖心より目の前で助けられるものがあるなら見逃す事が出来ず、それを見過ごす方が余程恐怖であると考えていた。
そして自分が死に掛けて傷つくよりも、その事で仲間が傷つく事の方を恐れていた。
なのでこのときのアリアは、自分の持てる限界の力と魔力を振り絞って攻撃の準備をしていた。
そうこの先みんなが傷つき倒れない様に、そして魔人族の男スレーボに倒す為に、自分のもてる最高の一撃をあたえる為に、剣に戻ったファル、精霊剣グランドファルシオンに魔力を込め集中していた。
するとこのとき目の辺りが熱くなっていき、不思議な感覚を感じていた。
「なに?この感じ、とても不思議。目が熱くなってくるけど、全然嫌な感じがしない。それよりも・・・」
そう感じていたアリアに、剣の姿のファルが語り掛けてきた。
『アリア!私の力を貴方に託すわ。今の貴方なら私を使うのにふさわしいから』
「そっか!この力はファルちゃんの力なんだね。とてもやさしい力・・・ありがとう使わせて貰うよ。ファルちゃん」
すると精霊剣グランドファルシオンが、ユウマが持っていた時と同じ様に白く輝きだした。
しかしファルはこのとき自分の力だけでは無く、アリアがユウマと同じ様に気を練り介抱していると、答え様とした。
『そうじゃ、無いんだけど。まあ、いっか・・・』
アリアに説明しようとしたが、今は戦闘に集中するのを最優先として説明するのをやめた。
実はこのときファルが説明しようとした事は、恐らくユウマと同じ魔眼が開眼しかけている兆候だと教えようとしていたのだが、それは後で教えても支障がないと思っていたからだ。
まあまだ完全に開眼した訳ではないし、急いで説明する事でもないとも思っていた。
それに魔眼を完全に開眼していないにしても、その威力はかなりあるはずであったのでそのまま集中させた。
そしてアリアは、剣をスレーボに向けて振りかぶり切りかかった。
「喰らいなさい。この悪党がぁぁ」
何度も剣を切り付けながら、溜めていた力を解放していった。
すると数回切り付けた頃に、剣には、蒼白い炎の様なオーラを纏い始めて、最高の力が宿った一撃を魔人族の男スレーボに撃ちつけた。
「何故だ!何故恐怖心を乗り越えてすぐに攻撃ができる。こいつらの思考はよく解らない。しかもなんだこの力は?これでは・・うぎゃぁぁぁ・・・」
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最後の攻撃を受けたと同時に、断末魔に近い声をあげて爆発と共に上空に吹き飛んでいった。
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