巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

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第6章 王都シルフォードに到着、城で何かあるかもしれない。

6-3 何故仮面をつけている・・・?

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 それでその女性はユウマの方を見て頭を軽く下げてきた。



「すまんな、ユウマ殿。その子シルファリアは小さい時に顔に火傷を負い仮面でその傷を隠しているのだよ。なので仮面の事は聞かないでくれ」
 その様に王様が説明してくれたが、ユウマが『あれっ』と、思い。思わず声をかけた。

「あのう、何故そんな仮面とウイッグをつけているのです。シルフィーさん?」
 そう声に出して尋ねると、何故かみんな驚いていた。

 どう言う事だと、ユウマが考えて首を傾けていると。
「なるほど、シルフィーが好意を持つ筈ですよ。お父様」

「ええ、これまで誰一人として仮面をつけたシルフィーの正体を見破れなかったのに。ユウマ様はすぐに見破りましたわね」
 何故かシルフィーお姉さんであるシルヴィアと王妃様が何故か納得して声をかけた。

 そしてシルフィーのお兄さんのシルヴァ王太子が頷いて王様に語り掛けていた。
「父上、彼はなかなか見所がありますよ。これまで誰一人としてシルフィーの正体を見破っていませんし。しかも最初ころはここにいる全員、父上と母上以外には解らなかったのにですよ。それを初見に一回で正体を見破ったのですよ」
「なるほどな。あい、解った。認めようシルファリア!いやシルフィーよ」
「ホントですか?お父様」
 みんなが何に納得したか解らなかったが、ユウマの横で仮面とウイッグを外してユウマの方を見てにこやかに笑顔を向けていた。

「ユウマ様なら必ず見破ってくれると思っていましたよ。ありがとう御座います。ちゃんとわたくしと気が付いてくれて」

 このとき何がなんだかさっぱり訳が解らなかったユウマであったが、この後シルフィーから説明を聞きすごく驚いた。

 実はこのとき、というよりかなり前からシルフィーは、王様と家族みんなで賭けをしていた様だ。

 シルフィーはいつも城にいる時は、毎回自分の正体を隠して、いつもどおりに仮面とウイッグを着けて、みんなの前に出て来ていた。
 そして、声を出さず自分の正体を見破った人か現れたら、今後は自由に生きていく事を許して貰う事をお願いしていたそうだ。

 これまで何人かに、この試練いや賭けの対象になってもらっていた。その対象者には悪いけど初見もしくは、1日の間にである。
 だが、誰一人として見破る事が出来ずにいたらしい。

 それに正体を直ぐに見破られないように、家族全員と使用人達でシルフィーが素顔を見せている時には、背丈が同じ位の娘に仮面とウイッグを着けさせて姿を見せていた。
 いかにも別人が存在している様にしていたのだ。

 そしてこれには、仲の良いレーネとキュリカも過去に行なっていたが、1日経ってもその正体を見破る事ができないでいた。

 しかしユウマは、初見の一回で見破った。
 ユウマとしては、この世界に来て普段ならスキルなどを使っていたのだが、このときは使っていなかった。

 それでもすぐに、シルフィーだと解っていた。

 だって仮面とウイッグをつけて変装していても、その人の覆っているオーラと言うか気質が、その人の雰囲気に似ていたからである。ちなみに、王様を含む家族である方全員も似たような気質であったが、シルフィーだけがちょっと違っていたからだ。

 おそらく魔眼保持者特有のオーラがあるのだろうと思う。それを感じていたのかもしれない。それで直ぐにシルフィーだと気が付いたにすぎなかった。

 であるからして、今回の件でシルフィーは王族としての責務から解放され、晴れて自由の身となった。
 実は彼女の姉である第二王女も同じような事をして、王族のしがらみから解放されて、今は幸せに暮らしているらしい。

 そういう出来事が初日にあり。

 それで次の日に予定どおり、昨日に報告が上がった議題で会合が行なわれていた。

 その内容は、まず和平の為にシルフォード公国から隣国レオニール皇国へ新たに使者を送り双方で申し合わせを行なう事と、今回活躍そして貢献した人達に名誉と勲章の授与を10日後に行なう事と、そして先に戦いで出てきた魔人族に対しての調査が本格的に始まる事になった。
 
 しかしこのときシルフィーは、王族の責務から解放されたのに、この会合に参加していた。

 そして早く今回の和平と不思議な出来事を解決したいと常に思っていたのだ。

 そんな事をシルフィーが行なっているのに、ユウマはほっとけず一緒に会合に参加していた。

 実際は、会合を行なっている後ろの方で、レーネ達と事の成り行きを伺っていただけに過ぎなかった。



 会合が終わった後、そんなにユウマが一緒に参加しているのが嬉しかったのか、休憩室のソファーに座って寛いでいたら、シルフィーが横に座ってきて必要以上に引っ付きニコニコと笑顔を向けて来ていたのであった。


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