ミッション・オブ・リターンゲーム

桜華 剛爛

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№38:またまたミッション?

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 俺は3人を無視して1人で、この部屋の謎を解こうと考えていたら・・・・。

 頭に直接アラーム音が鳴り響いた。
《ピッ、ピーピピ、ピピピピピッ・・・ピピ》

 この音はミッションの開始の合図だ。でも、どうしてこんなところで?

 そして、そのミッションの表示を確認してみた。
 そのミッションの内容とは、時間内にこの部屋の謎を解き明かすのと、捉えられた人を1時間以内に助け出すことだった。

「はあ、どういう事だ。これは」
《ガチャン・・・》
 そう俺が声をあげると、この部屋の何処かの施錠が掛かる音がした。

「おいぃ、ちょっと待てよ、今そこの入口にロックが掛からなかったか?」
「ねえ、このミッション何よ。これどう言う事なの」
 タク茉莉香まりかちゃんの言いたい事は解るが、まずはタクの言っていた事に対してはこう答えた。
 まあ確かに施錠のかかる音は入口付近からだったが、俺は閉じ込められるとかその事に関しては別に心配していない、何故なら。

「ああ、タク入口のドアの事なら心配ないよ。ちゃんと細工して閉まらないようにしてるから、ロックがかかっても心配は無いよ」
 そう声をかけ入口を開けて見せた。
「えっ、なんでそんな事してんだよ」
「ああ、ここは何をしてくるか解らないからな、念のため施錠の出来そうなドアや扉には細工してる」
 そう一応何があるか解らないから入口とかは、余程の事が無い限り少し開けもし施錠がかかってもロック出来ないようにしていた。

 それがちょうど今回も運良く、機能しただけに過ぎない。
 ただ桜花おうかだけが、今回に関して何も声をかけて来ない。何でだと周りを探してみると姿が見えない。
「えっ、おい、桜花おうか桜花おうかぁぁ、あいつ、どこ行った」
「えっ、さっきまでそこにいたわよ。そこのロッカーに前に」
 茉莉香まりかちゃんの言葉によれば、さっきまでそこにいたらしいのだがそこには誰もいない。てか、この部屋はそんなに隠れれる場所は無い。なのに桜花おうかの姿が見えない。

「おい連夜れんやちゃんどこに行ったんだ。てかここ隠れるところとか無いぞ」
「いや、なんでだ。1人でどっか行くはずも、外に出たあともないんだ。それにあいつが黙ってどこかに行くはずが・・・・」
 俺は慌ていた、すぐそこにいたはずの桜花おうかの姿が見えないし、ミッションが発令したのになんか関係があるのかと思ったら、変なところから桜花おうかが姿を現し出てきた。

連夜れんや。ここに変な入口があるよ」
 そう先程俺が、元あった位置に置いて固定したロッカーの中から出てきたのである。
 そしてすかさず桜花おうかに抱きついた。
「えっ、えっ?どうしたの連夜れんや?」
「なあ、桜花おうかビックリさせるなよ。でも、なんでそんな所から出てくる。それに心配するだろうが」
 俺が抱きついてきたのを、目を白黒させて驚いていたが、俺の顔とみんなの顔を見渡し事情を察知したのか素直に誤った。
「ごめんね連夜れんや。それとみんなもごめんね。でもね、あなたがこのロッカーを置いたあと何故かロッカーの扉が開いたから、閉めようとしたらね奥に変な扉があったの。それを開けたら閉じ込められたの。ホントビックリしたよ」
 この後詳しく桜花おうかに説明を聞いたら、俺が一生懸命このロッカーを例の壁にあった突起部分に固定したと同時くらいに、何故か俺とタクがどうやっても開けられなかったロッカーの扉が開いたそうだ。

 それでそこを覗いてたら何故か奥の方、壁側にドアノブがある扉がその中にあり、それをひねり押すと向こう側に行けたそうだ。
 するとその中を除きながら入ると、もと入って来たロッカーの扉が勝手に閉まって閉じ込められたらしい。その後にちょうど例のミッションを知らせるアラームがなり、急いでこちらに戻って来たそうだ。

 まあ、戻って来たときにロッカー側の扉が開かないので少し焦ったらしいのだが、俺が慌てていたので、急いで向こう側の扉を閉めたら、こっちが開いたみたいだ。

「心配させるなよ。俺はまたお前が・・・」
「あれぇ、レン君泣いてるの。よっぽど桜花おうかちゃんの事が心配だったんだね。ホント愛されてるね。桜花おうかちゃんには・・・ちょっと焼けるけど」
『レン君は、私の行方が解らなくなっても心配してくれるのかな?』
 俺が目に涙を溜めていたのを横で見ていた茉莉香まりかちゃんがチャチャを入れてきた。その後小声で何か言っていた様だけで良く聞こえなかった。

 桜花おうかの方もその茉莉香まりかちゃんの言葉を聞き、俺に近づいて来て素直に謝ってきたので、これはについてはここで終わりにした。何せ時間が決まっているミッションがあるからだ。
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