インフィニット・ファンタジアライフ

桜華 剛爛

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15:腹を空かせて、再び目覚める。

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 しかし先程のヒビキの、とてつもない浄化の力と癒しの力を感じて、マナ自身も希望が持てて、それで考えを変えたのである。

 それに自分が出した難題を、ヒビキがたった1ヶ月で達成してしまう気がしていたのであった。

-☆-☆-

 そんな事を世界樹ユグドラシルのマナが考えられているとは知らず。そして、ヒビキの幸せそうに寝ている顔を、アクアが笑顔で覗いているとも知らずに、そのまま日が真上に来るまで寝ていたのである。

 まあ、幸いこの場所は世界樹ユグドラシルであるマナ根元であり、この森では現在一番安全な場所なので問題は無かったのである。

☆☆☆☆☆

 それで日が真上に来るころにお腹がすき、目が覚めたヒビキであった。
「ふっわぁぁぁっ、ああ、良く寝た・・・?」

 ヒビキが目を覚まし、手を動かそうとすると左腕が動かず、それとお腹の上に何かがいるのに気が付いた。
 まず左腕の方は、アクアが俺の腕を枕代わりにして寝ていた。それに水竜アクアドラゴンのシーちゃんであろうか・・・いや、大きさは違う?だが確かにアクアが先程まで抱いていた首長竜である事が解った。
 はっ、何?この子は・・・こんなにデカかったのか?

 そうそこにいたのは、大きさにして恐らく俺の二倍ぐらいの大きさがあり、その子の頭が何故か俺のお腹の上にあったのである。
 それにアクアの身体が転がって行かないように器用にも手の部分であるヒレで支えていたのであった。

 それで申し訳ないけど、アクアに声を掛けて起そうと声をかけた。
「もしもーし、アクアさーん。起きて貰えないですかぁ?」
「うーん、もう食べれないの。ヒビキ・・・アクアはこれ以上食べたらお腹パンクしちゃうの」
 おいおい、どんな夢を見てるんだよ。俺は腹が減ったんだけど?
 そんな事を考えていると水竜アクアドラゴンであるシーちゃんが目を覚まし、俺の事を除いてきた。その瞳はアクアと同じで緑色であったが、不思議と驚きもしなかった。

 それでその顔を俺に近づけて頬ずりをしてきたのである。なんとも愛らしい子なのである・・・それに人懐っこいのか?まあ、俺的には嫌な気もしないので、そのままその子のしたい様にさせていた。

 するとその子、シーちゃんはある程度頬ずりをして、横で寝ていたアクアを優しく銜え、俺の腕から退かしてくれてアクアを自分の背中に乗せたのである。
「おっ、ありがとうシーちゃん!これで腕が動かせるし、起きれるよ」
 俺がお礼を言うと、俺の言葉が解っているのであろう頭を寄せてきて、またスリスリしてきたのである。ちょっとくすぐったかたが、それでも何がしたかったのかが良く解った。恐らく言葉ではなく、こういうコミニケーションで、相手に伝えているのだろうと思った。

 とりあえずお腹が減ってるので、どうにかしようと考えていると世界樹ユグドラシルの蔦が俺の目の前に、アプルの実を持って来てくれたのである。
「えっ、これを俺に?あっ、ありがとう」
 蔦は俺が喋りかけると、ジェスチャーみたいに一部が動いてヒラヒラと反応をしてくれた。まあ、恐らくマナがしてくれているのだろうが、確か残りの力が少ないから話せないし能力を使えないとか言っていたのに、ホントに俺の為に申し訳ないと思った。

「まあ、とりあえず有りがたく頂こう。それに3つもアプルを貰えたから、恐らくアクアの分とシーちゃんの分だろうな。まあ、まだアクアは寝てるから起きたらこれをやればいいか、とりあえず1個はシーちゃんに・・・はい、シーちゃんアプルだよ」
 そう声を掛けるとまた近付いて来て、俺が差し出した手ごとアプルに喰らい付いて来たのだ。
 えっ?まさか俺の手ごと食べられるとは思わなかった。どうしよう?

 まあ、そうされたが別に痛くも無かったので、気にせずにそのままされるがままになっていた。
確かにかぶり付かれた最初は、瞬間的に驚きはしたが、もし攻撃するのなら寝てる時にやられているはずなので、 それは無いだろうと安心していたし、それに銜えられた後が、結構気持ちよかったのである。
ただ、食べ終わった後の、俺の手はシーちゃんのヨダレというか唾液か解らないが、ベチョベチョになっていた。
 流石にその状態を見たシーちゃんは、申し訳ないような顔をしていたが、別にいやな事をされた訳では無いので、湖で手を洗い自分もアプルを食べようとした。
 すると今度はアクアが、いつの間に目を覚ましていたのか、俺の持っているアプルにカブリ付いたのであった。
「アクア、起きてそうそう俺のアプルを食べるなよ。お前のは、ここにあるからさぁ」
「ううん、こっちでいいの。シーちゃんと一緒みたいな事がいいの」
 なるほど、さっきのシーちゃんの行為を見てたのね。それでも行儀が悪いぞ。

「ほら、これをやるから俺の手まで食べないでくれるかな?」
 アクアは、まだ俺の右手に持っていたアプルに喰らい付き俺の指まで食べようとした。まあ、噛み付かれた訳でなく、たまたまかじった後に指まで一緒に、口の中に入れた感じになっただけであったが、アクアが吸い付いて離さないのであった。
「ううん、ほれはこれがいいほいいのほっひのはこっちのがほいひいほおいしいの♪」

 それでその様なやり取りをしていて結局は、俺の右手に持っていたアプルは全部アクアに食べられてしまい。アクアにやる筈だった。アプルを俺が食べる事になっていたのであった。
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