インフィニット・ファンタジアライフ

桜華 剛爛

文字の大きさ
16 / 66

16:とりあえず調査?

しおりを挟む
 それでその様なやり取りをしていて結局は、俺の右手に持っていたアプルは全部アクアに食べられてしまい。アクアにやる筈だった。アプルを俺が食べる事になっていたのであった。

-☆-☆-

 それでとりあえずお腹も満たした事なので、日も真上にあるので、まだ時間的に余裕があると思い、元々調査しようとしていた対岸の森に行く事をアリアとシーちゃんに相談する事にした。
「なあ、アクア。朝から大変だったけど、まだ、お昼ぐらいだろう。だから、朝言っていたところに行きたいんだけど・・・どうかな?」
「うーーん、ヒビキ大丈夫なの?さっき倒れたの」
 うへ?確かにさっきは、凄く眠くなって立っていられなかったけど・・・寝たらすこぶる調子が良くなったもんな。どちらかと言うと、朝より調子が良いような感じがするんだけど?

「ああ、すこぶる調子がいいぞ!今なら泳いで向こうまで行けそうな気がする。まあそれは冗談だけどな」
 ヒビキ的にはそう思ったのだが、実際に泳いで渡りきるだけの体力どころか、この森の端から端まで、全力疾走で走り廻れるだけの体力が、いつの間にか手に入れていたのである。ただ、その事に気付くのは、まだ先の話である。

「そうなの?なら、向こう岸、母様に頼まれてたところに連れて行くの。シーちゃんお願いなの」
『くうぅぅっ』
 アクアがシーちゃんに頼むと、シーちゃんがアクアを猫の子を運ぶように首根っこ付近を銜え自分の背中へと乗せた。
 その後俺にも同じ事をしようとして来たので、それは丁重にお断りした。すると凄く残念な表情を器用にもして、背中に乗るように誘導してくれた。
「ヒビキ、なんでシーちゃんに銜えて運んで貰わないの?とっても気持ちいのに、なんでなの?」
 いや、流石にあの体勢は恥ずかしいというか、なんというか、それに俺はアクアより大きいからシーちゃんが大変だろう。
 そう思っていたが、言葉に出さず違う事を、アクアに尋ねたのである。

「アクア、今から向かう対岸は、どう言うとこなんだ?解る程度でいいから教えてくれるかい」
「うんなの。えっとね、そこには祠があるの。ただ、そこにはもう誰もいないの。前はフーちゃんがいたの、風の精のフーちゃんなの。でも、どこか行っちゃったけど、母様の話じゃどこかにいるって、昨日言ってたのだからヒビキと行くように言われてたの」
 なるほどね。それで今迄アクアを向こう岸に渡る事を止めていた世界樹ユグドラシルの精であるマナが、俺と共にそこに行くように進めたのか、もしかしたらその風の精であるフーちゃんだったっけ、その子の行方を捜し、その祠もついでに確認させる為に・・・。

「あれ?でも、何でアクアは、そのフーちゃんか、その子が祠にいないって知ってるんだ?」
「ん?うっとね。それはシーちゃんに聞いたの。アクアはそこに行っちゃいけないって言われてたの。でも、シーちゃんは基本、水の中にいるからそこを見て貰ってたの。でも、この頃フーちゃん居ないってたの」
 あれ、でもおかしく無いか、マナの話しでは森の方は、瘴気に侵されているって言ってたから、そのフーちゃんもそこにいたら危ない事が、解ってた筈なのに何でだ?

 そんな事を考えている間に、目的地である祠が見える付近まで来たが、どうも様子がおかしい。
 それは祠自身は、問題ないのだがその周りが禍々しい黒い霧、そう今朝方シーちゃんの背中の痣から出ていたのと、同じ物が漂っていたのである。
「シーちゃん、止まってくれ!」
 思わず大声で、その場所へ近付こうとしたシーちゃんを止めた。

「ん、ヒビキどうしたの?まだ、祠の場所に着いてないの」
 えっ、アクアとシーちゃんはあの靄が見えてないのか?でも、あれは良くないモノだ。恐らくシーちゃんを苦しめていたのはあれなんじゃないかな?

 このときヒビキに見えていたモノは、間違いなく瘴気であり、実を言うとヒビキ以外は見えていなかったのである。
 それにヒビキ予想通り、この瘴気の存在に知らずにシーちゃんは水辺である祠の見える近くで、長時間数回に渡りアクアに頼まれていた、風の精であるフーちゃんの存在を確認をしていた。
 それで瘴気に犯され、今朝方ついに限界を迎えていたのである。しかし、それも運よくヒビキより治療されたのであった。
 もし、あのままであったら間違いなく、その瘴気により世界樹ユグドラシルであるマナは愚か、水の精であるアクアも瘴気に侵されこの世からいなくなったいたのであった。

 そんな事とは知らずに、ヒビキはその時点で、既に確定していた未来を変えてしまっていたのである。しかし、それはそこだけの結果では、なかったのであるがその先はまだ決まってはおらず、そんな事とは知らずにヒビキは、次の行動をおこしたのであった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

【完結】能力が無くても聖女ですか?

天冨 七緒
恋愛
孤児院で育ったケイトリーン。 十二歳になった時特殊な能力が開花し、体調を崩していた王妃を治療する事に… 無事に王妃を完治させ、聖女と呼ばれるようになっていたが王妃の治癒と引き換えに能力を使い果たしてしまった。能力を失ったにも関わらず国王はケイトリーンを王子の婚約者に決定した。 周囲は国王の命令だと我慢する日々。 だが国王が崩御したことで、王子は周囲の「能力の無くなった聖女との婚約を今すぐにでも解消すべき」と押され婚約を解消に… 行く宛もないが婚約解消されたのでケイトリーンは王宮を去る事に…門を抜け歩いて城を後にすると突然足元に魔方陣が現れ光に包まれる… 「おぉー聖女様ぁ」 眩い光が落ち着くと歓声と共に周囲に沢山の人に迎えられていた。ケイトリーンは見知らぬ国の聖女として召喚されてしまっていた… タイトル変更しました 召喚されましたが聖女様ではありません…私は聖女様の世話係です

サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道

コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。  主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。  こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。  そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。  修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。    それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。  不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。  記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。     メサメサメサ   メサ      メサ メサ          メサ メサ          メサ   メサメサメサメサメサ  メ サ  メ  サ  サ  メ サ  メ  サ  サ  サ メ  サ  メ   サ  ササ  他サイトにも掲載しています。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

その国が滅びたのは

志位斗 茂家波
ファンタジー
3年前、ある事件が起こるその時まで、その国は栄えていた。 だがしかし、その事件以降あっという間に落ちぶれたが、一体どういうことなのだろうか? それは、考え無しの婚約破棄によるものであったそうだ。 息抜き用婚約破棄物。全6話+オマケの予定。 作者の「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹が登場。というか、これをそっちの乗せたほうが良いんじゃないかと思い中。 誤字脱字があるかもしれません。ないように頑張ってますが、御指摘や改良点があれば受け付けます。

クゥクーの娘

章槻雅希
ファンタジー
コシュマール侯爵家3男のブリュイアンは夜会にて高らかに宣言した。 愛しいメプリを愛人の子と蔑み醜い嫉妬で苛め抜く、傲慢なフィエリテへの婚約破棄を。 しかし、彼も彼の腕にしがみつくメプリも気づいていない。周りの冷たい視線に。 フィエリテのクゥクー公爵家がどんな家なのか、彼は何も知らなかった。貴族の常識であるのに。 そして、この夜会が一体何の夜会なのかを。 何も知らない愚かな恋人とその母は、その報いを受けることになる。知らないことは罪なのだ。 本編全24話、予約投稿済み。 『小説家になろう』『pixiv』にも投稿。

処理中です...