インフィニット・ファンタジアライフ

桜華 剛爛

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37:次なる場所へ?

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 それでシーちゃんは、俺達の移動中どうしているかというと、今は湖の水面からこちらを気にしながら泳いでついて来ている。流石に陸上を歩くと遅いのとキツイようなのであった。

-☆-☆-

 あれから徒歩で移動して・・・恐らく2時間は経っていないと思う。何故なら太陽の位置も、まだ真上には来ていないからである。

 まあ朝は日が昇ってすぐに世界樹ユグドラシルの元を出たので、実際早かったのだが正確な時間は解らない。それにまだ俺もアクアも、お腹は減ってはいのでお昼ではないと思う。

 それに不思議とここに来てアプルという果実だけを食べているが、徐々に疲れることが少なくなっている。アプルだけを食べるようになり、逆にすこぶる元気があふれてきているのである。
 それに最初は1日3個じゃ物足りないと思っていたが、今では2個でも足りるんじゃないかと思っているのである。昨日も実はアクア渡されたいアプルを遅めに食べたので、夜の分のアプルは食べないまま寝てしまっていた。
 昨日夜に貰った分は、今ポケットに入っている。お腹が減ったら食べようと思ったが、今のところまったく減ってない。

 それで今回は明るい時間が続く限りは移動しようと考えて、スタスタと進み昨日より早く進み既に4つ程小さな石碑を浄化している。
 今度の石碑で5つ目になるが、そろそろ次の石碑の近くまでやって来た。大体昨日から考えたら同じ間隔で瘴気を出す石碑は設置しているようである。

 歩いて行くと怪しい場所を見つけた・・・・いや、あからさまにあやし過ぎる。

 その場所に近付き周辺を確認してアクアに確認してもらった。
「ヒビキぃぃ。あそこの様子まったく見えないの?腕輪の力を解除しても真っ黒なの。なにも見えないの」

「そっか、真っ暗か、そうだよな黒い霧って感じじゃないもんな」
 そこは今迄以上に真っ暗く黒い霧というか、殆ど闇に誓い状態であった。しかもその空間事態が暗い状態で中の様子まで完全に見えないみたいだ。それはアクアが腕輪の力を解除しても、まったく晴れず見えないようであったのだ。

「ヒビキ!よく考えたえら、ここ元々から真っ暗だったの」
「へっ?・・・そうだったの」
「うんなの」
 アクア曰くここは森が瘴気に覆われた時から真っ黒な場所で、時たま変な奴が夜中にその場所から出てきて周囲を徘徊したり、飛び回っている事があるらしい。
 その光景は特に夜中が多いらしく、昼間でも周囲が暗い時には、この場所から出てくる事があるそうだが、今は明るいのでそこから出てくる事は無いそうだ。

「なあ、アクア。ここに来るまでにお前のそのステッキで出した水や光でさぁ、石碑を浄化出来たじゃんか、その力であの霧どうにか出来ないかな?」
「ん・・・出来るのかな?でも、やってみるの」

 そう実を言うとここに来る前の4つのうちの3つは、アクアが浄化して水晶に変えていた。ただ、不思議なことに俺が最初の石碑を、水晶に変えた際にその水晶の色は、今までとはまったく違い完全な無色だったのである。

 何故だろうと思っていると、アクアが自分の持っていたステッキで、その水晶を『コンコン』と叩いた後に、その魔法のステッキを使用して、今日の最初の場所で花に水をやっていた様に、水をかけると不思議と綺麗な緑・・・輝く薄いグリーン色に水晶の色が変化したのである。

 それでその後の石碑を試しにアクアに任せると、石碑の状態の時にアクアが持つ魔法のステッキを振りかざすと、虹色の光が石碑を包み水晶に変え、その無色の水晶を最初と同じ様な事をグリーン色の水晶に変わるという不思議な現象が起こったのである。

 ただアクアに言わせると、最初の水晶の時は、その水晶がアクアに語り掛けてきたらしい。
 その時の言葉はこうであった。
《ヒビキ、ヒビキ!水晶さんお水が欲しいんだって。お水かけるの》

 ヒビキ的には何を言ってるんだと思ってる中で、アクアが水晶に水をかけたら、無色の水晶に色が付くという現象がおき、その後の石碑をアクアが魔法ステッキで石碑を浄化してしまうなどと、よく解らない状態になって現在はこの場所まで来て、真っ暗な怪しい暗闇の空間の前にいる。

 ただもしかしたらアクアが魔法ステッキを使いこなす事で、この暗闇の場所でなにかの変化が起こり、その能力で浄化できるのではと思い、ヒビキは試してみようと考えて、お願いしてみたのだった。

「ただ、全体的にだけど、大丈夫か?アクア」
「うん、解ったの。ちょっと力を入れてやってみるの。ヒビキ!お願いなの肩車してなの」
 はい?なんで肩車・・・まあ、いいやよく解らないが、アクアの要望だし・・・。

 アクアに肩車を頼まれたので、とりあえず言う事を聞き肩車してやると、その上で魔法のステッキを構え魔力を溜めだした。まあ、魔力を溜めているかはヒビキには解らなかったが、それでも優しい感じの暖かい何か不思議な力が集まっているのは感じられたのである。

「ヒビキ!アクアの力が溜まったから放つの。行くのなの。黒い嫌なのなくれなのぉぉぉ!!」
 声に呼応するように、アクアの持つ魔法のステッキが、虹色に輝く光を放ち、辺りに眩しい程の光を放ち出した。それに呼応するように、俺の両腕にある腕輪の水晶部も輝き、一緒に辺りを一面をその閃光で見えなくしていった。

 流石にこの光では、暗闇だった場所も一瞬でその効力をなくして、瞬時にその暗い場所は消えてなくなっていた。

 その結果、この辺り一面にあったどす黒い暗闇の空間は全てが消えて無くなり、その中にいたであろう怪しいモノは全てが浄化され居なくなっていた。というよりその暗闇だった場所の地面に、無数の紫色のガラス玉が複数落ちていたのである。

 それとどういう訳か、石碑だったモノ自体も浄化されている様で、中心付近に白い大きな水晶が建っていたのであった。しかもそれは白く光を放っている様にも見えたのである。
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