インフィニット・ファンタジアライフ

桜華 剛爛

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36:不思議アイテム?

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 それにその手に入れた魔法のステッキをアクアが、どうやら気に入ったようで今はそれを持ち、作業の続きをしているのであった。

-☆-☆-

 何故かご機嫌なアクアをよそに、全ての錆びた武器類と防具、それと紫色のガラス玉と皮製の大きなショルダーバックみたいなカバンを一箇所に集めそれどうするか考えていた。

 ん、ガバン?・・・はい、なんでカバンが・・・俺はそんなの見つけた覚えは無いが今後便利だ。
 でも、誰がこんな便利なものを、俺じゃなければ恐らく、アクアかシーちゃんが見つけて来たと思うので、確認してみる事にした。

「アクア!このカバンは、お前が見つけてきたのか?」
 俺がアクアに呼びかけると、森に近い位置まで行っていたアクアがこちらに走って向かって来てくれた。

「・・・・・・えっ、なに、なになに、ヒビキ呼んだの?」
 テクテクと先程手に入れたステッキを、頭の上にかざし振り回して近付いてきた。
 なんで振り回してんだ?・・・えっ! なに、ステッキの振った後に、虹色の光が尾を引いてその後に霧状の雨・・・水を撒いてる?

「ああ、呼んだけど、アクア・・・何をやってるの?」
 いかにも解って、やっている様な雰囲気なのでそう聞いてみると、アクアは今やっている事を詳しく教えてくれた。

「うん、お花さん達が、お水が欲しいって言ってたの。それでこれを振ったらお水が出たの、すごいの。ねぇ、ヒビキ! アクアすごいの・・・あっ、それよりなんなの?ヒビキ」
 アクアがいつ花が語り掛けのか解らないが、自身を持ってそう語ってきた。たまに不思議な事を言うが恐らく間違ってはいないと思う。何せ花々が最初の時よりイキイキとしている多分間違ってはいない。

「あっ、そうだった。アクア、このカバンだが、お前知ってる?」
「ん、なんなの・・・それ?アクア知らないよ。シーちゃんなんか知ってるの」
『クックゥクゥ!ククックゥゥゥッ』
「うん、うん、そうなんだ。だって、ヒビキ!」
 いや、俺にはさっぱり解らないんだが・・・。

『クゥゥクックゥ!ククックゥゥゥッ』
 シーちゃんが必死に俺に語り掛けてくれるが、うん、さっぱり何を言ってるのかが理解できない。
 しかもアクアは俺が理解出来てるみたいにこちらに話を振ってきた。

「シーちゃんごめん、何を言ってるのか俺にはさっぱりなんだが・・・」
 いや、シーちゃんそんな困った顔されても、俺のほうが困ってしまう・・・。

「すまないアクア、なんて言ってんだシーちゃんは?」
「あっ、そうなんだ。えっとね、朝ここに来る前にフェルくんがくれたんだって、それには荷物がいっぱい入るんだって」
 アクアがシーちゃんの話してた内容を教えてくれた。

 どうやら今朝方シーちゃんが聖狼セイントウルフのファルくんに貰って預かっていたようである。ただ、なぜファルくんがその様なカバンを持っているかは不思議であるが、それでも今回は役に立ちそうである。
 ・・・・ついでにシーちゃんは、どこにこれを持ってたんだ?来るとき持ってなかったような気がするが?

 その事を不思議に思いながら、確認する事もせずに目の前にある品物を確認した。
 まあ、何故確認しなかったかと言うと、たんにシーちゃんの言葉が解らないという理由だけであった。

 それじゃあ、その事は一旦おいといて出来る事なら、この錆びた武器類は変な事に使われたくないのでどこか違う場所に持って行きたいのが本音であった。なのでこの大きめなショルダーバックはありがたい、まあ、大きさから言えば、2、3回往復すればここにある全部を、安全な世界樹ユグドラシルの側に持って帰れる。

 とりあえず今日の分をそのカバンに入れる事にした。それと紫色のガラス玉は、アクアが持っているリュックに入れる事にしているので、アクアにそのガラス玉を収納するのを頼んだ。
「アクア、俺は今からこれをこのカバンに入れるから、アクアはこのガラス玉をそのリュックに入れてくれるかな?」
 俺が頼むとこころよく引き受けてくれ、先程までの水やりを一旦止めてガラス玉を収納してくれている。
 ちなみにガラス玉は、大きいのを入れても13個程度であった。昨日倒した相手は相当な数で、殆どの相手が紫のガラス玉を落としていたが、今日この場に戻って来て探してみたが、殆どの小さな玉は、消えてなくなっていたのである。

 それで、ガラス玉を入れていたアクアの作業はすぐに終わり『ヒビキ!アクアの方は終ったから、また、水やりしてくるの』と言って、リュックをその場に置いて花に水をやりにシーちゃんと中央付近に向かって行った。

 それで俺の方は、殆ど廃材に近い錆びた武器をカバンに入れているが・・・どうもおかしい。

 確かにそんなに数は無いがそれでも防具を入れるとすぐにいっぱいになると思っていたが、不思議と防具が全て入った。 まあ、防具と言っても胸当てや籠手みたいなのと、小さい盾いわゆるバックラー的なものである。
 それでそれらを入れているカバンの大きさは、いいとこ先程説明したバックラーが2から3枚入れば、後は隙間にモノを押し込むくらいの大きさだと思ったら、ここにある防具を全て入ってしまった。

 それから不思議に思い他の荷物を全て入れていくと、抵抗もなくどんどん荷物が入っていく、最悪シーちゃんには悪いが毎朝ここに3回はよってもらおうと考えていたが、その考えは必要なくなった。何せこの場にあった全ての荷物が入ってしまった。
 ついでにアクアがガラス玉を入れてくれたリュックも、その中に入ってしまったのである。
「なにこれ、ものすごいカバンだな。しかも、あんだけ入れたのに、まだ入りそうなうえに重さがまったく感じないなんて、何て便利なアイテムなんだ。自分の服にあるポケットもそうなのだけど、このカバンはもっとすごいや」
 確かにそうであった。ポケットの中にもかなりの量が入りそうなのだが、流石に大きいものは入りそうにない。
しかし、このカバンは今のところ、昨日アクアが教えてくれたポケットに入らない大きさのモノ以上のモノが入ったので大助かりである。
 しかもあれだけのモノを入れたのに、まったく重さを感じなかったのであった。

 それからアクアも、花に水をやるのを満足したのだろうか、すぐにこちらに戻って来て何かを探していた。
「ん、どうしたアクア?なんか探してるようだけど」
「うん、アクアのリュックがないの?ここに置いてたのに・・・ヒビキ知らないの?」
 あっ、さっきこのカバンに入れたんだった。

「ごめん、ごめん、このカバンに全部入れちゃった。どうするか出すかリュック」
 間違って一緒にカバンに入れて事を、素直にアクアに謝りどうするか尋ねると、とりあえずそのまま入れておいて良い事になり、それからアクアはお気に入りの魔法ステッキを片手に持って、今日は俺と手をつなぎ一緒に湖のほとりを歩いて行くようにしたようだ。

 それでシーちゃんは、俺達の移動中どうしているかというと、今は湖の水面からこちらを気にしながら泳いでついて来ている。流石に陸上を歩くと遅いのとキツイようなのであった。
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