インフィニット・ファンタジアライフ

桜華 剛爛

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45:その頃ヒビキは?

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 なので外が暗いのは当たり前なのであるが、それでも今回の夜は瘴気が尋常じゃない量が散布されていて、ヒビキにはその瘴気がすべて見え、その夜は特に真っ暗な暗闇に見えたのであった。

-☆-☆-

 それだけこの洞窟の外は、真っ黒くすごい状態であったのである。それだけすぐ近くに瘴気を出す石碑があった事には、全く気付かなかったのであった。
 だた、この事に関しては今現在ヒビキが気付く事はなかったが、翌日朝になった時に外にでた時気付くのである。

「しかし、参ったな?これじゃ、アクアやシーちゃん達に心配かけるかも知れないけど・・・どうしようもないや、連絡方法も何もないし、それにここがどこかさっぱり解らない・・・ホントにどうしよう」

 ヒビキは外の様子を確認したので洞窟の中に戻り、先程の水が湧き出る水源付近まで歩いて戻りながら今後の事を考え事をしていたのであった。
 それに何故一発で出口が解ったかと言うと、まあ、はっきり言うと偶然ではあったが、水が流れていく方に歩いて行っただけであった。普通ならどちらが出口か解らないところなのだが、何故かそちら側に進む事にしたのだった。

 それで先程の場所まで戻ってくると、先程は気が付かなかったのだが瘴気を出す石碑に似た石を見つけたのである。ただ、その石碑は何故か瘴気を出してはおらずその場にあるだけだった。
「これって、例の瘴気を出す石碑と似てるけど・・・違うのかな?全く瘴気が出てない」

 ヒビキは不思議に思いその側に近付くと、石碑は確かに今迄見た事がある石碑ではあるが瘴気が出ていないのはたしかだ。
 しかし、よく見るとその石碑にはうっすらと表面に水で出来た膜の様なモノに覆われており、良く見るとそれは洞窟内より染み出ている雫がその石碑の上に落ちて出来たものだった。

 それにその石碑の横には、以前見た事あるような卵と、その側に亀の甲羅のような石?が転がっていたのであった。

「あれ、さっきは気が付かなかったが、ここに亀の甲羅みたいな石?・・・あれ、これって亀だよな?それにこの卵って・・・?」
 そうその亀の甲羅のような石は、甲羅の部分が石の様に見えたがちゃんとした生きた亀であり、俺が覗いていると一瞬首を出そうとしたが、弱っているのかのろのろと甲羅の中に首を戻してしまった。

 それに、その横にある卵は・・・そう以前祠の中で見つけた卵と良く似ている。だが、こちらの卵は何となく土で汚れているのでよく解らない感じであり、そのうえ半分以上は土の中に埋まっている状態であった。
 良く見るとこの亀が掘りだしていたのであろうか、小さな爪跡みたいなのが複数するある。

「しかし、この亀なんでまた、こんな所にいるんだろう?まあ、いいや、なんかこの亀は弱りきって甲羅の表面が乾ききってるから、水をあげたら元気になるかな?」
 そう思いヒビキは亀に、自分の持っていたのこり少ない水袋から水を亀にかけてやり、ついでに卵を埋まってる場所から掘り出して、水袋に入っていた残りの水で綺麗にしてやった。
 それでそのまま地べたに置くのは、可哀想と思い自分で着ていたベストを脱ぎそのうえに置き包み込むようにしてやり、亀もその場所に置いてやった。
 
 それで水袋に入っていた水が、もう無い事に気が付き悩んでしまった。
「ありゃぁぁ、水がもう無くなってしまったな。どうしよう?」
 考えながら湧き上がっている水の方に、視線を向けた。

「この水・・・飲めるかな?いや、なんかこの石碑があるから嫌な感じがするな・・・よし、この石碑が浄化できるか試してみるかな。もしかしたら状況が変わるかもしれないし」
 ヒビキはそう思い瘴気が出ていない石碑に、いつもの様にその石碑に両手を置き力を込めた。すると、石碑は今迄の奴と同じ様に水晶へと変化して、何故か洞窟内を明るく照らし出したのであった。

「おっと!マジですか、これ・・・・なるほど、この洞窟は水晶で出来た洞窟だったのか、それで・・・いや、これは凄過ぎるだろ。それにこの水は・・・・」
 石碑が水晶に変わった途端、周囲にこびリ着いていたコケや泥のようなヘドロが、石碑から水晶に変わった物から放たれる光により、消えてしまい所々に綺麗に輝く水晶が表面に現れた。それに先程まで湧き出ていた水が、キラキラと輝き出した。実際それは水晶の光に反射して綺麗に輝いているのは解るが、それでも神秘的な輝きをしていた。

「なんか、この水飲んでもいいような感じがするな?試してみよう・・・・・・ゴクゴク!?」
 ヒビキは湧き出てくる水を躊躇せず飲み驚いた。そうこの水は、いつも世界樹ユグドラシルの側に湧き出てきている水と同じ水であったのだ。
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