インフィニット・ファンタジアライフ

50：偶然の再会？ ？

　それにこの時は危機感も、まるで何も無かったし、武器として使用していた錆びた剣もここら辺は安全だとカバンの中に直した状態だった。
　なので、完全に不意を付かれた状態になっていたのであった。

－☆－☆－

　それで俺は、その毛皮の獣に襲われ、されるがままになっていたのだった。

　まあ、傍から見ると完全に襲われ、食べられる寸前の様な感じではあるが、響ヒビキはその襲ってきた獣には、抵抗せずにいい様にされていた。

　ただしその毛皮の獣は、どうやら響ヒビキの知っている獣であった。まあ、出会って数えれる間と短い時間しか過ごしてなかったが、それでもこの毛皮の感触は覚えている。このモフモフが気持ちよくて、包まって寝たら間違いなく熟睡できる程の毛並みであった。
　しかも輝くほど美しいプラチナカラーの毛色であり、モフモフ間が最高な毛並み、そうその正体は聖狼セイントウルフであるフェンリルのフェルくんであったのだ。

　ただし今の状況は、俺にとってはたまったモノではない。しかも亀吉は、その様子をいつの間にか俺から離れて驚いたような感じで甲羅より首を出してみていたのである。

　流石の俺も溜まらずフェルくんにやめてもらうように声を掛けた。
「あのう、フェルくんじゃれ付くのは・・・いいんだけど、俺を食うのは、お願いやめて・・・」

　フェルくんは余程嬉しかったのか、俺に覆い被さり顔を舐め回し、最後には俺の頭にかぶり付きアマガミされていたのである。まあ、その光景を見た亀吉が最初は驚き固まっていたが、最後にはその正体が解り鳴き叫んでいたのである。
『クッ、クッピッ、クピククッピッ？』（およっ、そこにおわすは、風の精霊様の従者であるフェンリル君では？）
『ガウッ？・・・・ガッ、ガウガウ！』（うん？・・・・おっ、おお、お主は大地の精霊様のところの！）
　俺にはなんと言っているかさっぱりであるが、どうやらこの2匹は知り合いのようであって、どうやら会話が成り立っているようであった。何せ近付きお互いの目を見て、鳴きあっているからである。
　ただ、やはりと言っていいほどに、なにを言っているのかは、さっぱりなのであった。

『クッピッ、クプクプ？クゥゥプップッ・・・』（フェンリル君、こいつの事を知ってるの？こいつはすごいんだよ・・・）
『ガガウ、ガウガウ。ガッガッウ・・・』（ああこの方はヒビキ様だ、我は危ないところをアクア様とこの方に助けて貰った。それでこの方はマナ様とアクア様の大切な方だ・・・・）
『クピッ！・・・クッピー・・・』（ウソっ！・・・こいつが・・・）
　などと喋っている事などは、響ヒビキにはさっぱり解らないが、いい加減フェルくんは、俺を解放してほしいと思っていたのである。

　それから一時してからやっとフェルくんに解放してもらえて、そのままフェルくんに誘導されて森の中を進んで行ったのであった。

　森の中を進むに連れて、水の流れる音が聞えてきたのである。

　そして、そこには水竜アクアドラゴンであるシーちゃんが、川の側でどうやら俺とファルくんを待ってくれていたのであった。そのシーちゃんも響ヒビキの姿を確認して鳴き掛けてきたのである。

『クッ、クゥー！ヒビキ、見つかった｡ヨカッタ、アクアサマが、悲しまないですむ｡ハヤク帰ろうヒビキ』
　そのシーちゃんの鳴き声と共に、響ヒビキの解る単語があったが、響ヒビキその事に気が付かず当たり前のように返事を返した。

「ああ、そうだな・・・・！？えっ、今シーちゃん喋った？」
　何となく返事をした後に、その事に気が付いた。

『クゥッ～？』
　いや、今確かにシーちゃんが喋っていたと思ったけど、気のせいだったのかな？
　ただし、気が付いた後には、なんと言っているかが解らなかったので、やはり気のせいかなと思ったが、実はこの時シーちゃんはいつもの様に鳴いて答えただけで、喋った訳ではなかったのである。しかし響ヒビキシーちゃんの鳴き声が普通の言葉で解ると認識するのは、数日後であったのであるが、この時は解らないままの状態であったのである。

　それから俺とシーちゃんとフェルくん、そして亀吉の3匹で、一緒に行動をする様にしたのであった。