インフィニット・ファンタジアライフ

桜華 剛爛

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63:石碑の浄化とボスゴブリンとの戦闘結果?

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 しかし、その変化したゴブリンも、先程までとはあきらかに違い、力も動きも別モノであった。

-☆-☆-

 そのフェルくんとどす黒い緑色に変色して二回り程大きくなったゴブリンの戦闘を、みながら瘴気を出す石碑の浄化を開始したのである。

 戦闘は続いているが、何故かまだ石碑を浄化出来ず、何故か力だけが吸われている様な感覚に捕らわれながら、意識を両手に集中した。
 すると徐々にではあるが、先程まで黒い霧を出していた状態がなくなり、手を添えている部分から綺麗な水晶に変化し出した。
「もう少しだ!こなくそぉぉぉっ!?」

 ヒビキ気合を入れる意味合いで大声で叫んだすると、眩いまでの光が周囲を包み瘴気を出す石碑は、一瞬のうちに綺麗な虹色の水晶に変化したのである。
「へへへっ、やったぞ!これで、さっきの奴は・・・」
 ヒビキ既にこの時点で己の力を使い果たし、意識を失いそうになって、ふらついた状態になっていた。

 そうこの時、村の中心で瘴気を出していた石碑は、完全に浄化されて虹色に輝く水晶に変化していた。それと同時くらいに、周囲に残っていた狂気に満ちて凶暴なゴブリン達が、一回り程小さくなり混乱しだした。
 恐らくその状態のゴブリンが正常な大きさであるだろうが、魔物である事には変わらない。それらは全て周囲にいた動物達と亀吉とシーちゃんに葬りされられていた。

 それと先程まで、フェルくんと戦っていたゴブリンも最初に見た時の状態に戻り、慌ててフェルくんより逃げ出し弱っているヒビキに攻撃を仕掛けてきたのである。

『グギャギャゴギャ!ガギャガギャ・・・』
 そいつの攻撃をヒビキは、ふらつきながらも最初の一撃は辛うじてかわし、そして次の攻撃は自分の持っていた錆びた剣で受け止めた。するとその行為を驚いたそのゴブリンを渾身の力で蹴飛ばし、ヒビキは倒れそうになりながら間合いを取った。

「ふへぇぇっ、はあはあ、あっ、危なかった!なんなんだよこいつ、まだこんな力を・・・それに他のゴブリンより遥かに強いじゃんか、ビックリ、はあ、はあ、したよ・・・でも、まだ倒れる訳には・・・」
 ヒビキ疲れきっていながら、目がかすむの状態になりながらも、頭を振り先程のゴブリンと対峙した。

 この時点でヒビキは、既に次の一撃を食らうと恐らく気絶してしまう可能性があった。

 それで案の定、フェルくんが助けに入る前に、ゴブリンが最後の賭けに出てヒビキを亡き者と使用として突進攻撃を仕掛けてきたのである。
 まずゴブリンは持っているこん棒みたいなのを振り上げてきたので、錆びた剣で受け止めた瞬間、ヒビキはお腹の部分で衝撃を受けて吹き飛んでしまったのであった。
「がはっ・・・!?」
 ドサッ、ガサガサッと茂みの中に吹き飛び、その中に倒れた。

 フェルくんは疎かシーちゃんと亀吉は驚きその場に駆け寄ってきたのである。

 残念ながらヒビキこの時点で意識を失ってしまっていた。それで駆け寄ってきた動物達とフェルくん達は心配そうに、倒れたヒビキ覗き込み、その後ゴブリンの方に、怒りと共に視線を向けた。

『ギャギャギャッ、グギャグギャ・・・!?』
 ゴブリンはその場でヒビキを倒した事を喜び踊り出し、ヒビキの元に集まったモノ達に睨まれたので、その場から逃げ出そうとした。

 すると不思議な事が起こったのである。ゴブリンが反対を向き逃げ出そうとした瞬間に、ゴブリンの首だけがこちらを向いたまま身体だけが反対を向き走りだしたのである。
「ぐぎゃ?・・・」
 タッタッタッっと、走り去ろうとしたゴブリンは訳が解らず頭だけはこちらを向き走りだしたが、駆け出した数歩進んだ後に、頭をその場に落とし身体だけは走り去ってしまい途中にあった岩に躓き転んだ。そして不思議と頭だけになったゴブリンは最後に断末魔をあげた途端、転倒した身体も動かなくなり消滅したのであった。

 まあ、恐らく先程ヒビキがこん棒を受け止め吹き飛ぶ瞬間に、偶然にもゴブリンの首を錆びた剣が当たって切断していたのであろうが、その事は誰にも解らないのであった。

 これでこの村での戦闘は終わったのであるが、肝心のヒビキは茂みの中で倒れて、動かなかったのであった。それを周囲から心配そうに覗き込むシーちゃんとフェルくん、それといつの間にか元の小さい亀に戻った亀吉と動物達であった。
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