クイーンズ・メモリー!   ☆大魔王は勇者がお気に入り☆

桜華 剛爛

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第一章:第一節

5:近くの村へ?

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 そこで最終的に、この子達をその村まで連れて行き、村でこの子達の身元を確認して、それからどうするか考えようと、馬車を村の方に向けて移動を開始した。

 移動を開始して、目的の村に近くまで来て異変に気がついた。
「あらあら?・・・マリー、ねぇ、村のある方角が異様に明るくない?ちょっと上で確認してもらえるかしら」
「へっ?解りました。姉様・・・ヨッ、イッショ・・・・!?」

 セシリーが馬車を走らせてる途中で村のある方角が、若干明るくなっているのに気が付き、マリーにその方角を馬車の高い位置から確認して貰うため声を掛けると、マリーの方もその場で確認して、よく解らないがとりあえず馬車の上にある荷物台に上がり、その場に立ち遠くを確認した。

「あっ!・・・・・ねっ、姉様!エリザ様!大変です。村が、村が燃えてます」
 すると、その方角で火の気が見えたので村が燃えていると判断して、セシリーとエリザに報告した。

「えっ、えええ、大変じゃないそれ!」
「なっ、なんですって!・・・それほんとマリー」
 セシリーは馭者台に立ち、エリザは馬車の馭者台がある方の小窓を開け、その方角を覗き見た。

 確かにその方角は明るくなっていたが、赤ん坊達がエリザに引っ付いた状態なので身動きが取れず、よく確認できず火の気などは見えないので、仕方なくマリーに命令を出した。
「マリー、すぐに村の方に行って現状を確認、もし対処できるなら早急に対処をして頂戴!」
「はっ、直ちに!」
 マリーはすぐにエリザの命令を聞きその村へ一足速く、自身の持つ魔法と翼を持って上空を飛んでいった。

「セシリーは速く村まで馬車を走らせて頂戴!」
「ええ、承知しましたわエリザちゃん。この達にはちょっと酷でしょうが・・・エリザちゃんは赤ん坊達をよろしくね」
「そんなの解ってるわよ。でも、急いで・・・なんか嫌な予感がするの」
「それでは早速、この達に身体強化を掛け、馬車にも強化と振動対策の魔法を掛けます。・・・・それでは今から最速で移動します」
 馬車事態が一瞬中に浮いたような浮遊感があり、その後振動も無く地を統べるように馬車が加速しだした。

 それからしばらくして、その村にエリザをのせた馬車がたどりついた。

 その場所にたどり着いたときには、殆どがの火は消えて所々小さく燻り燃えている程度であったが、それに先程まで大きく燃えていたのであろう場所から煙と水蒸気が立ち昇っていたのであった。

 その光景をみたエリザは何故こんな状況にと困惑しながら、まだ燻っている火をこれ以上燃え広がらない様に、自身の持っている水魔法と風魔法を操りピンポイントで、被害を拡大しない様に燻っている火を消し去った。
 それにこの村にある建物のいくつかは、水浸しで消火した後があるので、恐らくマリーが事前に消火したのであるのだろう。

「これは、酷いすぎますね。・・・・えっ、エリザちゃん?」
 セシリーは、この村の惨劇を見て声をエリザにかけ、そちらに視線を向けた。するとそこには驚きと悲しみの表情を見せたエリザの顔があり、先程から一向に離れない男の子の赤ん坊を抱きながら涙を流していた。

 その姿を見たセシリーはエリザに声を掛けようしたが、名を読んだ後からが言葉が続かず躊躇したのだ。
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