クイーンズ・メモリー!   ☆大魔王は勇者がお気に入り☆

桜華 剛爛

文字の大きさ
10 / 40
第一章:第一節

7:シスターの少女と村の事?

しおりを挟む
 それにその周囲は少しも焼けておらず、先程の崩れ落ちた屋根もその少女を護っていた様な感じがあったのだ。
「姉様?これは一体・・・おかしくありませんか、このような状態は、この娘の周囲だけが全然燃えた後が無いですよ。しかも、これは・・・」

「ええ、確かにおかしいけど、この娘の抱えているのは、恐らくヴァルファス神像ですよ」
「あっ、ホントだ。でも、まさかこれって本物?」

 そのシスターの少女は、この教会にあったであろう、小さい御神体ヴァルファス神像守る様に自分の身体に抱えていた。しっかりと自分の身で、その御神体を包み込むように抱いていた。

 その御神体には、聖なる守りの加護が付与されていたようで、恐らくシスターはそのお陰で一命をとりとめていたと思われる。それでも不思議なのが本物には見えないその像は、今なお神々しい光が出ていたのであった。

 シスターの少女は御神体の加護のおかげなのか、それとも自身の行ないで助かったのは不明である。
「姉様、どうします。この娘は・・・」
「とりあえず、この娘を連れて、エリザちゃんの元に戻りましょう」
『ほっ、いつもの姉様に戻ってる。でも、この娘を見つけるまでのあの緊張感はなんだったのから、それと姉様がここに来る前のあのエリザ様の禍々しいオーラは・・・それは不思議と直ぐに収まったけど・・・今日は不思議な事が色々と多く起こるわね』
 そう思いながらマリーは、シスターの少女を抱きかかえエリザ様の元に行った、姉であるセシリーの後に続いて建物を出た。

「エリザ様、この娘が居ました。一応生きていますが、体力をかなり消耗しているようです」
「解ったわ。あなたはその娘を馬車に連れて行き介抱してあげて、マリー!」
「なんですか?エリザ様」
 エリザは、セシリーが連れて来た少女の介抱を任せ、自分は赤ん坊を抱いたままマリーを呼び止め話をしていた。

 そして、そのシスターを馬車まで連れて行きセシリーが介抱していると、お腹の部分に刺し傷の痕があるのに気が付き、エリザに声をかけた。
「エリザ様、この娘、このシスターの少女のお腹に何かで刺された、刺し傷があります。しかもこれ最近のもののようです」

 その言葉で、何かを納得したように馬車の中にいるセシリーとエリザの側にいるマリーに声を掛けた。
「ねぇ、二人とも恐らくここの村は、襲われたんじゃないかしら」
 そう言って、ある事を思い出し話を続けた。

「ちょっと前に、人族の赤ん坊と子供が何者かに、誘拐されているって噂が広間っていたから」
「えっ!でも、今まで襲われたなんて話は、聞いた事はないですよ。だから神隠しとか色々言われてたと思いますよ」
「そうよ、エリザちゃん。今までの噂じゃいつの間にか子供だけが消えているって話のはずよ」
「だから、今回はその例外なんじゃない。それに子供が突然消えるなんておかしいでしょ。それにさっき襲われていた馬車、子供と赤ん坊はいたけど大人の女性の姿が無かったじゃない。それにいかつい男性の亡骸のあとしかなかったと思わない。殆ど残骸だけど」
 実はあの場所で赤ん坊達を助けた後、周囲にあった魔物の素材や魔石の他に、人族らしき男の死骸が複数、離れた場所と、馬車の下敷きになっていたのである。しかも逃げた足跡も子供らしき足跡と大きな足跡、そう男性の足跡が複数あったのだ。

 その言葉を聞きマリーは考えて、確かに赤ん坊がいるのに母親らしい女性の姿も足跡も見なかったのを思い出した。
「なら、あの子達は、ここの、この村の子という事でしょうか?」
 エリザは、こくりと首を縦に振り答えた。

 そうこの赤ん坊を含め、あの2人の子達とシスターの少女の故郷であるこの村は、すでに焼き払われなくなってしまっているのだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

【最強モブの努力無双】~ゲームで名前も登場しないようなモブに転生したオレ、一途な努力とゲーム知識で最強になる~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
アベル・ヴィアラットは、五歳の時、ベッドから転げ落ちてその拍子に前世の記憶を思い出した。 大人気ゲーム『ヒーローズ・ジャーニー』の世界に転生したアベルは、ゲームの知識を使って全男の子の憧れである“最強”になることを決意する。 そのために努力を続け、順調に強くなっていくアベル。 しかしこの世界にはゲームには無かった知識ばかり。 戦闘もただスキルをブッパすればいいだけのゲームとはまったく違っていた。 「面白いじゃん?」 アベルはめげることなく、辺境最強の父と優しい母に見守られてすくすくと成長していくのだった。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

処理中です...