クイーンズ・メモリー!   ☆大魔王は勇者がお気に入り☆

桜華 剛爛

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第一章:第二節

6:怒れるアレス?

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 その自分の腕が落ちている状況を確認して、動かせる頭の部分と視線を動かし、自分の無くなった腕と落ちている腕を、青ざめながら交互に見て言葉を喋った。
「あっ、ああ、おっ、俺の腕が何でだ?それにいっ、痛くねえ。どうしてだ・・・?」

 それから目の前に、先程アデル自身が極大魔法を放ち、亡き者にしたはずの少年が立っているのに気が付き視線をそちらに向けた。
『まっ、まさか、さっきの魔法は、全力で放ったんだぞ。しかも周りの連中を巻き込む様に力を抑えず放ったはずだ?・・・ああ、まあ俺が無意識にガキの方を外したのだろうな。それならば、もしかして・・・』
 そう言葉に出したつもりだったのだが、声が出ない事に気が付かずそのまま喋っている気でいた。

 それに先程のアデルが放った魔法で発生した爆炎と煙は今だ晴れる事は無く、アデルの後方ちょうど他の者が大勢いた付近からは見えない状態になっていた。それなのに先程まで抱えていた少女を、いつの間にか目の前にいる少年アレスに奪われ、何故か自分の腕も切られている状態になっているのた。
 しかもその奪われた少女は、そのアレスの腕の中でお姫様抱っこをされて気を失ったままであった。

『いっ、いつの間にこのガキ。よくも・・・?』
 アデルはそう喋ったつもりでいるのだが、またその言葉が出ていないのに気が付かず怒りをあらわにしていたが、今度は身体に妙な悪寒が走り少年の方に視線を向けた。
 すると目の前の少年アレスは、アデルに向けて冷たい視線を送り睨み付け威嚇している。しかもそのアレスが放っていたのは、間違いなく大魔王エリザと同じ覇気であり、下手をするとそれ以上のヤバイ覇気を感じていたのであった。

 このときアデルは、焦り色々と考えたが、その考えがまとまらずに、また少女を奪い取りこの少年を始末すればいいと簡単に考えをまとめて、無くなってしまった自分の腕の事を恐怖の余り忘れて伸ばそうとしていた。
 だが自分の腕を動かそうとするが動かない、すでに無くなっているのを自分でも確認していたのにも関わらず、混乱してしまい必死に他の部分を動かそうとした。
 それでも、まったく身体がいう事をきかない。と、いうより身体全体が動かない状態のまま、苦しむ事もなく何故と思い視線と頭だけを必死に動かすまくる行為に出ていた。
 それでやっと見える範囲に、自分の部下であった者達の存在を確認して声をあげた。

 しかし、その声も今だ出ず必死にあらがい続けてふと気が付いたのである。

 それは全身が冷たく、そして痛みすら感じない状態をその時点で冷静になり、もう一度動かせる頭と視線を自分の見える範囲に向けると、完全に身体全体が氷付けにされている事に気が付いた。
 しかも自分に部下達もである。それなのに先程までは、冷たさもだけど痛みも感じずにいた。今は頭だけは動かせる状態になり、何故か寒さを感じていた。
 この事に、また混乱して声を出そうと、必死で口を動かそうとしているのに、言葉が出てない事にやっと気が付いた。
『どっ、どうなってやがる。俺の腕も身体も動かねぇぇ、終いには感覚もねーし声もだせない・・?どうなってやがる。それに俺の部下達は・・・!?』
 ただ視線と頭だけが動かせる状態で思考だけは、何故かはっきりし出した。それにやっと冷静さを取り戻し、まともに考える事が出来だしたので、自分と部下達の状況を確認していると、その時点で何故か部下達の姿が消えて無くなっていたのである。

 このときアデルは、『はっ』としてから恐怖した。何故ならその時点でとてつもない大魔王エリザの覇気を感じていたからである。
 だが実際はアレス本人が出していたのであるが、まだそこまで気付く事はなかった。

 それでアデルは勘違いしたまま、こう思っていたのである。
『そうだこれは、大魔王の仕業だ』
 そう思い頭をと視線だけを動かし周りを見てみる。しかし、周りには大魔王エリザの姿はなく、目の前の少年だけで大魔王がいない事を確認した。

 そして徐々に周囲の煙が晴れて、アデルの視界にもよく見える様になり、周りに視線を向けた。
 すると周りにいた者は、こちらを見て驚き青ざめた顔をしている。

 この時点でやっと魔王候補の男アデルは、この所業を行なったのが目の前にいる少年アレスがやった事であると気が付くのだった。

 そう周りにいた全員が、何故かアレスの方に視線を向けて驚いて、それにアデルの無様な姿を確認していたからである。
 だがもうこの時、すでに気が付くのが遅かったのである。

 そう目の前の少年アレスから湧き出ている覇気は、大魔王エリザと比較しても同等であり、しかもありえない事に魔族にとっては、天敵である聖なる力をも放出していたのである。それに気が付いたがもう既に遅かった。

 それでもアデルは不思議に思っていた。目の前にいるアレスの気は、なんと聖なる気と魔なる気の両方が混ざり合い、そして放っているのだ。
『なっ、なっ、なんだこのガキは・・・いや、もしかして・・・』
 アデルは既に全身の感覚は無いのに、冷や汗を流しそう思いながら後悔していた。

 これまでことを散々やってしまい、何故粋がって報告をせずもみ消そうとした事を、そして大人しく捕まればよかったと目に涙を溜めていた。
 あわよくばもう一度チャンスを与えて貰えるのなら、今度はと考えて顔を伏せ後悔していた。
 それに自分について来てくれた部下たちにも、心から詫びいれて後悔をしていたのである。

 それを見て、感じたアレスは、自分が放出していた気をすべて抑え込み。毒気を抜かれたように大人しくセリカをお姫様抱っこしたまま、マリアの元に歩いていった。

 ちょうど、そのマリアの元に歩いて行く途中で、セリカが目を覚まして自分を抱き上げているアレスに気が付き抱き付き声をかけた。
「あぁ、アーたんだ。えへへっ」
 そう言葉に出し笑顔を向け、お姫様抱っこされたままアレスの首に抱きついてきたのである。

「あう、セリー動かないでよ。それに気が付いたのなら自分で歩いてよ」
「えへへっ、やーだよっ。まだこのままが良いの」
「ううっ、歩きにくいのに」
 セリカは余程嬉しいのか、笑顔のままアレスの抱き付き、そのアレスは歩きにくそうにマリア達の前までやってきた。

 すると今までの騒動にも、関係なく寝ていたレイカが目を覚まし、その光景を見て声を掛けて来た。
「あぁっ、セリカずるい。私もお姫様抱っこしてよ。アーくんおねがい、おねがい」
 セリカをお姫様抱っこをしているアレスの前まで来て、レイカが必死にお願いをして来た。
 その言葉を聞いたアレスは、ゲンナリした顔をしていた。

 それで今回の飢饉の首謀しゃである。魔王候補のアデルは、アレスが覇気を抑えた瞬間に先程まで動かなかった身体が動くようになり、膝から崩れ落ちた。
 それを確認した親衛隊達は、アデルと動かなくなっているその部下達を捕らえていたのであった。
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