クイーンズ・メモリー!   ☆大魔王は勇者がお気に入り☆

桜華 剛爛

文字の大きさ
18 / 40
第一章:第二節

7:その後の展開?

しおりを挟む
 その飢饉の件でアデルは、心底今回しでかした事を悔やみ涙を流していた。それに何故か先程まで怒りをあらわにしていたアレスの方を見て出ない声を必死にだし謝罪した。
ずばなでぃすまないぼんどうび本当にずばなでぃすまない
 涙を流し出ない声で心から謝罪を、アレスに聞こえる様に謝罪した。

 すると、セリカとレイカに抱き付かれていたアレスが言葉で語らず、アデルに向けて念話で語った。
『僕に謝っても意味無いよ、お兄さん。僕に謝るより今まで失敗した事を繰り返さないようにしないと。亡くなった人達が可哀想だよ。それにあなたを慕う部下の人達に』
 その念話をアデルは聞き、驚いたが首を横に振りアレスに念話を返した。
『いや、俺は酷い事をやり過ぎた。恐らく死罪になり二度と復活出来ないと思う。それにもう既に俺の部下達は・・・』
 ホントに残念そうな感じで、自分達がやった事に対しての罰なので仕方が無いと思いそう語っていると、アレスが説明した。

『あっ、大丈夫だよ。他の人達は時間を止めただけだから、別に死んだ訳じゃないよ。ほいっと・・』
 アレスのその言葉と同時に、今で動かなかったアデルの部下達が一斉に動き出した。ただしその者達の身体の時間が止まっていただけで、意識はずっとあったらしく、これまでの現状を解っていたので、抵抗する事無く大人しく捕まっていた。

 その光景を見たアデルは、また涙を流しアレスにお礼を言った。
『あっ、ああ、良かった。ありがとう。部下達を殺さずにいてくれて、それに最後に君に会えた事に感謝する。後、俺の最後の頼みだ。もしよろしければ、名を教えて貰えないだろうか』

『あっ、うん。僕の名前はアレスだよ。それに・・・いや、後のお楽しみだよ。きっと大丈夫だよ』
『???まあ、よく解らんが、でも最後に君にアレス様に止めてもらえて、良かったありがとう』

 先程までとは打って変わりアデルは、大人しくなり抵抗する事無く自分から玉座のある壇上に向け歩いて行き跪き頭を下げた。
 大魔王の参謀であるセシリーと親衛隊の団長であるマリー、そして魔王達がいる方を見てからアデルは、もう一度頭を下げて今までの行ないを正直に話しだした。
「此度の件は、すべて私個人による所業で御座います。そして先程は御見苦しい姿を見せてしまい真に申し訳御座いません。此度の罰に関しては謹んで受けたく思います。故に今まで私が酷い仕打ちした民達に救いの手を差し伸べて頂きたい。お願いいたします。それと私の命はどうなっても構いませんが、どうか部下達には温情をお与え下さい何卒おねがいします」
「「「かっ、頭!」」」
 その言葉を聞いた部下達も、一斉にその捕らえられた場所で一斉に頭を下げていた。

 察すがにその光景を見ていた全ての者達は、今までの彼の行動と態度が一変して変わった事に驚き、どうして良いのか解らなく混乱した状態になっていた。
 そして、このアデルの変わり様と、そういう変化をもたらしたアレスの方を見て、この子供はいったい何者なんだと思い見つめていたのである。
 それに何故かアレスから大魔王エリザ様と似た様な気の感じに気が付き、だが恐怖とか威圧とかでなく、何故か王を見る様に自分から頭を下げていたのである。

 そんな事とは知らずアレスは、セリカとレイカから抱き付かれていた状態から逃げ出し、魔導書を持って謁見の間より走って出て行ってしまったのであった。

 この時参謀であるセシリーとマリー、それにチョクチョク顔を出していた魔王達だけは、アレスの素性を知っており、それを公にする事はしなかったが、この時を持ってこの場にいた者達はその凄さを知る事になっていたのであった。
 ただこの時点では、まだアレスに隠された秘密とその力の源を知る者はいなかったのである。
 そのうえこの時より何故か魔王、いや大魔王の力が最大限まで高まり称号も発現していたのである。しかしこの時点では誰も知らないし、気が付く事も無かったのである。
 なのでこの時点でアレスは、聖なる力と魔なる力の両方を習得してそれが使える様になっていたのだ。

 これは実際はありえない事なのだ、相反する力を両方持ち、それを同時に制御するという事は、出来ないはずなのに、まだ5歳であるアレスは、それを当たり前の様に制御を行ない、そして暴走する事無く沈めていたのであった。

 これは恐らく、赤ん坊の時に大魔王エリザに助けられ、命を救われた事が大いに関係しているのだろう。それで出合った時より、エリザ自身の魔素を吸収したのが原因で、このような力が習得できたのであろうが、その事は誰も知る事はないのであった。

 それに今回の飢饉の発生させた首謀者が、魔王候補のアデルであるのと、それを収めたのが、あの後偶然やって来たアレスである事が、セシリーの口より、大魔王エリザに直々に伝えられた。
「えっ、ええっ、アーくんがそんな事を?あの子そんな事、全然教えてくれなかったわよ。ここにも戻ってきて、いつの間にかいなくなってるし。3人で戻って来たかと思えば、セリカとレイカにもみくちゃにされてるから」
 その話を聞いて驚いていたが、アレス自身はそのこと事態何もその話していなかった。それに対しては、エリザは頬を膨らまして不満そうに答えたのである。
「それは、恐らくエリザちゃんに心配させたくなかったのだと、思いますよ。あの子エリザちゃんが悲しむ姿が一番嫌い出し、それに怒っている時も絶対何かしてるから、今回だってそうでしょ」
 セシリーが言うようにアレスは、エリザはもちろん身近な者に対して嫌な事が起きると何かを行ない。その時の雰囲気を変えている節があった。

 それを聞き諦めた様に言葉を掛けて来た。
「うぅん、まっいっか。それで、それで今回のアーくんどうだった。ねぇセシリー」
「はぁいぃ、それはもうカッコ可愛かったですよ。ホントに見せて差し上げたかったですぅ。ただ、最近のアーくんの雰囲気が、なんだかエリザちゃんに似てきてるんですよ」
 アレスの勇姿をウットリしながら答えたセシリーだった。
「いいなぁ、いいなぁ、私も見たかったなぁ。残念だなぁ」

 そのような話を一時の間してから、今回の首謀者であるアデルをどうするかを、エリザの執務室に集められた魔王達と決めるため、呼びに来たマリアと共に向い話し合う事にした。

 そこには魔王4人と親衛隊数人とマリー、それに共に来た参謀のセシリーとマリアの計10人で行なう事になった。
「それで魔王候補だったアデルはどうしますか?エリザ様」
「そいつ反省しているのでしょ。それにアーくんが粛清したのなら、死罪までする事ないわね。まあ領土と魔王候補の称号を取り上げて、一時の間牢獄で謹慎にさせた後にでも、軍にでも入れて1から学ばせなさい。それで今回の件は水に流しましょう。亡くなった者達と皆には、申し訳ないけど」
 魔王ルイザから尋ねられたので、エリザは正直に答えた。それに先程セシリーに内情を聞き大体の事を理解していたので、死罪まではもう考えていなかった。

「はい、私もそれで良いと思います。それに恐らく皆も納得すると思いますよ。あの場で何故かその場を治めたアレスの坊やにみんな無条件で頭を下げてたしね。レドルとカイザーも問題ないでしょ」
「ああ、問題ないボンには驚かされたがな」
「ええ、私も異論ありませんよ。アレス君がやった事ですので、問題ありません。ははは・・・」
 魔王メルテがルイザとエルザの会話を聞き、自分の賛成してレドルとカイザーに話をふると、いつも無口なレドルも言葉に出し賛成して、同じくカイザーもアレスがやった事なので問題ないと笑って賛成していた。

 しかし、みんなの言葉を聞きエリザは、不思議に思い声をあげた。
「えっ、何故?・・・普通納得しないでしょ。人族であるアーくんなのよ。それを行なったのは、それにメリテさっきのはどういう事?」
 恐らく皆から反感の講義が来ると思っていたが、その考えとは違う答えが返ってきたので不思議になり聞き返した。

「いえ、実は先程の話に戻りますが、首謀者であるアデルを静め改心させたのがアーくん、あっ、いえアレス様でありまして。最後にアデル自ら前に出てきて正直に申した後、他の皆が自分からアレス様に向けて頭を下げていたのですよ」
 その話をセシリーから聞いてエリザは、ますますその光景を見たかったと心底残念がっていた。

 エリザは突然会議中だというのに、立ち上がりセシリーに向けて言葉を掛けた。
「あなた達だけずるい。その話はもういいわ。後はお願いね」
「えっ、エルザ様は何処へ?」
「今日は、もう寝ます。今からアーくんのところに行って。添い寝して貰うの」
 そう言って執務室より出て行き、アレスの部屋に一直線に向かっていった。

 この場に残された者達は、呆気に取られて言葉が出なかったが、まあ、後はそんなにややこしい事でもないので、それ以上は語らずアデルとその部下達の処分を決め解散する事にした。

 そしてこの夜、アレスは自分のベッドに入って来たエリザに、嫌がる事無く一緒に寝ていたのであった。
 まあ実際、アレスは赤ん坊の時からずっと、この城の中で一番エリザの事が好きであるから別に嫌がる必要も無く、それに心地良いので素直に一緒に寝たのであったのである。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

転移先は日本でしたが、あまりにも楽しいのでスローライフを目指します!~従者(ヤンデレ)がついてきた件~

雨宮 叶月
ファンタジー
異世界の公爵令嬢だった私は、ある日突然、日本に転移してしまった。 しかし、思っていたよりも楽しい。 パンケーキは美味しいし、猫カフェは心地いいし、大学も意外と楽しい。 ここでのんびり暮らしていこう。そう決めた、はずだった。 「お嬢様……やっと見つけました」 現れたのは、かつての忠実な従者——だったはずなのに、明らかに様子がおかしい。 「……誰と会っていました?」 「そんなバイトなど行かずとも、私が養えます」 え、待って。日本でスローライフするんじゃなかったの? 平穏な日々を取り戻したいクールな元令嬢と、独占欲強めなヤンデレ従者。 とりあえず、甘いもの食べに行きたい。

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

【最強モブの努力無双】~ゲームで名前も登場しないようなモブに転生したオレ、一途な努力とゲーム知識で最強になる~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
アベル・ヴィアラットは、五歳の時、ベッドから転げ落ちてその拍子に前世の記憶を思い出した。 大人気ゲーム『ヒーローズ・ジャーニー』の世界に転生したアベルは、ゲームの知識を使って全男の子の憧れである“最強”になることを決意する。 そのために努力を続け、順調に強くなっていくアベル。 しかしこの世界にはゲームには無かった知識ばかり。 戦闘もただスキルをブッパすればいいだけのゲームとはまったく違っていた。 「面白いじゃん?」 アベルはめげることなく、辺境最強の父と優しい母に見守られてすくすくと成長していくのだった。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

処理中です...