クイーンズ・メモリー!   ☆大魔王は勇者がお気に入り☆

桜華 剛爛

文字の大きさ
20 / 40
第一章:第三節

2:飢饉の真相は?

しおりを挟む
 それで先程説明したように実を言うと、今回の飢饉の発生には、裏があり元を紐解けば元大魔王の幹部達が引き起こした事件が関係していた。これを詳しく説明すると長くなるので結論から言うと、元大魔王とその元幹部の老人達が盗賊を雇い、その盗賊達にその領地を襲わさせて人為的発生させた飢饉であった事が秘密裏に解っていた。

 事実アデルは飢饉が起こったのを黙っていたが、その元幹部の老人達に言葉で誘導されて、これくらい悪くないと思いこまされ、大事おおごとになってしまっていたのが事の始まりであったのだ。

 その事も調査で解っていたので、アデル達を死罪にして始末するのではなく、労働をさせ実を持って罪を償わせるように、考えを改め現状アデル達の処分は保留にしていたのであった。

 しかし、そうとは知らずふんぞりかえっていた元大魔王とその元幹部の老人達は、すべての罪をアデル達に押し付け、あわよくば大魔王エリザの人気及び信頼を無くさせようと企んでいたのである。

 それを知っていたエリザはその者達に睨み付けていたが、そうとは知らず元大魔王とその元幹部達は、でっち上げた話を次から次えと語っていたのである。
 その光景を見ていた現魔王達と参謀であるセシリーも、呆れて何も言えない状態になっていたのである。

 それでこのままじゃ拉致が開かないと、現魔王達がアデルに付いての処分を、エリザに代わり申し渡したのである。しかも何かを誘導するように考え話をしたのである。

 最初に言葉を掛けたのは、女性魔王のルイザだった。
「なら温情として魔王候補から外して、もっとも過酷と言われる地で、位置からそいつの部下たちと共に領土を開拓させるか、もしくは下級兵士の位まで格下げして、戦場におくりだすかにしましょうか」
「あら、ルイザ、それよりも、氷付けにして動けなくするのも良いのでは?それか溶岩地獄の牢獄に入れて汗だくになってもらいましょうか」
 ルイザの言葉に、同じく女性魔王であるメルテが違う処分がいいと答えた。

「我々は、その処分でも構いませんが、それだとその部下と関係者の者達も似たような処分をする必要がありますね。そう思いませんかカイザー殿」
「ああ、そうだな。関わった者すべてと、それを引き起こした者にはそれそうの罰を与えねばな」
 魔王レドルが同じく魔王であるカイザーに自分達の主張する事を確認した。

 この時点で元大魔王とその元幹部の老人達の所業を、知っていた現魔王達は遠まわしに元大魔王達の事を話しているのだが、それでも元大魔王達はばれてないと思っているのか、何を言っている処分するのが当たり前だろう見たいに、ふんぞり返った状態でエリザの方に向き直り言葉を掛けた。
「そうだな、現魔王殿達が言うように、それに関わった者達にも、それにエリザ殿や現魔王殿達にも処分を受けて貰わないといけませんな。ふっははは・・・」
「「「「そうですな。そうですな」」」」
「関わっている者全員ですな」
「直接関わった者はもちろん全員死罪、その他の者は現地位より退いていただきましょう」
「おお、それがいい。それならば我々も納得できる」
「それで我々がその地位を変わりに引き受けましょう。今の我々はあくまで相談役ですからな。今回の件には直接、関係ありませんからな」ニヤリ。
 この元大魔王の言葉と元幹部の老人達の理不尽な言葉を聞き、エリザが既に怒りの頂点に達していた。それで何時その怒りが噴火するか解らない状態になっていた。

 すると先程から大人しく見ていたアレスが、エリザに変わり不満を漏らした。
「それじゃだめだよね。あの人だけは既にある程度罪を償って頑張っているのに、一番悪い事した人達は、あの人に罪を背負わせてふんぞり返ってるのは、関わっていたみんなに平等か、それ以上の罰を与えないといけないよね」

 アレスがニコニコと笑顔を向けて語った言葉に、元大魔王とその元幹部達それを見て怒鳴りあげてきた。

「なんだ小僧!貴様に言われなくてもそんな事は解っておる。奴だけでなくこの者達にも、罰を与える事は決まっているのだ。関係ない貴様の様な人族は、我が大魔王に返り咲けば、直ぐにこの場より追い出してくれるわ。いや、処分してくれるわ!」
「今迄黙っていたが、何故ここに人族の子がおる。いよいよ持ってあなた達の行為は、おかしいのではないですかエリザ様」
「なんなんだ、その人族のガキは、我々に意見するなど持っての他だ!」
「そうだ、そうだ・・・」
 その様に元大魔王と元幹部の老人達の、不満と怒りの声を聞いたが、何故かその周りにいる者達は誰も何も答えず黙って呆れていると、その言葉を聞いたアレスが首を横に振っていたのだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

処理中です...