クイーンズ・メモリー!   ☆大魔王は勇者がお気に入り☆

桜華 剛爛

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第一章:第四節

8:不思議に思う精霊族の女王?

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 それは何故かと言うと、フェリエル自身は今の目の前にいる大魔王エリザが故意に放出している覇気でも、気を抜くと少し頭痛気味になり、下手すると寝込む恐れがあると思っていたからである。

 それを今森の中で戦っているマリアはもちろんこと、先程馬車に戻った行った聖女様であるかも知れない少女のレイカとセリカの2人も、恐らく普段のエリザの側にいても平気なのだろうと思い、不思議かつ脅威にも感じていたのであった。

 それだけエルザの出す覇気は、ひと昔前に感じた時には途方も無く凄かったのだ。

 それにあれから相当な月日が流れているので、フェリエル自身もかなり強力で強い耐性能力を身に付けている。それなのにまだ完全に耐え切れていなかったのである。

 恐らく今の状態でもエリザが全力で覇気を放つと、耐えられないとフェルエルが感じていた。それなのに人族である娘達が平気なのが、どうしても不思議しょうがなかったのである。
「どうしました。フェリエル様?何か考え事をしてるようですが・・・」
『いえ、ちょっと不思議に思いまして、確か、貴方様の覇気は人族には耐えられないと聞いていたので、特に神の加護があると言っても、そこまで平気なのかと思いまして』
 事実フェリエル自身も神の加護を持っているので、その部分も踏まえ不思議だったのである。

 普通の人族が大魔王の覇気に対して、まったくと言って良いほど耐性が無いと知っているし、例え耐性がありどんな強い者でも長時間エリザの持つ大魔王の覇気を感じていたら、言い方が悪いかもしれないが、意識が保てず廃人となり、心を壊してしまう恐れがあったからである。
 それなのに平気な人族がいる上に、その娘が途方も無く強く、それどころかもう1人護衛としてきているだろう、魔族の娘の強さにも驚いていた。

 しかもその2人の強さは、今戦闘が行なわれている場所から、相当はなれたこの場所でも異常だと思う強さを感じ取っていたのである。
『そうなのですか。それなら今ここに向かって来ている邪心族の相手は、あの御2人で大丈夫でしょうか?』
「少し心配ではありますが、余程の事が無いかぎりあの2人で大丈夫・・・・!?」
 エリザは大丈夫と答えようとしたが、マリーとマリアが戦闘している場所より、まだ少し離れた場所ではあったが、突然巨大な悪意と力を持った何かの気が現れたのであった。

 その気を感じ取ってエリザは驚き、少し考えフェリエルに語り掛けた。
「フェリエル様、どうやらちょっと問題が発生しましたわ。あの2人ではちょっと無理な相手が出てきたようです」
『あっ、ああ、はい、私も感じました。このままではあの2人が危ない。私じゃ戦力になりませんが、それでも何かの役にたつかもしれませんので私が・・・』
 突然現れたのは、あきらかにマリーとマリアには対処が難しいと感じてエリザが、フェリエルに声を掛けたが、まさかフェリエルが応援に向かうと言い出すとは思わなかった。

 しかし、フェリエルのその覚悟を聞き、エリザはある事を決心して声を掛けた。
「フェリエル様、その必要はありませんよ。今回の和平会議は諦めて私があの場所に向かいますわ。失礼ですが恐らく貴方が向かわれて戦力にはなりませんわ」
 エリザは今回の和平会議は諦めて、仕方なく自分に掛けられた封印を外そうとした時に、馬車から1人の男の子が降りて来てエリザに声を掛けてきた。
「エリ姉!僕が行くから、それ外さなくて良いよ。もう、気持ち悪いの治ったから」
「えっ、えっ、アーくん?えっ、なに、何言ってるの?えっ、でも・・・・」
「ホンじゃ、言ってくるねぇっ、エリ姉!」
 そう声を掛け、とんでもない速さで森の中に消えて行った。

「あっ?危ないから、出たちゃだめってエリザ姉様が・・・あれ?アーくんいないよ」
「もう、アーくんたら、人の話しも聞かないで、どっか行っちゃたよ」
 そのアレスの後を追って、馬車から2人の少女も注意の言葉をかけながら出てきたが、既にアレスはそこにはいなかったのである。

 しかし、その少女よりもフェリエルは、森に消えて行ったアレスの方を見ながら、物凄く驚きながら言葉を漏らしていた。
『えっ、エリザ様!?あの少年は・・・?まっ、まさか・・・いえ、そんな筈は・・・』
「えっ、どっ、どうしました。フェリエル様・・・?」

 アレスが馬車より姿を現し、そしてエリザに声を掛けたあと、その場から一瞬のうちに姿を消していた。しかし、ほんの数秒だったがフェリエルはその姿を見て、その少年の放つ気を感じて、更に驚きを隠せず食い入るようにエリザに尋ねてきたのである。

『えっ、エリザ様。先程の少年は何者なのですか?今の気はあなたと同じ様な気質でありながら聖なる気を感じましたよ。それになんでしょうこの安心感と言うより安らぎを感じる気は・・・。それにここの、この生命力を奪われていた草原が・・・不思議と活気を取り戻しているのはなぜでしょう? 最近ではもう殆ど花も咲かさず精霊達も寄り付かなくなっていましたのに、それがあの少年が姿を現して気を放ったと同時に・・・。それに今感じているこの気は間違いなく貴方様と同じ。それとこの気は・・・いえ、そんな筈はないですよね。これは人族特有の気でもありますし』
 そんな筈はありませわ。この気は人族の特有の気であるし、でも、しかし、何故聖なる力と魔なる力を同時に?それに、これは間違いなくエリザ様と同じ・・・どうなっていますの?

 そうこのときこの草原の周りは、先程までただの枯れ果てた草原だった筈なのに、いつの間にか聖霊界特有の花である聖霊華が咲き乱れ、そして、精霊族の女王であるフェリエルにも本来以上の力が戻って来ていたのである。
 本来ならば聖霊界に戻らないとその力は出ない筈なのに、今現在この草原でその力が出せるようになっていたのであった。

 それを感じていたフェリエルは、間違いなく先程森の中に消えて行った、不思議な感じの少年の力である事をさとり、まさかと思いはしたが、それならば何故その少年がエリザと同じ気を放っていたのかが、不思議でたまらなかったのである。

 そのころアレスの向かっている場所では、マリーとマリアが周囲の魔獣を全て倒し、最初に現れた邪心族と戦闘を行なっていたのだった。
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