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Case.03【盛夏の潮騒】
day4─青空─
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翌朝。
宿を後にした四人は、駅へと向かった。夏の日差しはすでに強く、昨夜の出来事がまるで夢だったかのように思える。
やがて電車がホームに滑り込み、四人は乗り込む。
発車のベルが鳴るころ、ふと絢葉が窓の外を見た。
そこに、沙月が立っていた。
母親と手をつなぎ、もう片方の手を、元気いっぱいに振っている。
絢葉、京香、文子も笑顔で手を振り返した。
電車が動き出す。
海辺の駅がゆっくりと遠ざかり、沙月の姿も次第に小さくなっていった。
「もう大丈夫そうだね!」
文子が明るく言う。
「そうだねー」
京香が伸びをしながら応じる。
「……よかった」
絢葉は小さく呟き、笑った。
しばらくして、京香と文子は並んで居眠りを始め、奏汰は無言のまま、車窓の流れる景色を眺めていた。
絢葉はそっとスマホを取り出し、史桜へメッセージを送る。
【これから帰ります】
【無事に解決したようだね】
【はい、ありがとうございました】
【私は何もしていないよ。今回は東雲君の頑張りがあってこそさ】
絢葉は気恥ずかしそうに笑いながら、もう一度指を動かす。
【ありがとうございます。沙月ちゃんの助けになれて良かったと思います】
【大切な家族を失った悲しみと怒り、察するに余りある。それを乗り越えて前に進まんとする姿、正しく優雅であっただろうね。私も見たかったよ】
【呉宮先輩は、まだお忙しいんですか?】
【ああ、夏季休暇中は家業を手伝っていてね。だが、またなにかあれば遠慮なく連絡してくれたまえ】
やり取りはそこで途切れた。
絢葉はスマホを伏せ、隣の奏汰に小声で尋ねる。
「呉宮先輩の家って……?」
奏汰は少しだけ目を細め、窓の外に視線を戻す。
「……俺から言うことじゃないな。喋っていいことなら、本人からそのうち聞けるだろ」
その言葉に、絢葉は軽く首をかしげながらも、それ以上は何も言わなかった。
代わりに、流れゆく夏の空を見つめる。
果たして、呉宮史桜とは何者なのか──。
その問いを胸の奥に残したまま、絢葉は遠く続く青空を見つめていた。
Case.03 end──
宿を後にした四人は、駅へと向かった。夏の日差しはすでに強く、昨夜の出来事がまるで夢だったかのように思える。
やがて電車がホームに滑り込み、四人は乗り込む。
発車のベルが鳴るころ、ふと絢葉が窓の外を見た。
そこに、沙月が立っていた。
母親と手をつなぎ、もう片方の手を、元気いっぱいに振っている。
絢葉、京香、文子も笑顔で手を振り返した。
電車が動き出す。
海辺の駅がゆっくりと遠ざかり、沙月の姿も次第に小さくなっていった。
「もう大丈夫そうだね!」
文子が明るく言う。
「そうだねー」
京香が伸びをしながら応じる。
「……よかった」
絢葉は小さく呟き、笑った。
しばらくして、京香と文子は並んで居眠りを始め、奏汰は無言のまま、車窓の流れる景色を眺めていた。
絢葉はそっとスマホを取り出し、史桜へメッセージを送る。
【これから帰ります】
【無事に解決したようだね】
【はい、ありがとうございました】
【私は何もしていないよ。今回は東雲君の頑張りがあってこそさ】
絢葉は気恥ずかしそうに笑いながら、もう一度指を動かす。
【ありがとうございます。沙月ちゃんの助けになれて良かったと思います】
【大切な家族を失った悲しみと怒り、察するに余りある。それを乗り越えて前に進まんとする姿、正しく優雅であっただろうね。私も見たかったよ】
【呉宮先輩は、まだお忙しいんですか?】
【ああ、夏季休暇中は家業を手伝っていてね。だが、またなにかあれば遠慮なく連絡してくれたまえ】
やり取りはそこで途切れた。
絢葉はスマホを伏せ、隣の奏汰に小声で尋ねる。
「呉宮先輩の家って……?」
奏汰は少しだけ目を細め、窓の外に視線を戻す。
「……俺から言うことじゃないな。喋っていいことなら、本人からそのうち聞けるだろ」
その言葉に、絢葉は軽く首をかしげながらも、それ以上は何も言わなかった。
代わりに、流れゆく夏の空を見つめる。
果たして、呉宮史桜とは何者なのか──。
その問いを胸の奥に残したまま、絢葉は遠く続く青空を見つめていた。
Case.03 end──
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