2 / 7
空虚な悲しき日々
しおりを挟む千九百四十一年、十二月八日。
太平洋戦争が始まった。
キッカケは我が帝国による真珠湾攻撃。
この日を境に、私達の日々は地獄と化したのだ。
理不尽に徴兵される大人達。
元々人口の少なかった村には両手で数えられる程の大人しか残らず、私達の父親も徴兵されて逝った。
父親との今生の別れは、どうも思い出せない。
心に深い傷を遺した思い出だから忘れたのか……。
誰かが忘れさせてくれたのか……。
そんなことすらも、今の私には思い出せない。
理不尽に徴収される農作物。
私達子どもは、少ない大人の言うことを聞きながら日々農作業をした。
基本的に食べていた物は小麦粉で作ったすいとんで、小麦粉すら使えない時はドングリの蒸しパンを食べた。
遊ぶ暇も無ければ、食う飯も無い。
言葉通り泥水を啜って生き延びたのだ。
特に酷いのは冬であった。
食料も尽きていれば、採れる食料もない。
寒いよ……寒いよ……。
皆で丸まっては體を縮こませて寒さを凌ぐ。
ひもじいよ……ひもじいよ……。
皆で残った数少ないイモを食べ飢えを凌ぐ。
言葉通り命懸けで生き延びたのだ。
皆、虚ろな目をしながら生きてきた。
でも、この時はまだ、幸せだったのかもしれない。
だって皆、生きていたのだから。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
麗しき未亡人
石田空
現代文学
地方都市の市議の秘書の仕事は慌ただしい。市議の秘書を務めている康隆は、市民の冠婚葬祭をチェックしてはいつも市議代行として出かけている。
そんな中、葬式に参加していて光恵と毎回出会うことに気付く……。
他サイトにも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる